2004年8月7日 朝日新聞掲載
ロスコロラドス 〜 渡邉 明洋





南米チリには「神様が世界を創る時に、
美しいものを寄せ集めてつくった国」という
言い伝えがあるそうです。
確かに、南北を縦断するアンデス山脈をはじめ、
砂漠や氷河、原生林など、チリの細長い国土には
地球上の様々な大自然が凝縮されています。
渡邉明洋(わたなべあきひろ)がチリに赴任して、約二年。
彼の仕事は、三菱商事が出資するCMH(シー・エム・エイチ)社が所有する
ロスコロラドス鉱山の事業管理や操業計画です。
採掘された鉄鉱石は、製鉄原料として日本へも輸出されています。
三菱商事は鉱山機器の納入やファイナンスも手掛けているため、
CMH社の一員でもある彼は、両方の立場で意見をまとめ、
顧客も含め全員がハッピーになれるよう、日々奮闘しています。
「メールよりも、人と人との付き合いが大切ですから」
と言う彼は、首都サンチャゴから
600キロ離れた現場へもたびたび足を運んでいます。
もともと南米に憧れ、南米と関わりのある仕事をしたかった渡邉。
念願叶って赴任したばかりの頃に、先輩から
「お前にメッセンジャーを期待しているんじゃない!」
と叱られたことも。以来、現地で感じた思いや自分の考えを
積極的に発信するよう心掛けているそうです。
鉱山開発は結果が出るまで最低十年はかかるといわれる、
スケールの大きな仕事。
「広大な現場で、人々と連携しながら
ひとつの目標に向かう仕事に参加できて嬉しい」
と、渡邉は言います。
鉱山が長い年月を経て地層が積み重なってできたように、
彼もまた、日々の努力の積み重ねで、信頼関係という大切な山を築いているようです。
(完・次回にご期待ください。)



三菱商事は1950年代からチリの鉄鉱石事業の開発に携わっており、1998年に操業を開始したロスコロラドス鉱山を管轄しているCMH社には50%を出資しています。主に建築建材や自動車のボディの原料として使われる鉄鉱石を、チリ国内をはじめ、日本や成長著しい中国などアジア諸国に供給するほか、世界各国の顧客へ安定供給するために、資源開発投資のみならず、輸送、販売などさまざまな事業に取り組んでいます。



チリの首都サンチャゴへは、日本から直行便がないため、シカゴ経由で入りました。ところが、天候が悪くフライトが遅れた上に、チリの空港は濃霧のために着陸できず、気づいた時は、なんとお隣の国アルゼンチン!予定より10数時間遅れで、サンチャゴにたどり着いた取材班は、疲れで口も利けないほどでした。翌日は、この時期には珍しく快晴。高台から見たサンチャゴ市街と、うっすらと雪化粧をしているアンデス山脈は、疲れを忘れさせるほどの美しい景色でした。




金属グループ >
|
|