2004年9月4日 朝日新聞掲載
インディアナパッカーズ 〜 竹増 貞信





アメリカ中西部、インディアナポリスの近くに
ラフィエットという小さな街があります。
周囲にとうもろこし畑が広がるのどかな街も、
アメフトのシーズン中は多くのひとで賑わい、
スタジアムは熱気に包まれるそうです。
一年の半分近くが冬で、気温が氷点下20℃になることもある
ラフィエットは、まさにホットでクールな場所なのです。
竹増貞信(たけますさだのぶ)がこの地に住みはじめて三年。
「最初の冬は毎日のように雪が降って、
どこにも行けず途方に暮れましたね。
その時は真剣に日本へ帰ろうかと思いましたよ」
と、笑いながら赴任当時を振り返ります。
彼が働く三菱商事が出資するインディアナ・パッカーズ社は、
アメリカで唯一の日本資本の豚肉専門加工会社です。
やわらかくジューシーな豚肉は、アメリカ国内だけでなく、
日本の大手スーパーやレストランへも納入されています。
豚肉の輸出業務や商品開発を担当しているうちに、
「お客様がもっと満足できるものをつくれるはず。
そのためには現場を知るべきだ」と思った竹増は
半年間、自ら加工ラインに入り改善点を調査し、
オペレーションを変更したことも。
そのせいか、あらゆるスタッフから
話しかけられる姿が印象的でした。
歴史あるアメリカの食肉業界を、
日本の会社がどこまでリードすることができるか。
竹増の、おいしい豚肉を提供するための挑戦はつづきます。
「実は今、新しい商品を開発中なんです」
と言う彼は、自宅で仲間と何度も試食を繰り返しているうちに、
バーベキューの腕前も相当あがったそうです。
(完・次回にご期待ください。)



インディアナ・パッカーズ社は、1994年に三菱商事の主導により設立された豚肉加工会社です。100%日本資本で米国のトップ10に入る豚肉加工会社は、ここだけです。
トウモロコシと大豆畑に囲まれた加工工場では、会社のあるデルファイ市の人口の約半数に相当する1,400人が働いています。厳しい衛生管理下で生産される豚肉やベーコンが「インディアナ・キッチン」ブランドで米国内向けに出荷され、さらに厳選された豚肉が日本向けに輸出されています。



今回の撮影では、インディアナ・パッカーズ社の工場長にお願いして、特別にベーコンの燻製室に案内していただきました。 扉を閉めていても香りが漂ってくるベーコンは、通常より長い8時間をかけて、じっくり作られるそうです。また、背の高さくらいあるトウモロコシ畑の撮影では、畑が地平線まで続くスケールの大きさにびっくり。 すべてがビッグなアメリカに、改めて感動しました。




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