三菱商事

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2009年6月29日
宇部興産株式会社
三菱商事株式会社

世界初 カプロラクタム工場のN2O削減CDM事業
~タイ カプロラクタム社と三菱商事が最終的にCDM国連登録~

宇部興産株式会社(社長:田村浩章)と三菱商事株式会社(社長:小島順彦)が共同でタイにて推進している亜酸化窒素(N2O)削減CDMプロジェクトが、2007年8月2日の日本政府承認、2008月2月27日のタイ政府承認取得後、今般、事業化検討開始から2年以上の歳月を経て、最終的に2009年6月16日 国連登録されました。
 
本案件は、宇部興産のタイにおける子会社、タイカプロラクタム社(Thai Caprolactam Public Co., Ltd.、以下TCL社)における、ナイロン6(*1)の原料となるカプロラクタム(*2)製造工程でN2Oを削減するCDM(*3)プロジェクトであり、カプロラクタム製造工程のN2O削減としては世界で初めて国連登録されたCDM事業です。宇部興産にとっては初のCDM登録プロジェクトであり、三菱商事では、30件目の国連登録CDMプロジェクトになります。
 
N2Oは、カプロラクタム製造工程で発生する副生ガスであり、地球温暖化に影響がある温室効果ガスです。本プロジェクトでは、同工場より排気されるN2Oの排出量の削減を目的として、触媒によるN2O分解プラントを追加設置し、2009年6月から2012年末までの間、合計約53万トン(CO2換算)の排出権(CER)を獲得する予定です。
 
宇部興産とTCL社は、日本の技術によるN2O分解プラントを利用してN2O排出量を削減・モニタリングすることにより、地球の持続可能な発展に寄与しつつ、地球温暖化防止にも貢献します。TCL社は地域住民にも充分な配慮を行いつつ、カプロラクタムの製造とともに安全で確実なN2O削減事業を推進していきます。
 
三菱商事は、これまでの経験を活かしてTCL社とともに事業化調査、国連登録申請の関連手続き、国連承認取得活動などを推進してきました。N2O分解プラントとモニタリング測定機器などのファイナンス面でもTCL社に全面的に協力して参りました。三菱商事は、獲得した排出権を地球温暖化問題に積極的に取り組む企業に販売していきます。
 
 
*1)ナイロン6とは:
繊維向け、エンジニアリングプラスチック向けが主な用途のナイロン。ストッキング、食品包装用フィルム、魚網、自動車向け部品などに使用される。
 
*2)カプロラクタムとは:
ナイロン6繊維、ナイロン6樹脂の原料。
 
*3)CDMとは:
クリーン開発メカニズム。地球温暖化防止のために1997年に合意された京都議定書が定める温室効果ガス削減プロジェクトの手法。例えば、そのルールに従い削減義務を負う日本の企業が、削減義務を負わないタイで温室効果ガスの排出量削減事業を実施すれば、国連CDM理事会より排出権(CER)を取得することができる。
 
 

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