三菱商事

プレスルーム

2010年8月5日
JX日鉱日石エネルギー株式会社
三菱商事株式会社

ガスプロムグループとの油田随伴ガス回収事業のJIプロジェクト認定について
ロシア政府として初認定、約310万トンの排出権発行へ

JX日鉱日石エネルギー株式会社(以下、JXエネルギーという。社長:木村 康)と三菱商事株式会社(以下、三菱商事という。社長:小林 健)がロシア連邦石油企業大手のガスプロムネフチ社と共同で推進しているイエティプーロフスコエ油田随伴ガス回収事業が、2010年7月23日に、ロシア政府初のJI(※1)プロジェクトとして認定されましたので、お知らせいたします。
 
JIプロジェクトとは、京都議定書に定められている温室効果ガス削減の手法のひとつで、先進国同士が協力していずれかの国内で温暖化ガス削減事業を実施し、そこで生じた排出削減量に基づき、事業を実施している国より排出権が発行されるものです。
 
本プロジェクトは、ガスプロムネフチ社がロシア連邦ヤマルネネツ自治区に保有するイエティプーロフスコエ油田において、従来は利用されずに燃焼処理していた随伴ガス(※2)を、新設したパイプラインにより回収し、ロシア国内でガス燃料等として有効活用するものです。JIプロジェクトとして認定されたことにより、パイプラインの運転を開始した2009年8月から2012年12月末までの期間、プロジェクトに対しCO2換算で約310万トンの排出権が発行される見込みです。
 
JXエネルギーおよび三菱商事は、ガスプロムネフチ社と共に、事業化調査段階からディベロッパーとして本プロジェクトに取り組んできました。JXエネルギーは、ベトナム・ランドン油田CDMプロジェクト(※3)での知見に基づき、排出権事業化の技術的支援と、プロジェクト設計書の作成を、一方、三菱商事は、幅広い分野・地域で多数の排出権事業を行っている実績(※4)を生かして、ロシアにおけるJI関連法規に基づく承認取得活動の推進と、本プロジェクトより創出される排出権全量の販売を担当しております。両社は、こうした温室効果ガス排出量削減事業の推進により、地球温暖化防止に貢献してまいります。
 
 
※1 “Joint Implementation”(共同実施)の意。
 
※2 原油生産の際に副生するガスで、メタン、エタン、プロパン等の成分からなる。安全上の理由から、燃焼処理されることが多い。
 
※3 JXエネルギーは、グループの石油開発会社である日本ベトナム石油(株)が原油生産を行っているベトナム・ランドン油田において、2006年に随伴ガスを回収・有効利用するプロジェクトとしては、世界で初めてCDM(クリーン開発メカニズム)の認定を受けました。
 
※4 三菱商事は幅広い分野・地域でCDMおよびJIプロジェクトの実績を多数保有しており、国連登録済み48案件(2010年8月5日現在)を含め100を超える排出権事業を自社開発し排出権の創出を実施中です。
 
 
【参考資料】 
1.   ガスプロムネフチ(GAZPROM NEFT)社の概要
(1) 事業内容:
原油の採掘・精製・販売
(2) 株主構成:
ガスプロム(Gazprom)
90.0%
Gazprom Finance BV
5.7%
その他
4.3%
(3) 売上高(2009年):
US$ 24,166百万 (約2.2兆円)  [換算レート: \90/US$]
 
2. イエティプーロフスコエ(Yety-Purovskoe)油田随伴ガス回収・有効利用プロジェクトの概要
(1) プロジェクト所在地
ロシア連邦 ヤマルネネツ自治区イエティプーロフスコエ油田  
   地図
 【地図の出所】
  the Company’s operating highlights 2006, OAO Gazprom Shareholders Meeting, June 29, 2007, Gazprom
   油田
(2)実施開始日
2009年8月10日 (ロシア政府承認後、同開始日に遡及して排出権発行見込み)
(3)予想CO2削減量
合計 約310万トン (2009年~2012年の期間)
(4)事業参加者の役割:
①ガスプロムネフチ
 パイプライン新設等の関連設備投資、操業及び回収ガス販売、ロシア政府承認申請手続、排出権発給・移転手続
②JXエネルギー
 排出権事業化の技術的支援、プロジェクト設計書作成、削減ガスの測定等のモニタリング
③三菱商事
 日本政府承認申請手続、排出権事業化に関わる関連法規の調査、本プロジェクトから創出される排出権全量の販売
 

ニュースリリースに関するお問い合わせ先

三菱商事株式会社 広報部 報道チーム
TEL:03-3210-2171 / FAX:03-5252-7705
ページ上部へ