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2010年8月24日
カナダPenn West Energy Trustのシェールガス開発プロジェクトへの参画
三菱商事株式会社(本社:東京都千代田区、社長:小林健)は、カナダの大手エネルギー会社であるPenn West Energy Trust(ペン・ウェスト・エナジー・トラスト、本社:カルガリー、以下PWE社)が所有するブリティッシュ・コロンビア州のCordova(コルドバ)堆積盆地のシェールガスを中心とした天然ガス開発プロジェクトに参画することに関連し、本日契約を締結しました(本年9月中旬に開催予定の当社取締役会の承認およびカナダ連邦政府等の本取得に対する承認を以って契約発効予定)。
今回の契約発効後は、PWE社が所有する当該鉱区のシェールガス資産、在来型天然ガス資産および関連する天然ガス処理・輸送設備の全50%を、新たに設立する当社の在カナダ子会社(Cordova Gas Resources Ltd.、本社:カルガリー)が取得し、PWE社と組成する非法人合弁事業体を通じて、開発・生産を積極的に推進していきます。
PWE社は、北米シェールガス鉱区の中でも屈指の生産性と埋蔵量を有するコルドバ堆積盆地において最大の資産と知見を有している有望なパートナーであり、2006年よりシェールガスの試掘作業を実施しています。今回対象となる鉱区のシェールガス資産は約5~8兆立方フィート(当社推定。LNG換算約1~1.6億トン以上)にも及び、日本の天然ガス年間需要を大幅に上回る膨大な量の埋蔵量が見込まれております。
今回の契約発効後、当該鉱区でのシェールガス資産の開発を進め、現在の生産量である日量約0.3億立方フィートを引き上げ、2014年で日量約5億立方フィート(LNG換算で約350万トン/年)の生産量(当社持分は50%)を目指します。当社は今後50年以上の期間に亘り当該鉱区のシェールガス開発および生産をPWE社と共に推進し、当社の持分ガスを、当社が34%出資する米国のガスマーケティング会社であるCIMA Energy(シーマ・エナジー)社などを通じて、北米市場にて販売します。
今回の取得費用は、既存資産の50%の取得対価である約250百万カナダドル(約201億円)に加えて、今後の開発井掘削費のPWE社負担分の内、約200百万カナダドル(約161億円)を当社が追加で負担することとなるため、合計で約450百万カナダドル(約362億円)となります。本プロジェクトは、今後15年間で累計約数百本~1,000本以上の生産井を掘削して開発を進めていきます。同期間を通じての事業費は約3,000億円(当社負担分)程度を想定しておりますが、それ以降の開発規模や事業費については、順次計画していくこととなります。
シェールガスは、近年の技術革新により、低コストで大量に生産することが可能になり、また、その膨大な埋蔵量が世界中で注目されている新しい天然ガス資源です。今回の参画を機に、当社はシェールガス事業の知見とノウハウを蓄積し、引き続き北米シェールガス資産の獲得を目指す他、今後の資源・エネルギー戦略にシェールガスをはじめとする非在来型ガス資産の取得・開発を加え、保有資産の多様化を図り、エネルギー資源の安定確保を目指します。
Penn West Energy Trustの概要
北米における石油・ガスの大手生産事業者であり、カナダ西部における最大の中軽質油の生産者。コルドバ堆積盆地で長年天然ガス生産事業に従事し、同地域で最大の在来型天然ガス生産者であり、最大のシェールガス権益の保有者でもある。また、同地域で唯一の天然ガス処理設備も所有。
名称
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Penn West Energy Trust
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本社
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カナダ アルバータ州 カルガリー
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代表者
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William Andrew (CEO)
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設立
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1992年
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売上高
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32億カナダドル (2009年)
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従業員
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約2,000名
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Shale Gas Investment Cooperatief U.A.の設立
1. 設立の理由
本案件への事業投資を担う持株会社を新たに設立したもの。
2. 設立する子会社の概要
(1) 名称
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Shale Gas Investment Cooperatief U.A.
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(2) 所在地
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Vinoly Vuilding, 12th Floor, Claude Debussylaan 28, 1082 MD, Amsterdam
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(3) 代表者の役職・氏名
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President & Secretary 桑原 徹郎
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(4) 事業内容
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Cordova Gas Resources Ltdの持株会社
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(5) 資本金
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C$250mil (契約発効時点。設立時:C$1)
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(6) 設立年月日
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2010年8月18日
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(7) 大株主及び持ち株比率
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三菱商事㈱ 100%
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(8) 上場会社と当該会社との間の関係
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新設会社であるため、2009年度末日における記載すべき資本・人的・取引関係はなし。
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(9) 当該会社の最近3年間の連結経営成績及び連結財政状態
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新設会社であるため、該当なし。
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3. 今後の見通し
当社の今期連結業績への影響は軽微です。来期以降の連結業績への影響につきましては、判明次第お知らせします。
Cordova Gas Resources Ltd.の設立
1. 設立の理由
本権益の保有会社ならびに事業推進母体であり、前述持株会社の子会社として新たに設立したもの。
2. 設立する子会社の概要
(1) 名称
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Cordova Gas Resources Ltd.
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(2) 所在地
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4500, 855 2nd Street SW, Calgary, Alberta, Canada
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(3) 代表者の役職・氏名
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President & Secretary 桑原 徹郎
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(4) 事業内容
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コルドバ堆積盆地におけるシェールガスを中心とした天然ガスの開発・生産
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(5) 資本金
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C$250mil (契約発効時点。設立時:C$1)
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(6) 設立年月日
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2010年8月17日
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(7) 大株主及び持ち株比率
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Shale Gas Investment Cooperatief U.A. 100%
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(8) 上場会社と当該会社との間の関係
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新設会社であるため、2009年度末日における記載すべき資本・人的・取引関係はなし。
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(9) 当該会社の最近3年間の連結経営成績及び連結財政状態
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新設会社であるため、該当なし。
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3. 今後の見通し
当社の今期連結業績への影響は軽微です。来期以降の連結業績への影響につきましては、判明次第お知らせします。
シェールガスとは
非在来型天然ガスの一種であり、根源岩と呼ばれる泥土が堆積して固まったシェール(頁岩)層に閉じ込められている天然ガス。これらの天然ガスは、浸透性が極めて低い地層に貯留されているため、採掘が難しくこれ迄開発が進んでいなかったが、近年の技術革新によって、開発が注目されるようになった。北米では膨大な埋蔵量が確認されており、特に、カナダ西部のシェールガス原始埋蔵量は北米のシェールガス原始埋蔵量(約4,000兆立方フェート)の内、約4分の1と云われている。 シェールガスの台頭により液化天然ガス(LNG)の輸入への依存を高めることが不可欠と言われていた米国のエネルギー輸入政策が見直され、「シェールガス革命」ともいわれている。シェールガスなどの天然ガスは、原油や石炭よりも、燃焼時の二酸化炭素(CO2)の量が少ないため、クリーンエネルギーとしての需要も増えている。
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三菱商事株式会社 広報部 報道チームTEL:03-3210-2171 / FAX:03-5252-7705