三菱商事

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2011年2月25日

スペイン太陽熱発電事業への参画について

三菱商事株式会社(以下、当社)は、日本企業としては初めて、商業運転中の太陽熱発電所へ参画致します。 この度、参画する案件は、世界最大級の総合新エネルギー事業会社であるAcciona S.A.(本社:スペイン、以下、アクシオナ) が保有する太陽熱発電所(4件合計20万kW)で、出資と併せて日本貿易保険(以下、NEXI)の支援の下で、本邦市中銀行とともに事業資金融資を行います。

1. 案件概要
本案件は、アクシオナグループの新エネルギー分野を事業領域とするアクシオナ・エネルヒア社が保有する、太陽熱発電事業の持株会社、アクシオナ・テルモソーラー社に対して、当社が15%出資するものです。
今回資本参加するアクシオナ・テルモソーラー社の傘下には、EU諸国内でも非常に日射量が豊富な地域であるスペイン南部に立地する4件の太陽熱発電所があります。 4件合計の発電容量は20万kWにも及び、太陽熱発電での発電容量では日本企業でトップとなります。
また、4件の内3件は既に商業稼動しており、商業稼動案件への出資としては当社が日本で初めてとなります。尚、残る1件も本年秋には完工する見通しです。
4件はいずれも同国の定める世界でも好条件とされるフィードインタリフ(Feed In Tariff、再生可能電力に対する固定買取制度) の適用を受けており、また、プロジェクトファイナンス契約も締結済みの案件です。
4件の総事業費は、約10億ユーロ、年間発電量は約4.5億kWhで、年間約430,000 トンのCO2削減(*1)が見込まれます。

本件は、NEXIの海外事業資金貸付保険を活用することで、三菱東京UFJ銀行(以下、BTMU)、みずほコーポレート銀行(以下、みずほCB)、日本政策投資銀行(以下、DBJ)と協調してアレンジした競争力ある事業資金融資が、重要な役割を果たしました。
 
 
2. 当社の狙い
当社は、2009年7月に、新エネルギー・環境事業分野を総合的に手掛けるアクシオナ社と包括提携契約を結び、太陽熱や太陽光、風力発電事業等において、グローバルに協業を推進し、同分野における事業拡大を目指しております。第一号案件として、同社がポルトガルに保有する太陽光発電所(4.6万kW)への出資(34%、2009年3月)を実行しており、今回はこれに続く第二号案件となります。 当社は、2010年4月に地球環境事業開発部門を設立し、新エネルギー・環境事業分野に対する取組みを一層強化しておりますが、太陽熱発電については、本件によってスペインの優良資産を保有することで、同分野でのプレゼンスを一気に高め、本格的な事業展開につなげる考えです。
 
3.パートナー概要
1) 名称:     
Acciona S.A. (スペイン株式市場上場、IBEX 35リスト企業)
(2) 事業内容:
新エネルギー・環境事業、インフラ事業、不動産事業等
(3) 本社所在地:
スペイン(マドリッド)
(4) 沿革:
1997年にEntrecanales & Tavora(エントレカナレス アンド タヴォラ)とCubiertas & MZOV(クビエルタス アンド エメソフ)の合併により設立。
(5) 従業員数:
31,000人(連結)
(6) 売上:
6,512百万ユーロ(2009年1-12月)
(7) 主な株主構成:
Entrecanales Family 59% 他
(8) その他
アクシオナは、風力発電や太陽光発電など、新エネルギー発電事業を世界的に推進しており、世界トップクラスとなる7.4百万kW (*2) の新エネルギー資産を保有している。また、太陽熱発電分野での開発・保有実績は、世界最大の実績を誇る。

4. 太陽熱発電について
太陽熱発電は太陽の熱で製造する蒸気を使いタービンを回すことで発電するというシンプルな発電方式で、太陽資源に恵まれる地域では投資効率の高い発電方式として期待されています。 当面は補助制度が充実する南欧、北米、豪州等が市場を牽引すると見られていますが、更なるコストダウンが進めば、北アフリカ、中東、南米、東アジア等、太陽資源に恵まれる国々での電力需要を賄う為に欠かすことのできない発電方式となるものと考えております。

*1  一般的な石炭火力発電によるCO2排出量との比較
*2  アクシオナ社HPより
 
以 上
<参考資料>
1.案件所在地
1.案件所在地
2.サイト写真
2.サイト写真

ニュースリリースに関するお問い合わせ先

三菱商事株式会社 広報部 報道チーム
TEL:03-3210-2511 / FAX:03-5252-7705
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