三菱商事

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2012年1月4日

2012年 社長年頭挨拶
~今年のキーワードは「創出・創造」~

明けましておめでとうございます。本年も宜しくお願い申し上げます。
さて、本朝、三菱商事丸の内オフィスにて行われました、当社社長 小林健による「2012年 年頭挨拶」を下記の通りご報告します。
 
明けましておめでとうございます。
皆さん、年末・年始の休暇を楽しみ、昨年一年の疲れを癒すことはできましたでしょうか。
今年は「辰年」。中でも「壬(みずのえ)の辰」ということで60年に一度の大きな変化が起こる年と言われております。そのイメージ通り、皆さんにとって、大きく「上昇、飛翔の年」となることを祈念しております。
 
さて本日は皆さんへの新年メッセージとして、先ず昨年2011年の回顧、そして本年2012年の内外環境の認識と我々の対応を、昨年末開いたMCグローバル会議での議論を紹介しながら、皆さんにお話し、本年のMCグループの目標を定性・定量両面から示していきたいと思います。
 
中期経営計画の2年目だった昨年は、「行動・実行の年」ということでスタートしたわけですが、アラブの春、東日本大震災、原発事故、台風、タイの洪水、欧州債務問題など実に多難な1年でした。この流れは今も続いています。しかしながら、困難にもめげず、皆さんの努力によって、わが社の業績・社会貢献も、正に「行動」「実行」が出来たことを改めてこの場を借りて感謝致します。お陰様で、2011年度上期の実績も目標への達成率55%と順調に来ております。東北へのボランティアも昨年4月に開始以来、延べ1,200名を超え、いまだに続いており、被災地から大変感謝されていることも誇りに思います。状況を把握し、策を練ることまでは誰でも出来ることだと思いますが、一番大事なことは信念を持って「それを実行する」ことだと言うことを私も改めて肝に命じました。震災からの復興もまだ道半ばではありますが、しかし、新しい年がいよいよ始まりました。新年を新たな気持ちでスタートしましょう。
 
三菱商事グループにとっては、今年は「中期経営計画2012」の最終年度を迎えることとなります。
外的環境に目を向けてみますと、先進国経済は、リーマンショックに端を発した金融危機から緩やかながら持ち直していたところに、ギリシャに始まった欧州債務問題などによって、足元では回復が足踏み状態に入っております。欧州債務問題の解消や米国家計バランスシートの調整には時間を要するだろうと思われます。一方、新興国経済は、欧米向け輸出の伸び悩みを受けて景気がやや減速しているものの、中国、ブラジル、インドネシア、ロシアなどは金融緩和策をとるなど迅速に手を打っており、新興国は総じて旺盛な内需を背景に底堅い成長を続けると見ております。今年も引き続き、先進国は停滞、新興国が牽引する図式は変わらないと思われます。世界全体では経済の上昇カーブが描けると期待を込めて思っています。
 
また、本年は「選挙の年」であります。
米国、ロシア、フランス、韓国、台湾、メキシコ、ベネズエラ等で選挙の結果、リーダーが交代する可能性があります。また、中国などでは、交代に向けて脇固めをしている状況にあります。このような時は、各国とも政策が内向きになり、求心力を高める為にナショナリズムを喚起し、経済政策は保護主義の傾向となり易い点に注意していかねばなりません。本年もまた「何が起こってもおかしくない」状況が続く可能性が高いと思います。
 
予測は予測として、何よりも重要なことは、どのような局面になっても、対応していける力を養っておくことであります。特にさまざまな分野・産業と接点がある総合商社であるわれわれにとっては、対応力が強みでもあるわけです。オール・オア・ナッシングではなく、どんな状況でも対応していかなければなりません。 リーマンショックに端を発した金融危機の時を思い起こしてみれば、打たれ強さ、基盤の強さを再認識できた時でもございました。足元の世界情勢は一部で悪化しつつあり、リスクへの備えはしなければならないものの、外的環境、内的環境を慎重にレビューした結果、現時点では「中期経営計画2012」に修正を加える必要がないことを、昨年暮れのMCグローバル会議の場で、経営幹部の間で再確認致しました。従いまして、利益目標、投資計画の変更は致しません。もちろん、経済の急激な変化がおこれば、それに応じて経営計画を変えていくことは言うまでもありません。
 
MCグローバル会議の場では、そのほか連結経営基盤整備についてもディスカッションを行ない、グループ基軸経営を原点に、2012年度から順次、グローバルカンパニーにふさわしい拠点や人材、コーポレート体制について総合的に見直していくことを確認しました。このように、施策面も含めて順調に進んでいることに私としても手応えを感じ、嬉しく思っています。
 
「中期経営計画2012」では、会社が目指すこととして「継続的企業価値の創出」を掲げました。継続的企業価値とは、継続的経済価値、継続的社会価値、継続的環境価値の3つの価値から構成されます。利益目標を達成するとともに、経済価値のみならず、社会価値、環境価値も創出し、継続的企業価値の創出に努めようということを、新年の冒頭にあたり、あらためて申し上げたいと思います。
 
今年は、改めて「継続的企業価値創出の年」にしたいということです。
 
継続的社会価値、環境価値という概念は、今回の「中期経営計画2012」で初めて導入したものですが、時勢に応じて目新しいことをしたというのではなく、企業の根本のところで必要とされる考え方であり、会社に長期的に根づかせていきたいと考えています。最終年度を前にして、「継続的企業価値の創出」を改めて強く意識したいと思った次第です。
昨年の「行動・実行」に加えて、「創出・創造」が今年のキーワードです
利益目標である連結純利益5,000億円の達成に向け、また社会価値、環境価値をも含めた継続的企業価値の創出に向けて、三菱商事グループ一丸となって邁進していきましょう。
 
最後に社員の皆さんに心掛けて欲しいことをお話したいと思います。
それは、自分が属しているチームや部といった身近な小さな単位の組織の、もう一回り大きな集団を見てみようということです。チームであればBUを、BUであれば本部を、本部であれば営業グループや部門を見る。あるいは自分のポジションよりも一段高い視点で広く考えてみると言い換えてもいいかもしれません。そのような視線で自分の仕事を見つめなおしてみると、今まで見えなかった事が目に入って来ます。その視野を自分の業務に取り入れ、ビジネスの幅を拡げていって下さい。また、当然のことながらコンプライアンスを重視し、正々堂々とフェアな行動を心掛けることが、継続的企業価値の創出にもつながっていくのだと思います。
 
2012年が皆さんにとり、充実した一年となることを祈念して、私の新年の挨拶と致します。

 以  上
 

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