三菱商事

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2013年1月4日

2013年 社長年頭挨拶
~今年のキーワードは、「想定外にも挑戦し、商社の新しいバージョンへ」~

明けましておめでとうございます。本年も宜しくお願い申し上げます。
さて、本朝、三菱商事丸の内オフィスにて行われました、当社社長 小林健による「2013年 年頭挨拶」を下記の通りご報告します。

 
新年あけましておめでとうございます。
 
新しい年、2013年が始まりました。本年も新年を迎えられて新たな希望と抱負を抱いていらっしゃることと思います。私も、この穏やかな新年を三菱商事グループの役職員の皆様とこうして迎えることができ、先ずは皆様に感謝致します。
 
本日は年頭にあたり、先ず2012年を振り返り、次に中経2012の私なりの手応えを申し上げ、最後に私の年頭所感を述べたいと思います。
 
先ず、2012年は昨年の年頭に申し上げましたように、政治の年、選挙の年であり、世界的に何かと忙しい1年であったと思います。選挙となると、内向きになる、あるいは求心力を高めるために経済的には保護主義の傾向になると言われていますが、正にそのような年であったと思います。1年が過ぎまして、ようやく世界の政治状況は落ち着いたという気が致します。
振り返ってみますと、順不同で、台湾、フランス、メキシコ、ベネズエラ、アメリカ、ロシアで選挙がありました。そして選挙はありませんでしたが、中国と北朝鮮のリーダーが変わりました。そして最後に、日本と韓国で新しい政権が誕生しました。新しく誕生した自民党政権には、勝って兜の緒を締めよという言葉を贈らせて頂きたいと思います。また、新しい経済政策を前面に押し出していることは、我々経済界にとっても誠に頼もしいことであります。経済人としてもより一層責任ある発言を出していくということが必要かと考えております。
 
さて、昨年、わが社は、第3四半期に当初の利益計画を下方修正しました。この修正はリーマンショック以来であり、私としても誠に遺憾に存じます。但し、この修正の主要な原因は明確であり、原料炭事業でストライキが予想外に長期化したこと、それに伴うコストの増大、そして原料炭価格の下落、そして全般的には中国をはじめとする新興国の経済の減速、というものです。それ以外の部分では、例えば、金属においても、石炭、鉄鉱石以外の部分では好調を維持しておりますし、エネルギーや資源以外も好調を維持しており、特に資源以外の分野はリーマンショック以降毎年増益基調できております。所謂ポートフォリオ経営という観点から見ますと、誠に頼もしいということが言えると思います。従いまして、皆さん、浮足立つ必要はない、それぞれの目前の仕事に向かって更に一層努力をして頂きたいということを申し上げたいと思います。
 
また、中経2012についてでありますが、中経2012では大きな目標を掲げました。これは、「継続的企業価値の創出」ということであります。収益を追求するという経済価値はさることながら、社会的な存在として、社会価値、環境価値、この3つの価値を創出して高めていくということが我々の使命であるということを申し上げました。先ず、社会価値という面では皆さんの努力で、非常に立派な価値創造ができたと考えております。特に、東日本大震災の復興支援は、開始から既に1年9か月が経ちます。NGO、NPOへの助成金や被災学生への奨学金の給付も実施しました。これまでに約1,700名の奨学生を生んでおります。加えてボランティア活動では、この1年9か月の間で、三菱商事グループ全体で約2,000名が現地に行って活動しており、誠に頼もしい限りであります。このボランティア活動、NGO・NPOへの助成金、そして奨学金は今でも継続しております。また昨年3月からは、東日本大震災復興支援基金を三菱商事復興支援財団という形に発展的に解消致しまして、財団を通して陸前高田のホテルや石巻の造船所への拠出などにも支援の輪を拡げております。また、これら復興活動もさることながら、私どもが忘れてならないのは、あの震災と原発の事故によって2万人近くの方々が亡くなり行方不明になられたということ、当初は34万人の被災者がでたということ、その中で未だに32万人が被災生活を送っている、すなわち自分の家に帰れずに他で生活をされているという事実、また瓦礫の処理も2700万トンの内、700万トンしか進んでいないということ、また瓦礫以外にも復興予算の15兆円のうち、半分近くが積み残しであるということ、こういうことはやはり会社人としてだけでなく、我々日本国民として、肝に銘じ、頭に入れておくべきことだと思います。
 
次に、環境価値についてでありますが、これは中経2012の当初から、地球環境・インフラ事業開発部門という社長直轄の部門をつくり、どういう事業で環境価値に貢献できるかということを追求して参りました。2年半経ちまして、IPPはもとより、新エネルギー、あるいは水という環境に貢献するような事業が長い目で見るとできてきているということも誠に頼もしいことだと思っております。中経2012もあと四半期となりました。是非皆さんラストスパートをかけてこの中経2012のそれぞれの目標に向かってご努力頂きたいと思っております。
 
経済価値、社会価値、環境価値、この3つを三位一体に纏めまして、世界的な課題の解決に貢献するということが私どもの社会的使命と考えておりますので今後もよろしくお願い致します。また、経済価値あるいは収益に必ずしも直接貢献はしていなくても、いわゆる縁の下の力持ち的な活動、あるいは連結経営基盤整備などを通じて社業に貢献して頂いているコーポレートの方々、内外の拠点の方々、あるいは事業投資先の方々、皆さんに対しても改めて感謝申し上げたいと思います。
 
さて、中経2012を始めるにあたって、私から皆さんに「当事者意識を持とう」ということを申し上げました。この当事者意識とはどういうことかと言うと、繰り返しになりますが、それぞれのやっている仕事、自分の仕事に正面から向き合って、その仕事をまず完遂すること。そして、筋肉質な会社にしていこうということでした。これも2年半経ちまして、私の目から見ると、相当程度対応力がついてきたということが言えると思います。商事会社にとって「対応力」というのはキーであります。昨今は想定外ということがいろいろ言われておりますが、想定外というのは必ずしも免罪符ではありません。「対応力」をもってこれからは想定外に挑戦していこうではありませんか。このグローバルな競争の時代、あるいは新しい政治体制に入ったこの時代に色々な事が起こってきます。この想定外に挑戦するということはチャレンジではありますが、できないことではありません。先見性でものを見るということだけではなくて、想定外ということにも何か必ず原因はあるはずです。その原因をより早く見つけて想定外というリスクに対処していくということが真の「対応力」だと思います。2013年は、中経2012で皆さんの当事者意識を高めて多様性を活かすという経営をやって参りましたが、次の中経ではこの活かした多様性を今度は横に束ねて、新たな商事会社としてのバージョンアップをしていこうと、次の時代の商事会社を作っていこうということで、今、作業に取り掛かりました。想定外にも対処していく「対応力」をもって、「商事会社の縦・横絡めた新しいバージョンアップ」を目指していこうということであります。
 
いろいろ申し上げましたが、2013年は干支で申しますと、癸の巳(みずのとみ)ということだそうであります。癸(水)と巳(火)の相克の年で、世情騒がしい年になると言われています。いろいろな事が起こると思いますが、もう一つの意味は、癸のみず―これは恵みの雨ということであり、そして巳-蛇は脱皮をする、すなわち恵みの雨を得て、脱皮する、という年であるとも言われております。私としては後者の意味を取り、恵みの雨を浴びて、新しい姿に脱皮をしていく年としたいと思います。
 
最後に、今年2013年を皆さまにとって後々思い出に残るような年にして頂きたい。これは何も会社生活だけではなく、家庭においても、或いは趣味においても、何でも結構です。こういうことをやったなということが後々振り返って良い思い出になるような年をお互いに創っていきたいと思います。皆さんの会社生活、或いは家庭生活、社会生活の益々の充実をお祈り申し上げて、私の年頭のご挨拶とさせて頂きたいと思います。ご清聴ありがとうございました。

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