三菱商事

プレスルーム

2014年4月1日

2014年度新入社員への社長メッセージについて

本日、弊社は212名(スタッフ(総合職)169名、ビジネスサポートスタッフ(一般職)43名)の新入社員を迎えました。新入社員は明日から研修に入りますが、研修に先立ち、社長の小林健より新入社員に対するメッセージがありましたので、以下の通り内容をご案内申し上げます。また、2014年度の新卒採用実績は添付の通りです。併せてお知らせ申し上げます。
 
2014年度新卒新入社員向け小林社長メッセージ
 
皆さん、おはようございます。社長の小林です。
毎年、このように新入社員を迎えられるということは、それだけ企業の体力が続いているということでもあり、社長として毎年この日を嬉しい気持ちで迎えている。今日は桜が満開だが、故事にも「年年歳歳花相似たり、歳歳年年人同じからず」と言われている通り、皆さんは昨年・一昨年の先輩とは「人同じからず」、違ったオリジナリティや希望を持ってこの三菱商事に入ってくれたことと思う。まずは、入社おめでとう。
 
【2014年という記念すべき年】
 
今年2014年は三菱商事にとって非常に記念すべき年である。干支でいうと今年は60年に一度の「甲午」(きのえうま)の年だが、60年前の前回「甲午」だった1954年は、三菱商事が大合同を実現した記念すべき年である。三菱商事はその長い歴史の中で、終戦時に財閥解体で1度、百数社に分解された。その後、終戦から9年後の昭和29年に大合同し、我々の先輩方が苦労して今の「三菱商事」という会社が出来た。今年はその記念すべき60周年にあたる。この記念すべき年に皆さんが入社したのは何かの縁。苦労した先人に負けないよう、これから更に会社を発展させていくことに、皆さんの力を貸してもらいたい。
 
【変わり続ける世界と「経営戦略2015」】
 
過去60年間を振り返ると、世界は目まぐるしく変化している。つい直近の6-7年を見ても、リーマンショックで世界経済が一度大きく落ち込み、ようやく立ち直った状況である。また、欧州の債務危機やアラブの春があった。ビジネスについて言えば、シェールガス革命が起きた。今まで石油やガスは砂漠の真下、ジャングルの奥、ツンドラの下にしかなく、それを掘り起こすのに膨大なコストがかかっていた。シェールガスは米国の地下から採掘するのだが、その真上には砂漠やジャングルやツンドラでは無く、膨大なマーケットが存在する。縦横に走るパイプラインなどのインフラもある。世界の資源事情から言っても、シェールガスによって、政治的にも地政学的にも大変革が起きるだろう。この大きな変革の時期に皆さんが居合わせていることは非常に幸運なことだと思う。
このような変化に合わせて、我々三菱商事も変化をしなければならない。会社を存続させていくためには、外部の環境の変化に、会社の形そのものを変えていかなければならない。
三菱商事単体の経営から連結経営となり、子会社、関連会社が増え、三菱商事グループの社員の皆さんと一緒になって連結経営を行っている。
私も今年度で社長5年目になるが、最初の3年の中期経営計画を終え、昨年5月に経営戦略2015という2度目の中期計画を発表したが、これまで行ってきた「3年後の目標設定」というやり方を取りやめ、2020年に三菱商事がどういう姿になっているべきかということを考え、2020年の三菱商事のビジョンを打ち出す新しい方式を導入した。そのビジョンを達成する為に、2013年からの3年間に何をすべきかということを皆で考えようじゃないかというのが経営戦略2015である。2020年には資源分野では持分生産量倍増、非資源分野は収益倍増を大きな目標として掲げた。いわば大きくボールを前に投げ、それを皆で走って取りに行こう、その為にこの3年間足腰を鍛えよう、筋肉をつけようというものである。フューチャープルの発想で、少し長いレンジでものを見て、少し大きく我々が何をすべきか考えようというのが計画の骨子である。
今年はこの経営戦略2015の2年目となる。昨年は良い結果が生まれつつあり、夫々短期的な目標としたものを社員一同が頑張って達成してくれそうな勢いである。2014年度も皆さんが一員となってこの経営戦略に一緒に邁進してもらいたい。
 
【新人に心がけてほしいこと】
 
毎年新入社員に申し上げるようにしているが、皆さんに心がけて欲しいということを3つ申し上げる。
(1)    信頼される人間になって欲しい。
(2)    現場に出て、現場からの発信をしてもらいたい。
(3)    三菱商事の企業文化を継承してもらいたい。
 
最初の「信頼される人間になる」ということは、会社の中に限らず社会人として目指すべきこと。本日、会社に入社し、これから配属され、仕事を与えられるわけだが、まずは目の前の仕事を一生懸命やって欲しい一生懸命やりその仕事が成就すれば自ずと周りからの信頼感が増す。諸君が成長するに従い、「この人とならビジネスをしたい」、「この人なら任せられる」とおのずと人間が周りに寄ってくる。信頼感を得る事が一番大事であり、信頼感を得る為には社会生活でも一緒だが、奇をてらう必要はない。奇策は一時的なもので、長くは通じない。自分を正面に出し、一生懸命やる。出来た時には、その仕事の内容にかかわらず、必ず達成感がある。それを会社生活でも味わってもらいたい。そして友人、部下、上司から信頼される人間になったら、海外に出て、違う言葉を使って、もう一度その信頼感を醸成してもらいたい。
 
次に、「現場に出ること」。これはもう当たり前だが、営業に配属される人、コーポレートに配属される人、それぞれ違うが、所謂第一線に出て現場で物事を「見る、聞く、やる」。第一線に出ないと現場での臨場感、苦労はわからない。現場だと苦労も嫌なこともあるが、まず現場に出て自分が属している現場はどういうところか理解して、そして現場から発信してもらいたい
 
第三は、「三菱商事の企業文化を継承してもらいたい」ということ。わが社の企業理念である三綱領は、「所期奉公」「処事光明」「立業貿易」の三つから成り立っている。この三綱領は、三菱の四代目当主であり、旧三菱商事の初代会長でもある岩崎小彌太が、1920年に当時の金融危機に際し、会社の原点を示すものとして、当時の支店長や部長に対して行った訓示を基に、1934年に制定されたもの。以来、わが社の中で脈々と受け継がれ、社員一人一人が折に触れて立ち返る行動の拠り所となっている。
 
特に所期奉公は脈々と伝統が引き継がれており、例えば2011年3月11日の東日本大震災、私も現場に行ったが、帰ってきてすぐに100億円の三菱商事復興支援基金を立ち上げた。三菱商事は法人格を持つ社会的な存在である。国難ともいえる災害を目の前にし、トップダウンで決断した。そして、この100億円はただ寄付するのではなく、種目を3つ作り、迅速かつ継続的に支援を行うこととした。震災で被災された大学生への奨学金、これまでに累計で約2,700人近くに奨学金を出している。次に、NPO・NGOに対する支援。そしてボランティアである。最近ではグループ会社も一緒になって現地に行って復興支援を行っており、延べ約3,000人が現地入りしている。新入社員の諸君も全員参加してもらっている。このような社会的貢献活動は、所期奉公を実現する一番良い例だと思う。こういう企業文化を継承してもらいたいと思っている。
 
【最後に】
 
今日この入社式が終わって即日配属先を連絡するということで、午後には自分がどういう部署に行くかわかると思う。そうすると益々自分がどういうことをやるかわかり身が引き締まるのではないか。この会社は大きくて良い会社。世界90か国に200を超える拠点があり、世界的に600社の連結対象会社の子会社、関連会社がある。取引している企業が約1万社、年商は22兆円。三菱商事本体で約6,000人の社員がいて、その内1,300人は海外で展開している。グループ全体で言うと約6万6千人の人間が三菱商事グループの仲間として働いている。これだけの規模で、収益の7割は海外での事業から得ている。また、あらゆる産業にアクセスがあり、いろいろな付き合いがある。生半可な知識だけではやっていけない。やはり、信頼感を得る、「あの人の会社とは一緒にやって行こう」と言ってもらえるよう、信頼されるということが一番である。
会社の中にも、いろいろな社員、先輩がいる。皆さんも、2、3年経つと、一人前のことも言うだろうし、それぞれのキャラクターが出てくる。私も、いろんな人間と付き合えるという魅力に惹かれ三菱商事に入った。それ以来、色々な人間と付き合ってきた。そういう中で、自分を見失わないで、自分のオリジナリティを出して、会社の一員になって欲しい。
社会でもそうだが、三菱商事でいうと、諸君は自分の可能性を試すために、自分を大きく解放し、自身を会社にぶつけて、そして自分の可能性を引き出して頂きたい。そういう意味ではこの会社は、全く自由である。自分の考える事、自分の思ったこと、それを素直にぶつけてもらいたい。それを受け止める人は必ずどこかにいる。そして諸君が目の前の仕事を一生懸命にやっている姿は、誰かが必ず見ている。それだけ人数もいるし、目も行き届いている会社であり、やっただけのことは報われるという社会である。是非、この三菱商事という社会で自分たちを試してもらいたい。
是非この三菱商事パーソンとしての生活をエンジョイしてもらいたい。この会社のこれからの発展は諸君の貢献にかかっている。
諸君の門出にあたって、お祝いの言葉と共に、仲間として大歓迎する。頑張って充実した会社生活を送って欲しい。本日は本当におめでとう。
 
以上
 
 
 
【参考資料】
 
2014年度新卒採用実績
 
スタッフ(総合職)
文系
理系
院卒
学部卒
院卒
学部卒
8 (3)
132 (29)
16 (0)
13 (0)
小計
140 (32)
29 (0)
ビジネスサポートスタッフ(一般職)
43 (43)
合計
212 (75)
※()は女性数
 
 

ニュースリリースに関するお問い合わせ先

三菱商事株式会社 広報部 報道チーム
TEL:03-3210-2171 / FAX:03-5252-7705
ページ上部へ