三菱商事

Starting Point ~その思いが未来へつながる~

Starting Point ~その思いが未来へつながる~ Vol.3 @ナイジェリア その胸に情熱はあるか 写真:中野智明 Starting Point ~その思いが未来へつながる~ Vol.3 @ナイジェリア その胸に情熱はあるか 写真:中野智明

ナイジェリア三菱商事の朝は7時半に始まる。終業は夕方4時半。片道2時間ほどかけて通勤する社員もいるため、彼らが安全な時間に家に帰り着くようにと考えると、このスケジュールになったという。「早起きのおかげでずいぶん健康的になりましたよ」。朝8時のアポイントに現れた増永寛文は快活に笑った。

この6月に40歳を迎えた。三菱商事入社以来長く航空機ビジネスの世界を歩んできた彼にとって、初の途上国赴任であり、初の社長という立場。加えて期待されるのは、新規ビジネスの開拓だ。「やることは多いですが、いい緊張感を持って臨めています。あまり悩まない性格なんで(笑)」

アフリカ最大の人口と経済規模を誇るナイジェリアは、国民の6割以上を25歳未満の若年者が占め、油価低迷等による通貨安からのマイナス成長に泣いた昨年度を除けば、近年は年率5~6%の経済成長を続けてきた。その潜在力の高さは誰もが認めるところだが、一方で夜遅く社員を帰宅させられないほど治安は悪く、社会インフラの整備も進んでいない。特に慢性的な電力不足は、この国の生産性を著しく下げていると、増永の目には映る。

「現地の人たちの『困りごと』の先にあるのが我々にとっての商機です。持てる機能を最大限に生かし、社会問題を一つひとつ解決していくことが新しいビジネスを生み、我々の成長にもつながると思います」。4月に赴任して以来、現地企業への電力供給事業などを視野に入れながら、この国で自分たちに何ができるのか、スピード感を持って情報収集に務めている。

航空機の仕事をしていたころ、日本のエアラインが処分に困っていた廃棄部品を、第三者が貴金属として活用するための仲立ちをしたことがある。エアラインのコストが下がれば、遠回りでもいずれ航空運賃が安くなり、会いたい人に気軽に会いに行ける人がもっと増えるかもしれない。そんなことを夢想するのが楽しい、と増永は言う。

「ナイジェリアには大きな成長余地があります。何もないところに種をまいて、社会全体に喜びを届けられるような新しい仕組みづくりにチャレンジしていけたらと思っています」

その言葉にひときわ熱がこもったとき、商都ラゴスの空には太陽がぐんぐん昇り始めていた。増永の熱い1日が今日も始まる。

Think Big, Act Honestly

2017年7月2日 朝日新聞「GLOBE」掲載

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