三菱商事

Starting Point ~その思いが未来へつながる~

Starting Point ~その思いが未来へつながる~ Vol.6 市場開発@インドネシア 今日とは違う明日を夢見て Starting Point ~その思いが未来へつながる~ Vol.6 市場開発@インドネシア 今日とは違う明日を夢見て

数多くの企業がしのぎを削るインドネシア。2億5千万の人口の約半数を30歳以下の若年層が占め、近年も5%以上のGDP成長率を続ける、若く元気なマーケットだ。三菱商事は2012年、この地に生活産業グループの事業を統括する子会社「MC Living Essentials Indonesia(MCLEI)」を設立した。

この国の社会は今、急速に変わりつつある。三菱商事の田中真紀は、15年8月からMC LEIに出向、人々のライフスタイルの変化を反映したマーケティング施策を立案・実行してきた。今年1月からは、MCLEIが統括する「イチタン・インドネシア」が彼女の仕事場だ。

強力な国内メーカーと外資が日々激しい競争を繰り広げるこの国の飲料市場。田中たちはここに、既存3品に加えインドネシア人の味覚に合わせたジャスミンティー、甘いグリーンティー、国産でペットボトルでは初となる無糖茶の3種の新商品を今年相次いで投入した。また、「人生を変える」をテーマに、インドネシア全土でキャンペーンを実施し、当地でMarketing Award 2017を受賞した。「30年ほど前まで、日本でも水や緑茶のペットボトルを買うことは一般的ではありませんでした。それと似た食に対する価値転換が、今この国で起こっているんです」

幼い時代を過ごしたインドで、日本とはかけ離れた厳しい現実を目の当たりにした。そのころから、将来は途上国の経済発展や課題解決につながる仕事に就くことが目標だった。今はむしろ「慈善活動」としてではなく、「持続可能なビジネス」という形態で人々の暮らしに前向きな変化をもたらす仕事にやりがいを感じる。「本当に人々にとって役立つモノでなければお金を出してもらえない。その点がここでビジネスをすることの難しさであり、面白さです」

約1万5千の島々からなるインドネシアでは、チェーンストアのような近代的小売形態はごくわずか。流通チャネルの大半を占めるのは、小規模個人店舗や手押し車の移動式店舗だ。その隅々まで自分たちの商品を届けるため、奮闘する日々が続く。「異文化を理解する上で、人々の言葉に耳を傾け、相手の立場で考えることを大切にしています。もちろん、『こうあるべき』という考えは常にありますが、自分の思いを押し付けても状況は好転しない。なかなか難しいですが、それぞれの立場が異なる中でも柔軟に対応しながら皆で進めていく。その過程が今は楽しいんです」。のどごしのわずかな苦味のあと、さわやかな後味がいつまでも続く。ビジネスの妙味は、彼女たちが手がけたグリーンティーの味わいに、どこか似ている。

Think Big, Act Honestly

2017年10月1日 朝日新聞「GLOBE」掲載

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