三菱商事

Starting Point ~その思いが未来へつながる~

Starting Point ~その思いが未来へつながる~ Vol.7 @シンガポール 日に新たに 日々に新たに Starting Point ~その思いが未来へつながる~ Vol.7 @シンガポール 日に新たに 日々に新たに

林立するビル群を背景に、意外なほど豊かな緑が広がるシンガポールの自然保護区。三菱商事の冨田耕太郎にとって、趣味のランニングに汗を流す休日のひと時が、頭と気持ちをリセットするうえでは欠かせないという。「煮詰まっていた問題の突破口が見つかったり、新しいアイデアがひらめいたり、頭を整理するには走ることが役立つんです」

アジアの成長市場が世界経済を牽引するなか、中国、インド、ASEAN諸国のいずれとも近いこの国には今、金属資源トレーディングのあらゆる情報とキープレーヤーが各国から集結している。冨田が経営企画担当ゼネラルマネージャーとして勤務するのは、三菱商事RtMインターナショナル。三菱商事が世界中で手がける金属資源トレーディングの司令塔であり、同社金属グループの中枢機能の一部をそのままシンガポールに移転したともいえる子会社だ。社名のRtMという耳慣れない言葉は「Resource to Market」、資源を市場に安定供給するという同社のミッションを示している。

かつて、売り手と買い手の一対一の交渉で価格が決まることの多かった金属資源においても、近年急速にコモディティ(商品)化が進んでいる。需要と供給のバランスだけでなく、世界の政治動向や機関投資家の戦略いかんで市場が大きく変動するなか、金属資源トレーディング全体の舵取りをサポートする冨田には、常に新しい視点や発想が求められている。「まことに日に新たに、日々に新たに。誰にも等しく与えられた今日という日を有意義に過ごすには、昨日より今日、今日より明日、新たな創意工夫がなければならない。中国の四書のひとつ『大学』にある言葉ですが、毎日自分に言い聞かせています」

若いころからロンドンやニューヨークで、幾つものハードルを乗り越えてきた。ここシンガポールでは、最大で12カ国の国籍からなるスタッフの多様性を活かしたチームを創り上げてきた。そんな冨田は今、多くの経験から培った柔軟性と変化への対応力こそが、自らの武器だと感じている。「資源の安定供給というひとつの使命を担い続けるには、自分も会社も足を止めず変化することが最も大切だと思います」

ランニングを始めて以来13年、彼が自らに課してきた目標がある。年間の走破距離で、絶えず前年の記録を上回ること。そんな自分自身を彼は、「自分に対して負けず嫌いなんだと思う」と評する。昨日より今日、成長に向かって、もっと走れ。明日は、もっと遠くまで。彼がその足を緩めることは、まだ当分の間なさそうだ。

Think Big, Act Honestly

2017年11月5日 朝日新聞「GLOBE」掲載

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