三菱商事

World Beat ~明日への鼓動~

今、世界でダイナミックに脈打つ未来への鼓動、新潮流を紹介する。 World Beat 明日への鼓動 Vol.9 大地を潤す恵みの雨

ミャンマーにも頻繁に訪れる多忙な谷川さん(中央)

多くが木造の、どちらかといえば屋台に近い簡素な構えの店内に、食品から洗剤などの日用雑貨までが所狭しと並ぶ。こうした伝統的な小売店から都市部のスーパーまで、ミャンマー国内ならどこでもお目にかかる国民的な人気飲料が、「PREMIER」ブランドのインスタントコーヒーだ。

インスタントコーヒーと砂糖、クリーミングパウダーが1杯分ずつ小分けされ、封を切ってお湯を注げばすぐに楽しめる。三菱商事生活消費財本部の谷川太一さんによると、その味は「日本のコーヒー牛乳を2倍甘くしたよう」とのこと、その手軽さとおいしさから多くのミャンマーの方に親しまれている。

2015年、三菱商事はミャンマー有数の企業グループCDSG(Capital Diamond Star Group)との合弁で、食品事業会社「ルビア(Lluvia Limited)」を設立。現在はPREMIERコーヒーの製造販売と、国内最大のシェアを占める製粉事業が主要なビジネスだ。

ミャンマーは、加工食品の多くを輸入に頼っている。食品の加工技術は未発達である一方で、経済発展に伴い加工食品など多様な食のニーズは急速に高まっており、成長への余力はまだまだ大きい。

コーヒーと一緒に楽しむクラッカーやビスケットなどの菓子。ミャンマーでは主に輸入品が流通しているが、価格が高く地方ではなかなか手に入らない。ルビアは、より多くの消費者が安価に菓子を楽しめる日常を提供したいという思いのもと、国内での菓子製造事業に取り組み始めている。

さらに、CDSGは以前から農家への肥料販売を行ってきたが、農業の発展に向けた後押しとなるべく、農機具や事業資金の調達支援などの、農家の生活と収入の安定につながるサービスにも、事業を広げる予定だ。これらの事業が実現すれば、ルビアの発展だけでなく、ミャンマー国民の生活水準の向上に結びつくはずだ。

「この国の高い潜在力を生かしながら、ミャンマーの豊かな未来に少しでも貢献していきたいと思います」

谷川さんはそう語る。ルビアとは、スペイン語で「雨」のこと。あたたかな恵みの雨が今、ミャンマーの大地に大きな花を咲かせようとしている。

“つぎ”を創る力

2017年1月8日 朝日新聞「GLOBE」掲載

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