因に基づき決定しており、複数の外部機関が公表する情報と連結会社の見積った中長期的な価格見通しの整合性を検証し、責任者による承認を行っています。足元では、新型コロナウイルス感染症の拡大により大きく落ち込んだ需要の回復、及びロシア・ウクライナ情勢の影響長期化等に伴う地政学リスクの顕在化から価格ボラティリティが高まっています。また、長期的には、世界の気候変動リスクへの対応及びEV普及をはじめとした電化の進展等、脱炭素社会に向けた取り組みが推進されることにより、2030年代に原油需要がピークを迎えると予想しています。中長期の時間軸においては、外部機関(IEA等)が公表する脱炭素シナリオを考慮しつつも、脱炭素化の進展における不確実性と足元の価格高騰による影響等も総合的に勘案しています。原油の中長期的な価格見通しは、毎年見直しを行っており、2022年度末においては、インフレの影響を除き2027年度に1バレル当たり約75米ドル(ブレント原油)になると見積っています。2021年度末における中長期的な価格見通しは、インフレの影響を除き2026年度に1バレル当たり約70米ドル(ブレント原油)になると見積っていましたが、外部機関が公表する価格見通しが上方修正されていること、将来の原油需給、及び生産量減退や需要増加を補う新規投資に必要な価格水準等を総合的に考慮し、価格見通しを上方修正しています。なお、2022年度末より原油の参照指標をドバイ原油からブレント原油に変更していますが、この指標変更に伴う連結計算書類への影響はありません。 (4)金融商品の公正価値 公正価値で測定する金融商品の連結計算書類における計上額及び見積りの算出方法については、それぞれ金融商品に関する注記、並びに注記「4 重要性のある会計方針(3)金融商品 ③ 公正価値で測定される金融資産」及び注記「4 重要性のある会計方針(17)公正価値の測定」をご参照ください。 (5)金融資産の減損 2022年度において、連結財政状態計算書「営業債権及びその他の債権」5,140,703百万円に含まれる損失評価引当金は△84,216百万円です。見積りの算出方法については、注記「4 重要性のある会計方針(3)金融商品 ④ 償却原価で測定される金融資産及びその他の包括利益を通じて公正価値で測定される負債性金融商品の減損」をご参照ください。 (6)非金融資産の減損 2022年度において、非金融資産の減損として、連結損益計算書に「固定資産減損損失」△31,638百万円を計上しており、減損後の連結財政状態計算書における「有形固定資産」、「投資不動産」、「無形資産及びのれん」及び「使用権資産」計上額は、それぞれ2,992,042百万円、81,986百万円、1,207,402百万円及び1,590,283百万円です。これらの見積りの算出方法については、注記「4 重要性のある会計方針(12)非金融資産の減損」をご参照ください。 (7)確定給付制度債務の測定 2022年度において、確定給付制度債務の測定として、連結財政状態計算書「退職給付に係る負債」118,470百万円を計上しています。見積りの算出方法については、注記「4 重要性のある会計方針(13)退職後給付」をご参照ください。 (8)引当金 2022年度において、連結財政状態計算書に「引当金」427,426百万円を計上しています。見積りの算出方法については、注記「4 重要性のある会計方針(14)引当金」をご参照ください。 (9)繰延税金資産の回収可能性 2022年度において、連結財政状態計算書に「繰延税金資産」39,082百万円を計上しています。見積りの算出方法については、注記「4 重要性のある会計方針(16)法人所得税」をご参照ください。 6. 会計上の見積りの変更 2022年度の連結計算書類における重要な会計上の見積りの変更は、以下のとおりです。 (1)持分法で会計処理される投資の減損損失 国内発電所運営事業 2022年度において、連結会社は、日本国内において発電所運営事業を行う共同支配企業宛ての投資について、同発電所の設備不具合対策工事に伴う稼働停止の状況を踏まえ、減損の兆候が存在すると判断しました。 設備の安定稼働に向けた対策工事のための稼働停止期間を織り込んだ最新の事業計画に基づく減損テストを行った結果、主に工事期間中の売電契約収入減少などを背景に減損損失を、「持分法による投資損益」と「有価証券損益」にそれぞれ12,531百万円、8,338百万円計上しています。これらの損失は、電力ソリューションセグメントの連結純利益に含まれています。 29
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