三菱商事株主通信 - 2018年11月 No.47
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そんな現地スタッフと東京本店との間をしっかりつなぐのが社長としての自分の役割と考え、コミュニケーションを密にした会社運営を目指し、月次の個別面談を制度化しました」。仕事以外のことでも何でも話してほしいと言う増永に対し、家族のことやこの国の風習などを頻繁に話してくれるようになったと言います。「将来、この国の医療や教育の向上に貢献できるビジネスがしたいという熱い夢を語る社員もいました」。 増永は、東京から持ち帰った会議の資料は英語に翻訳し、そこに込められた意図も含めて現地スタッフに伝えました。そして、営業グループの戦略・方針の説明にとどまらず、三菱商事全体が目指す企業像などについて解説し、ナイジェリア三菱商事の現状を照らし合わせ、“自分たちに求められている役割は何か”を自分の言葉で説明することに力を注ぎました。「そうしたところ、徐々に社員が自発的に行動するようになり、質問を受ける機会も多くなりました。こうして、少しずつお互いの信頼が深まっていくことで、職場での会話や笑顔も増え、周りから期待されている“新規ビジネス創出”に向け、全員一丸となってやっていこうという機運も高まっているように感じます」。 最近、最も印象に残っているのが、「ナイジェリア国民の幸せな生活のためには何が必要か」という現地の政府関係者からの質問だと言う増永。「その時は月並みな答えしかできませんでしたが、自分の立ち位置について考えさせられました。企業の代表と面談する際も、『三菱商事グループは、この国のためにどんなすごいことをやってくれるのか』という期待の高さを肌で感じます。彼らの期待に応え、win-winの関係を築くためには、日頃の人間関係と同じく、常に尊敬の念を忘れずに事業を行うことが大切であり、こちらのやりたいことを前面に出すのではなく、事業をさせていただくという感謝の気持ちで、当地のニーズに寄り添っていくことが何よりも重要であると日々感じています」。 2040年代、世界第3位の人口大国となるナイジェリアには、計り知れないポテンシャルがあります。「他のスタッフと共に日々成長しながら、この国の豊かな未来に貢献するという大きな夢を追い続けたいと思っています」。ナイジェリア最大の街、ラゴスに拠点を置く13ナイジェリア三菱商事1969年設立。化学品を中心としたトレーディングや市場開発、グローバルな食料企業のOlamやトルコのCalikグループを中心とした事業会社、パートナー支援などを展開しています。求められる役割を自分の言葉で伝える常に感謝と尊敬の気持ちで

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