※三菱商事では、原則として入社8年目までの全職員を対象に海外経験を積ませることとしています。海外での実務研修を主軸に、海外のビジネススクールへの派遣や世界各国の文化と言語を習得するための語学研修も含め、年間約120名の若手社員を対象に実施しています。発信し、提案することを心掛けたと言います。このような姿勢と丁寧な仕事ぶりで、若狭は徐々に信頼を獲得していきました。「赴任して1年後、事業計画の見直しに携わることになりました。他の社員と協力しながら計画をつくり上げた時、上司から、よくやった、この後も任せたよと言葉を掛けてもらえたのは、うれしかったですね」。ダイナミックに変化する電力業界に身を置く中で、若狭はこれから業界が向かう先を見据えて仕事に臨んでいると言います。「単に業界のプロフェッショナルになるのではなく、ビジネスモデルを深化させ、新たなバリューチェーンを構築すること。これこそが三菱商事の社員に求められていると感じています」。若狭は、担当の買収案件を完了させ、現在、ボストンの新オフィス(DGC支店)を舞台に、新たな挑戦を続けています。分散型太陽光発電事業を展開するDGCの出資先、Nexamp社のメンバーと(前列右から2人目が若狭)Diamond Generating Corporation(DGC)Finance Assistant Director15若狭聡子 米国ロサンゼルスに本拠を置き、三菱商事の 米国発電事業を統括するDiamond Generating Corporation(DGC、三菱商事100%出資)。三菱 商事入社以来、海外電力事業畑を歩んできた若狭聡子は、2016年に同社へ出向しました。 若手時代にグローバル研修生※としてDGCに派遣された経験がある若狭にとって約5年ぶりの 米国。その間、小規模太陽光発電や蓄電などによる分散型電源の普及・拡大といった大きな構造変化が起こっていました。DGCはその変化を捉え、分散型太陽光発電事業会社と電力マーケティング・トレーディング会社を買収、若狭はその2社の経営サポートの担当になりました。「出向当初は、日々のキャッチアップに必死でした。上司から、若狭に仕事を任せるのは不安だと厳しい言葉を掛けられたこともありました。それでも、DGCや買収先のプロ集団の中で、自分にはどのような付加価値を生み出せるのかを考え抜きました」。そこで若狭は、直面していた課題に対して自分なりの仮説を立て、積極的に意見をグローバルに活躍する三菱商事の女性社員アンテナを高く、新たなビジネスモデルの創造に挑戦
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