三菱商事株主通信 - 2020年6月 No.50
20/24

(写真提供:三菱史料館) 都内有数のビジネス・文化の街、六本木。この街にある国際文化会館は、日本と世界の人々の相互理解を図るため、1952年にロックフェラー財団をはじめとする国内外の諸団体や個人からの支援で設立されました。 この敷地は、元は三菱第四代社長岩崎小彌太の鳥居坂本邸でした。江戸時代、幕末までは多度津藩(現在の香川県)藩主京極家の江戸屋敷だった敷地は、多くの所有者を経て小彌太の手に。外国の賓客を迎える純日本式の大邸宅が必要と考えていた小彌太は、「日本建築の粋は寺院にある」と、邸宅の設計を日光東照宮の修復や明治神宮の造営に携わった建築家に依頼しました。さらに庭園は日本屈指の名造園家、七代目小川治兵衛(植治)に依頼。桃山時代、江戸初期の名残をとどめる近代庭園の傑作とされています。 日本文化を伝えるための迎賓の館として、多くの海外からの要人を迎えた邸宅は1945年5月の空襲により焼失。その後国有地となり国際文化会館が払い下げを受けて今日に至りますが、庭園は当時の面影を残しています。国際文化会館のレストランやティーラウンジから、港区文化財にも登録されたこの名園の四季折々の姿が楽しめます。岩崎小彌太20~今に残る近代庭園の傑作~(東京都港区)三菱ゆかりの地を訪ねて国際文化会館

元のページ  ../index.html#20

このブックを見る