三菱商事株主通信 - 2020年11月 No.51
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 私自身は、弁護士としてこれまで主に多種多様な業種の企業再生案件を手掛けてきましたが、現在ではコーポレート・ガバナンスに関する仕事、特にコンプライアンスとリスク管理に関して意見を求められることが多くなっています。 三菱商事はグローバルかつ広範囲に業務を遂行しているため、取締役会で俯瞰的な視点を持つことは重要と考えています。現在、他にも4社の社外役員を務めており、多様な案件を審議してまいりましたが、三菱商事で感じている問題点は、他の会社でも共通するところがありますので、そういった問題点や違和感を忖度せずに取締役会で発言していきたいと考えています。 三菱商事社員と接した中で感じた社員への第一印象は、優秀でスマート、そして前向きに仕事に取り組んでいるというものです。同時に、個々の社員が同質な印象も受けました。今まではそれが三菱商事の強みとも言えたかもしれませんが、変化の激しい今の時代にそれだけでいいのかな? という思いもあります。ですので、これまで企業経営とは縁のなかった一弁護士である私が、さまざまな社外役員経験を通じて培われた視点で、その同質性に一石を投じられれば、新しい化学反応が生まれるかも、という期待を持っています。そのために、丁寧なコミュニケーションを心掛けていきたいと思います。 三菱商事では、「世界とひとりのために。」というキャッチコピーが掲げられていますが、一人ひとりの社員が、「地球に生きる一人ひとりのために仕事をしている」という意識を持つことで、自分のしている仕事がもっと違ったものに見えてくると感じています。 今後も、株主目線で三菱商事の経営を見て、企業価値向上に貢献していけたらと思っています。独立社外監査役石井法律事務所 パートナー20企業価値向上のため、異質な視点で忖度なく佐藤 りえ子Rieko Sato

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