三菱商事株主通信 - 2020年11月 No.51
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 資本市場の発展を通じて、この国が少しでも良くなるのをお手伝いしたい、そんな思いで三菱商事社外監査役の任をお引き受けしました。 私自身は、公認会計士のキャリアを30年以上重ねてまいりました。その間、いくつかの企業の会計不祥事を目の当たりにしてきました。それらは私たちの業界の存続を脅かすほどの衝撃でしたし、不祥事を起こしうる企業風土が完全になくなったかどうかについては、今現在確信を持つに至っていません。より開かれた株式市場を形成するために、コーポレート・ガバナンス制度はより一層発展していくべきと考えています。 そのような中、日本の目指すコーポレート・ガバナンスはどうあるべきなのかを自分自身の中で見つけていき、また、三菱商事にとって必要なことを積極的に提言していきたいと考えています。 私自身の会社には100人以上のスタッフがいてその半数以上が会計士と税理士です。M&A、内部統制、税務に強みを持ち、経営者と専門家の間に立って、経営者側で多岐にわたる専門的知識のアドバイスをする。私は「横断的専門家」と勝手に呼んでいますが、そんな存在を私は目指しています。その際、大切なことはお客様のビジネスの本質をよく理解した上で適切な助言を行うことです。そのような経験を踏まえ、まずは監査役としての責務を全うするため、三菱商事のビジネスを深く理解していきたいと考えています。 グローバルかつ多岐にわたる三菱商事の事業内容を伺うたびに、一つ一つの事業に新たな発見があります。それらは有価証券報告書等の公表資料では見えにくいものもあり、株価の過小評価につながっているような気もしています。一方で、三菱という日本の伝統的な企業ブランドを背負い、「組織の三菱」を支える優秀な人材がたくさん在籍しています。株主の皆様には、分散したポートフォリオと、高い倫理観と優秀な人材に恵まれたサステナブルな会社であるという観点から、三菱商事を今後ともご支援いただければと思います。独立社外監査役(株)パートナーズ・ホールディングス代表取締役社長 公認会計士21新任社外役員紹介「現場」の視点で、よりサステナブルな会社へ中尾 健Takeshi Nakao

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