三菱商事株主通信 - 2021年6月 No.52
13/24

 2021年3月、当社と独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構は、インドネシアでアンモニア製造・販売を行うPanca Amara Utama(PAU)などとの間で、クリーン燃料アンモニア生産のためのCO²地下貯留(CCS)の実現可能性について共同調査実施に合意しました。 アンモニアは、燃焼時にCO²を排出せず、水素含有量が高いことなどから、次世代クリーン燃料として期待が高まっています。また、肥料・プラスチック・化学品の原料として輸送手段が確立されていることも利点です。このため、天然ガスからアンモニアを生産する際に排出されるCO²を回収・貯留することは、アン3.CarbonCure設備からCO²を生コンクリートに注入し、 4.CarbonCure設備を用いたコンクリートを使用することで、 います。今回の業務提携に基づき、当社は日本を中心としたアジアで、CarbonCureの技術展開を支援し、建設業界のCO²排出削減に取り組みます。CarbonCureの技術プロセス1.排出されたCO²を回収・精製2.精製したCO²を生コンクリート製造プラントに 不可欠な素材で、世界的に市場規模が極めて大きいため、CO²の固定先として大きなポテンシャルを有しています。当社では引き続きコンクリート分野におけるCO²の有効活用を推進していきます。モニアをクリーン燃料化するための重要な取組となります。 今後は、PAUが保有するアンモニア生産拠点を活用し、CCSによるクリーン燃料アンモニア生産の可能性を追求。脱炭素社会の実現と日本へのエネルギー安定供給に貢献していきます。貯蔵しCarbonCure設備と接続低炭素コンクリートを製造建材由来のCO²を削減PAUが保有するプラント特集1 低・脱炭素社会の実現に向けた三菱商事の取組※鹿島建設(株)、中国電力(株)、デンカ(株)、ランデス(株)が開発13カナダのカーボンリサイクルコンクリート製造技術企業(CarbonCure)に資本参画 2020年12月、当社は、カーボンリサイクルの技術を持つカナダのCarbonCure Technologies(CarbonCure)に資本参画するとともに、同社技術の事業拡大に向け業務提携に合意しました。 CarbonCureの技術は、コンクリートの製造時にCO²を注入することで、CO²の排出源となっているコンクリート原料のセメント使用量を削減するものです。強度や信頼性は従来のコンクリートと変わらないため、北米を中心に既に商業利用が広がってCO2排出量実質ゼロ以下のコンクリート製造技術「CO2-SUICOM」 コンクリート製造時のCO²排出量実質ゼロ以下を世界で初めて実現したコンクリートブロック製造技術「CO²-SUICOM」※を利用した事業開発も進めています。コンクリートは土木・建築構造物にクリーン燃料アンモニア生産に向けて

元のページ  ../index.html#13

このブックを見る