三菱商事株主通信 - 2021年6月 No.52
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「自分たちも実際に現地に行って手伝えることはないか」。社員の声から動き出したボランティア。2011年4月のスタートから10年間で延べ4,958人の三菱商事グループ社員が現地で汗を流しました。瓦礫除去や泥出しなどの作業に汗を流した社員は、当時を次のように振り返リます。 「石巻の現場へ向かうバスの窓に広がる光景は想像をはるかに超え、被害の大きさに愕然とした。作業現場で地元の人に掛けられた言葉が心に染みた。『皆さんが来てくれることが生きる希望になる。私たちも負けない』。明るさを失わない石巻の人たちの底力に、どんな困難も乗り越えられる強さを学んだ」  被災地からは「慣れない作業を一生懸命やってくれる皆さんの姿に『自分たちは一人ではないんだ』と勇気づけられた」といった声が寄せられました。 2011年3月11日。東日本大震災で壊滅的な打撃を受けた被災地では、ライフラインが寸断され、深刻な物資不足に見舞われました。当時社長の小林健(現会長)は被災現場に入り、深刻な被災状況を目の当たりにして復興支援への想いを強くしました。 「復興には相当な資金と労力が必要であることを痛切に感じた。企業は社会的存在である。この国難に一民間企業として何をすべきか、何ができるのかを深く考えた。何よりも必要なことは支援の『迅速性』と『継続性』だ」 全社を挙げて復興支援に取り組むべく、震災翌月の4月に4年間総額100億円の「三菱商事 東日本大震災復興支援基金(以下、復興支援基金)」の創設を決断。被災し、就学が困難になった大学生への奨学金、復興支援活動に取り組むNPOなどへの助成、社員ボランティアの派遣を三つの柱とした取組がスタートしました。プロローグ19社員ボランティア皆さんが来てくれることが生きる希望になる参加ボランティア4,958人~企業は社会的存在である~

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