三菱商事株主通信 - 2021年11月 No.53
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4 2021年10月、当社は「カーボンニュートラル社会へのロードマップ」を策定しました。世界共通の社会課題である気候変動問題に対して、資源・エネルギーをはじめとするさまざまな事業に携わってきた当事者として、天然ガスなどのエネルギーの安定供給責任を全うしつつ、カーボンニュートラル社会の実現に向けて脱炭素との両立を目指す取り組みを示したものです。 企業理念である三綱領、三価値同時実現による持続的成長を目指すという指針に加えて、「EX(エネルギー・トランスフォーメーション)・DX(デジタル・トランスフォーメーション)の一体推進」という具体的な事業推進のテーマを全社共通で設定しました。 「ロードマップ」では、二つの定量目標を示しました。一つ目は、温室効果ガスの排出量削減です。2030年度に半減(2020年度比)、2050年にネットゼロを目指します。二つ目はEX関連投資です。2030年度までの9年間で2兆円規模の投資をグローバルに進めます。「EX・DXの一体推進」という大方針の下、目標に向かって取り組みを加速します。 EX関連投資として、再生可能エネルギー、銅をはじめとする電化を支えるベースメタル・レアメタル、次世代エネルギーとなる水素・アンモニア事業に積極的に投資するとともに、エネルギー安定供給責任を果たすために必要な天然ガス事業への投資も継続します。 DXの分野では、領域横断でデータを連携し、AIを最大限活用して効率化・最適化することで、産業全体・街全体の省エネや利便性を向上させる取り組みを、これからも推進していきます。例えば、再生可能エネルギー利活用のためには、発電所から家庭までの需給データをデジタルプラットフォーム上で連携させ、自然条件に応じて発電された電力供給と、人々のライフスタイルに応じた需要を無駄なくマッチングして最適化することが必要です。カーボンニュートラル化には、EXとDXの連携、需要者・供給者間の協力が不可欠であり、幅広い産業と接点を有する当社は、「EX・DXの一体推進」で、新たな未来創造を進めます。 「EX・DXの一体推進」は、一企業・一事業分野で完結するものでもなく、生産者・供給者、行政EX・DXの一体推進による新たな未来創造未来に向けて「カーボンニュートラル社会へのロードマップ~EX・

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