三菱商事株主通信 - 2022年11月 No.55
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10photo: Karoline OA Pettersen/Cermaq三菱商事は本年10月、サーモンの陸上養殖を行う新会社をマルハニチロと合弁で設立しました。富山県入善町に日本での生食用サーモン需要の4%に当たる2,650トン規模の養殖施設を建設し、2025年度の稼働開始、2027年度の初出荷を目指します。現在、養殖サーモンの7割以上はノルウェーとチリで生産されています。従来の海上養殖は、波が穏やかで水温が低いなどの条件を踏まえると養殖適地が限られる一方、サーモンの需要は世界的に増加傾向にあります。年々拡大する需給ギャップを埋めるべく、富山湾の地域資源である海洋深層水を活用した陸上養殖の推進により、高品質なサーモンを国内に安定的に供給する地産地消型ビジネスモデルを実現していきます。生産に当たっては、陸上養殖に関する世界最先端の知見を持つセルマック※のノウハウに加え、AI・IoTなどのデジタル技術を駆使して飼育データの分析に基づいた最適な生育環境を構築し、生産性の向上を図り※ ノルウェー、チリ、カナダの3カ国で年間約20万トンを生産する、世界有数のサーモン養殖・加工・販売会社ます。また、水温の低い海洋深層水を活用することで、養殖水の冷却やろ過など陸上養殖に必要なエネルギーを抑制できる他、海外からの輸入に比べて輸送距離が短縮され、温室効果ガス排出量の削減につながることも大きなメリットです。三菱商事は、食料の安定供給のみならず、地域資源の有効活用や地域の農水産品のブランド化などを通じ、新たな地域産業の創出に取り組んでいきます。地産地消で国内需要を支えるサーモンの陸上養殖へ新会社設立Pick Up News

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