11商業規模でのPXのバイオ化は世界初の試みで、配慮すべき事項が多くありました。製造現場の人権や労働環境に配慮された原料の選定、カーボンフットプリント計算方法の妥当性の確認等を行うのは困難でしたが、パートナーと一つのビジョンを共有し、建設的なコミュニケーションができたことで、実現に至りました。本スキームはペットボトルだけではなく幅広いプラスチックの低炭素化につき品質を損なうことなく実現できるため、高機能素材やリサイクルが困難な素材を使用している多くの産業の課題解決に寄与できると考えており、さらなる導入を推進してまいります。化学ソリューショングループ リファイナーケミカル部、次世代エネルギー部門 LPG・石油原料事業部④サステナブルペットボトル②バイオPXPTA工場③バイオPET樹脂PET工場担当チームから水島製油所バイオマス原料① バイオマスナフサ製造サプライチェーンマネジメントサントリーホールディングス及びENEOSと、使用済み食用油などバイオマス資源由来の、サステナブルペットボトル※のサプライチェーン構築について合意しました。脱炭素社会の実現に向け、ペットボトルはバイオ化による対応が重要になると想定されています。ペットボトルの原料であるPET樹脂は、主原料の30%を占めるエチレングリコールのバイオ化は進められているものの、残り70%のパラキシレン(PX)から製造されるPTAのバイオ化に課題がありました。ENEOSにて従来石油由来のナフサから製造されるPXをバイオ化することで、石油由来製品に比べて大幅にCO2が削減できる見込みです。バイオPXは、2023年中にペットボトル約3,500万本に相当する数量を製造予定。2024年からサントリーのサステナブルペットボトル原料として活用されます。※ マスバランス方式を活用サステナブルペットボトルのサプライチェーン構築
元のページ ../index.html#11