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日本の農業のトランスフォームに挑む

日本の農業のトランスフォームに挑む

日本の農業のトランスフォームに挑む日本の農業のトランスフォームに挑む

三菱商事の現場最前線で、若手・中堅社員が何に着眼し、何を考え、どうアクションをしているのか。日本の農業を本気で変革しようとする挑戦記をお届けします。

プロフィール


金ヶ江哲平

金ヶ江哲平(かねがえ・てっぺい)

2008年入社。米や青果物、水産品を担当。2019年から、クラウド型農業支援システムや、オンラインで米の生産者・卸売業者間の契約栽培を仲介するサービスを展開するITベンチャー企業に出向。

農作業全体をシステムで一括管理

食に関わる仕事がしたい――。入社以来、チリのレモン、南アフリカのグレープフルーツ、国内のレタスやキャベツ、冷凍マグロ等々、さまざまな食のトレーディングに従事してきました。東日本大震災の直後には米の流通を担当、買いだめによる品薄が深刻化する中、安定調達・安定供給を責務として営業に駆け回った経験もあります。

現在は三菱商事が2019年5月に子会社化した、新潟に本社を置くITベンチャー企業に取締役として出向。日本の農業を変革したい、という想いを胸に、チャレンジを続けています。

同社の主力サービスは、「アグリノート」というクラウド型農業支援システム。デジタルの力で日本の農業の課題解決に取り組んでいます。

具体的には、航空写真をベースにした農地マップを作成し、種まきや施肥、農薬散布などの作業実績、育成状況、収穫、出荷といった一連の記録、各プロセスにおけるコストなどをパソコンやスマートフォン上で一括管理できるシステムを提供しています。より効率の良い農業経営のためのツールとして、全国で利用者が増加中です。

簡単に言えば、日本の農業を「収益性の高い」「再生産が可能な」産業にトランスフォームしていくというチャレンジ。さらに、「アグリノート」を農業界に眠るいまだ可視化されていないデータのデジタルプラットフォームとすることで、集積したデータを活用した新たなビジネスを展開していくことも目指しています。

展示会にて「アグリノート」をPR展示会にて「アグリノート」をPR

米流通の構造改革にも挑戦

ここ最近、精力的に取り組んでいるのは、米の流通構造をスマート化する新サービスの普及拡大です。

生産者の収益を安定させたり、消費者ニーズに合わせた品種を作付けするマーケットインへの転換を図るため、新たに始めたのが、オンラインで米の生産者・卸売業者間の契約栽培を仲介するサービス「アグリノート米市場」です。

米の生産者の「この米を売りたい」、卸売業者の「こういう米を買いたい」というニーズをうまくマッチングするにはどうすればいいか。本当に生産者の収益は上がるのか。仮説を検証するため、全国の300件以上の生産者に電話し、実際に産地を訪問。卸売業者ともサービスの価値を理解してもらうため折衝を重ねながら、サービスを練り上げました。早く軌道に乗せ、米流通の新たなスタンダードにしたいと考えています。

「アグリノート」と「アグリノート米市場」、そして今後さらなる新サービスの展開を通じて、農業界のデジタルプラットフォームを構築することが目標です。さらに将来的には、農業分野におけるDX(デジタル・トランスフォーメーション)の成功モデルを、産業との接地面が広い三菱商事の他事業にも展開していくことができればと考えています。

生産現場にも積極的に足を運んでいる生産現場にも積極的に足を運んでいる

自分のため < 世のため < とてもよく知る人のため

「アグリノート米市場」を通じて、構想をゼロから実践・実行するチャンスに恵まれたと思っています。ヒアリングに約3カ月、要件定義に約3カ月、実装に約3カ月という、ベンチャーならではのスピード感で実現できたことは貴重な経験となりました。

経歴の異なる多様な人材が集まる同社は、平均年齢が30代半ばと若く、肩書きを超えたフラットな社風も根付いています。フラットな関係性故に、指示の出し方にも工夫が必要で、コロナ禍ではなおさら管理職の難しさを実感していますが、成長のきっかけになると前向きに捉えています。

仕事をする上での原動力は「自分のためより、世のため、世のためより、とてもよく知る人のため」。社会への貢献はもちろんのこと、何よりもまず周囲の人を幸せにすることを大切にしています。

大学時代は応援部で、人のためならいくらでも頑張れる。その姿勢は今でも変わりません。今の職場と仲間をとことん応援し、少しでも会社と社会に貢献できたらと思っています。