20万人が集う新しい街を創り出す 急成長するベトナムでの大型プロジェクト
20万人が集う新しい街を創り出す
急成長するベトナムでの大型プロジェクト
2015年入社。複合都市開発グループ 都市開発部所属。
世界でビジネスを展開し、日本のためになる仕事をしたいとの思いから入社。事業会社でショッピングモールや物流倉庫の開発に携わる。ベトナムでのグローバル研修(*)を経て、現在は同国の都市開発プロジェクトを担当。(2021年5月取材当時)
(*)グローバル研修生…若手社員を対象に、海外での実務研修、海外のビジネススクールへの派遣、世界各国の文化と言語を習得するための語学研修を実施。年間100人前後を派遣。
https://www.mitsubishicorp.com/jp/ja/about/resource/training.html
注:新型コロナウイルス感染対策のため、密を避け、換気などに十分配慮して取材撮影しています。
遅れは許されない、
極度のプレッシャーの中で奔走
ベトナム・ホーチミンで、東京ドーム60個分の広大な敷地に、住宅や商業施設、学校、オフィス、病院、公園といった都市機能を持ち、20万人が集う新しい街をつくり上げる――。私が携わる「Grand Parkプロジェクト」は、三菱商事が海外で手掛ける都市開発事業の中でも最大級のプロジェクトです。2019年5月、グローバル研修生としてベトナムに派遣された私が任されたのが、関係者をまとめ、スケジュールを管理しながら交渉や手続きを進める役割でした。初の海外事業で、街づくりというスケールの大きなプロジェクトに携わるのも初めて。現場を初めて訪れた時に見た、まっさらな土地に20台ほどの巨大なクレーンが並ぶ光景は本当に印象深く、ダイナミックさを実感するとともに「ロマンのある仕事だな」と思ったことを強く覚えています。
三菱商事が手掛けるのは、1万戸超の住宅開発。規模が大きく、動く金額も桁違い。さらに現地の大手デベロッパー、現地政府、パートナーの日本企業など、関係者も非常に多く、業務を進める中で壁にぶつかるのは当たり前。日本ではあうんの呼吸で進められることでも、商習慣や文化が異なるベトナムでは通用せず、手続きのプロセスやルールが明文化されていないことで混乱が生じることも少なくありませんでした。さらに、急速に経済成長が進むベトナムには目の前のチャンスを逃すまいという勢いがあり、協業するデベロッパーもスピード感が信条の会社。常にタイトなスケジュールの中で仕事をすることが求められ、漏れや遅れがあればプロジェクトがつぶれてしまう、尋常ではないプレッシャーもありました。それでも、チームの仲間や関係者を巻き込み、頭をフル回転させて知恵を絞り課題をクリアしていくごとに、大きなやりがいや楽しさも感じていました。
怒濤のような日々を経て、プロジェクトへの投資実行ができたのは約半年後。メディアにも大きく取り上げていただき、苦労を共にした仲間と喜び合ったことは忘れられない思い出です。途中、もう駄目だと思う時もありましたが、上司や現地スタッフの決して諦めない姿勢を見て、何度折れかけた心を奮い立たせたことか。チーム一丸となって支え合うことで最後までやり遂げることができ、プロジェクトの大きな前進につながったと感じています。
最前線で試行錯誤、
人を頼る大切さを学んだ
ベトナムでの経験を通し、周囲に頼ることの大切さを強く意識するようになりました。都市開発という大規模なビジネスでは、多くの関係者の力を合わせる必要があり、いかに周囲を巻き込むかが重要です。自分にできる範囲を見定め、できないことは積極的に周囲に頼っていく。今回のプロジェクトでも、たとえ立場や言語が違っても、お互いに納得がいくまで話し合い、思いを伝えることで、最後は協力を得ることができました。そのために心掛けていたのは、相手の立場に立って考えることです。相手が何を考え、求めているか、常に先回りして考え、各関係者にとっての論点を事前に洗い出し、対策を立てておく。そうした力も、今回鍛えられたスキルの一つです。
都市開発という大きな案件の最前線で経験を積めることは、私にとって大きなチャンスです。難しさや大変さももちろんありますが、責任を持ち、考え、試行錯誤しながら仕事に取り組むことが成長につながっていくと感じます。急成長中のベトナムでは、誰もが前向き。新興国ならではの勢いやスピード感を肌で感じ、機を捉え、ここぞという場面では徹底的にやり切る姿勢からも、大きな学びを得ることができました。
現在、ベトナムでは2022年の住宅供用開始に向け、急ピッチで建設が進んでいます。9割以上はベトナム人が購入しており、まさに現地の方々のための街づくり。質の高い住環境を提供することで、より良い暮らしの実現に貢献したいと思っています。さらに、建物を作るだけにとどまらず、デジタル技術を活用した「スマートシティー」など、さまざまな付加価値を提供することも私たちの重要な役割です。幅広い事業を手掛ける三菱商事の強みを活かし、モビリティによる利便性の向上や環境課題への対応、小売りのようなB to Cビジネスの展開、DXとの掛け合わせなど、さまざまな取り組みを通してトータルで街づくりに関わり、街の発展や生活の向上に貢献していきたいと考えています。
