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インドの成長を支える製鉄プラントを作る現場リーダーとして挑んだ4年間

インドの成長を支える製鉄プラントを作る
現場リーダーとして挑んだ4年間

加藤 光軌加藤 光軌

2014年入社。産業インフラグループ プラントエンジニアリング本部所属。

世界の国々の発展に貢献したいとの思いから入社。海外の事業会社の経営サポートや、プラント関連の新規事業開発などを経験後、インドでの製鉄プラント建設事業に従事。現在は、トルコ財閥系企業との資本・戦略提携(パートナーシップ)の下、同国・周辺地域のインフラ開発事業に取り組む。(2021年7月取材当時)

注:新型コロナウイルス感染対策のため、密を避け、換気などに十分配慮して取材撮影しています。

ゼロからのスタート、
過酷な環境で奔走する日々

ゼロからのスタート、「必要とされる存在」になるゼロからのスタート、「必要とされる存在」になる

 
 

2016年から約4年間、インドに駐在して取り組んだのが、製鉄プラントの新設事業です。インドは今まさに伸び盛りの国。「産業の米」とも言われる鉄は経済発展を支える重要な素材であり、プラント新設は国営製鉄会社が主導する国家プロジェクトです。三菱商事は日系メーカー、パートナー企業であるインド建設会社と協業してコンソーシアムを作り、プラントの設計から設備調達、建設、試運転まで全業務を担います。私が任されたのは、コンソーシアムの現場リーダーとして関係者をまとめ、事業を前進させていく役割。まだ何もない建設地を目にした時は、その責任の大きさを実感するとともに、「よし、やってやろう」という熱い思いもこみ上げました。

プラントの建設地は古都・コルカタから夜行列車で12時間もかかる、まさに陸の孤島です。駐在した日本人は私が初めてという環境下で、生活を整え、現地スタッフを採用して事務所を立ち上げることからのスタート。建設が始まってからは、数千人の作業員を束ねる現地建設会社や日系メーカー、顧客である国営製鉄会社、インド政府の関係者など、本当に多くの方々と関わりながら、大小さまざまなトラブルと向き合い、問題の解決に奔走する毎日でした。当初、現地にいる三菱商事社員は私1人。知識も経験も十分でない私にとって、顧客の要求は時にとても厳しく悩むことも多かったですが、三菱商事グループのメンバー、インド三菱商事のスタッフや関係者など、多くの方の支えがあったからこそ乗り越えられたと感じています。

中でも苦心したのは、建設の最終局面、予定期間を短縮してプラントを稼働させたい顧客と、技術的な面から難色を示すメーカーとの調整です。いい加減なことはできない。一方で、顧客の要求にも応えたい。それぞれの気持ちを尊重し、折り合えるポイントを探し続けました。その中で次第に、こうすれば実現できるのでは、という前向きな議論が進むように。そして2020年1月、ついにプラント稼働の日を迎えることができました。生産ラインを全力疾走し「ファーストコイル」と呼ばれる最初の製品を目にした時の興奮や、インド顧客側の責任者から掛けられた「お前は俺の自慢の息子だ」という言葉、4年間共に取り組んだ関係者と抱き合って喜びを分かち合ったことは、そこに至るまでの苦労の日々とともに、決して忘れることのない人生の1ページになりました。

※複数の企業や団体、政府などが共通の目的のために活動する集団

加藤 光軌加藤 光軌

「世のため、人のため」、原点を忘れず仕事と向き合う「世のため、人のため」、原点を忘れず仕事と向き合う

「世のため、人のため」、
原点を忘れず仕事と向き合う

赴任当初は、右も左も分からない状態。プロジェクトに関わるあらゆる問題に対処すべき立場で、顧客からは「何のためにここにいるんだ」と厳しい言葉を掛けられることもありましたが、絶対にやり遂げてみせる、というリーダーとしての責任感が支えとなりました。仕事をする上で私が大切にしているのは、世のため、人のためになる仕事をしたい、という思いです。自分のためだけに頑張るには限界がありますが、世の中のためになるんだという思いがあれば、大きな苦労も乗り越えられる。苦しい時、迷った時は原点に立ち返り、「誰のために、何のために、仕事をしているのか」という視点を持ち続けることが大切だと実感しました。

自分の目指すゴールに向かって、ビジョンとそこに至るストーリーを共有し、周囲を巻き込んでいくことの大切さも、今回学んだことの一つです。プラントの工期短縮の場面では、なぜやるのか、そのためにどうすべきか、繰り返し説明することで百戦錬磨の技術者の皆さんの理解が得られ、さまざまな局面で助けていただくことができました。例え周囲の反発があっても、やるべきだと思うことは分かってもらえるまで説明を尽くし、その思いを自分の行動で示し続けることが大事だと感じています。

インフラ・プラントに関わる仕事は、国の発展や成長に貢献し、その国に暮らす方々の豊かな生活や社会・産業の基盤を支える事業です。世のため、人のために、という学生時代からの思いを実現できる場として大きなやりがいを感じています。現在はトルコのパートナーと共に、従来のインフラ・プラント建設と併せ、デジタル技術を活用した「新しいインフラ」づくりにも取り組んでいます。新たな事業に挑戦する中で自分の可能性が広がっていくのを感じますし、そうしたフィールドが世界中にあることは三菱商事で働く醍醐味。今後もさまざまな事業に取り組みながら、対面する国、地域の発展に貢献できる仕事をしていきたいと考えています。

  • プラント全景
  • 現地関係者と