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三菱商事

World Beat ~明日への鼓動~

意志あるところ道はできる

2016年10月2日 朝日新聞「GLOBE」掲載

意志あるところ道はできる

2005年、日本とメキシコの2国間でEPA(経済連携協定)が発効。日本車の輸入関税は大幅に引き下げられ、メーカーにとっては大きな商機が訪れた。タイをはじめ世界各国で長年パートナーシップを築いてきたいすゞ自動車と三菱商事は、この機を捉え、いち早く合弁会社「Isuzu Motors de Mexico, S. de R.L(以下、いすゞメキシコ)」を設立。現地のトラック市場に本格参入した。

日本のトラックは、その多くがキャブオーバー(エンジンの上に運転席がある)型であるのに対して、メキシコでは「鼻」の突き出たボンネット型が主流。車体のサイズが同じなら、積載量はキャブオーバー型のほうが大きいうえ、運転席からの視界が広く安全性も高い。加えていすゞ自動車のディーゼルエンジン車は、競合のガソリンエンジン車に比べ低燃費でパワーがあり、環境性能もはるかにいい。勝算はあった。

しかし、三菱商事いすゞ事業本部米州チームリーダーの鈴木正幸さんは言う。「“見たことのない車”という彼らのメンタルブロックを突き崩すのは、予想以上に困難なことでした」。いすゞメキシコはこれまで累計3万台以上を売り上げているが、それは現地スタッフが顧客のもとに何度も足を運び、言葉を尽くして1台1台積み上げてきたものだ。

「製品の質では絶対負けない自信があるだけに、いかに信頼を得るかが私たちの仕事です」。三菱商事から出向中のいすゞメキシコ営業副本部長・尾崎祐輔さんは、自らの役割をそう説明する。トラックはその大半が商用車であり、車体の不調や故障は、顧客のビジネスにとって死活問題となる。尾崎さんや彼の前任者たちは、メキシコ全土にディーラーやサービス拠点を広げ、安心していすゞ車を選択してもらえる環境づくりに尽力してきた。

今では地方の小さな町でも、「鼻」のない日本のトラックを当たり前に見かける。いすゞメキシコでは、今後は投入する車種のラインアップを増やし、より細かなニーズに応える体制の整備を急ぐ予定だ。いすゞ自動車の高いものづくり技術と、それをもっと広め人々の暮らしに貢献したいという三菱商事の情熱。そして現地スタッフの流したたくさんの汗が、この国の風景を着実に変えつつある。

-“つぎ”を創る力

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