三菱商事

プレスルーム

2009年10月15日

国薬ホールディングスとの包括提携及び北京華鴻への出資

三菱商事株式会社(以下、三菱商事)及び株式会社メディパルホールディングス(以下、メディパル)は、中国法人であり中国最大の医薬品卸である国薬控股股份有限公司(以下、国薬ホールディングス)と包括提携の覚書を締結致しました。また、提携事業第一弾として、三菱商事とメディパルは、国薬ホールディングスおよび北京暢新易達投資顧問有限公司(以下、暢新易達)が保有する国薬控股北京華鴻有限公司(以下、北京華鴻)の持分の一部をそれぞれ取得し、併せて、北京華鴻が行う株主割当増資を引き受け、中国国内において医薬品流通分野での合弁事業を開始致します。
 
                               記
 
1.背景
三菱商事とメディパルは、2005年9月に、「医療ビジネスにおける包括的な業務提携」に関する契約を締結し、日本国内においては、既に病院支援事業の展開や調剤薬局事業への参入などを共に進めております。また、更なる事業領域および収益基盤の拡充を構想する中で、成長著しい中国の将来での事業展開についても検討を重ねてまいりました。
中国の医薬品市場は5年連続2ケタ成長を成し遂げ、現在約4兆円の市場規模といわれており今後更なる拡大が見込まれております。規制緩和による外資系流通企業の進出も加速しておりますが、その一方、医薬品流通には未だ多くの卸が介在し、必ずしも効率化が十分になされていない状況です。また、日本では一般的に行われるカスタマーサポート・サービスが、中国においてはまだ十分とは言えず、医薬品卸に求められているものは、経営効率の向上や、流通機能の更なる整備、サービスの質的向上、など多岐に渡っております。
 
このたび提携した国薬ホールディングスは有力国営企業を管理する「国有資産監督管理委員会」の傘下にある中国医薬集団総公司の中核子会社であり、中国最大の医薬品卸であるとともに唯一全国的販売ネットワークを有しております。これまで三菱商事、メディパル、国薬ホールディングスの三者は協議を重ね、互いが中国での事業拡大におけるベスト・パートナーであるとの認識に至り、このたび以下に記載するテーマを中心とした包括提携の覚書を締結致しました。また提携の第一弾として、中国における医薬品の最大消費地のひとつである北京市において、国薬ホールディングスの子会社である北京華鴻に三菱商事、メディパルより資本参加し、医薬品流通分野において具体的な合弁事業を開始致します。
 
2.包括提携について
主要な提携検討テーマは次の通りであり、今後 各テーマの具体的推進に当たっては三者でプロジェクトチームを作り検討を進めてまいります。
 ①医薬品卸売事業の複数エリアでの業務協力
 ②医薬品・医薬品原料/医療機器・医療材料の中国国内輸入及び販売拡大
 ③病院向け物品の購買・配送・管理の一元化業務の共同展開
 ④病院内薬局管理事業の展開
 ⑤薬局チェーン事業の展開
 
3.北京華鴻への資本参加について
(1)目的
国薬ホールディングス傘下の北京華鴻は、中国における医薬品の最大消費地のひとつである北京市を中心としたエリアで事業展開しており、急成長をしている医薬品卸であります。今後、更なる成長が期待される北京華鴻に対して、三菱商事、メディパル両社より邦人社員を派遣し、三菱商事が日本国内で展開している病院経営支援・病院内業務アウトソース事業のノウハウや、メディパルの医薬品流通ノウハウ等を提供することで、競合他社との明確な差別化を進め、北京市場におけるシェア拡大を目指します。
当面の営業エリアは北京市となりますが、状況を見ながら株主間での協議の上、販売エリアの拡大も検討してまいります。
また、本出資によって関係強化される国薬ホールディングスの中国全土の販売チャネルと、三菱商事の国際ネットワーク、メディパルの日系医薬品・医療器材メーカーとの関係を生かし、中国での取引拡大を目指したいと考えております。
 
(2)基本スキーム
北京華鴻は、中国の会社法に基づき設立された、登録資本4,000万人民元の有限会社です。
国薬ホールディングスは北京華鴻の持分60%を保有し、暢新易達は北京華鴻の持分 40%を保有しております。
このたびの合弁事業の開始にあたり、三菱商事は、国薬ホールディングスから北京華鴻における同社の持分の内9%を、暢新易達から北京華鴻における同社の持分内16%を取得し、合計25%の持分を取得致します。メディパルは、暢新易達から北京華鴻における同社の持分の内14%を取得致します。 
上記持分譲渡を完了した上で、北京華鴻が増資を行い、三菱商事、メディパル、国薬ホールディングス、暢新易達の4社は、それぞれ持分比率に基づいて増資を引き受けます。
なお、北京華鴻の持分譲渡(中外合弁企業化)、増資後の登録資本は、8,000万人民元となります。
 
<スキーム図>
スキーム図
 
 
【国薬控股股份有限公司 会社概要】
事業内容
・ 病院及び薬局向け医薬品卸/物流/薬局チェーン展開。(約4,200病院、薬局 約5,800店舗、医薬商業企業3,000社、その他医療機構3,600社 との取引実績。)
・ 国有資産監督管理委員会(SASAC)が直轄する中国医薬集団総公司の傘下で、中国最大且つ唯一全国販売ネットワークを保有する医薬品卸企業。
本店所在地
中国上海市
沿革
2003年1月中国医薬集団総公司と復星集団の共同出資により設立。
出資比率
 
国薬産業投資有限公司※ 96%、中国医薬集団総公司4%
(※中国医薬集団総公司51%、 上海復星医薬(集団)股份有限公司49% )
 
●中国医薬集団総公司
 1951年設立。国有資産監督管理委員会傘下の医薬品製造/流通関連の国営企業。(流通 は国薬控股が中心)
 
●上海復星医薬(集団)股份有限公司
1994年設立。民営企業。 バイオ医薬品、臨床診断製品等、医薬品製造メーカー。復旦大学の出身者4名により創業され急成長。 2007年7月香港市場上場。
 
董事長
佘 鲁林(しゃ ろりん)(現 中国医薬集団総公司総経理)
 
総経理
付 明仲(ふ めいちゅう)
従業員数
11,123名
業績
売上高 381億7,000万人民元〔約5,725億円〕
当期利益 8億1,810万人民元〔 約122億円〕(2008年末)
 
 (3)出資後の北京華鴻の概要
①商号
 
(こく)(やく)(こう)()北京(ぺきん)()(こう)有限(ゆうげん)公司(こんす)(北京華鴻)
英文社名:Sinopharm Medicine Holding Beijing Huahong Co., Ltd.
②事業内容
医薬品、医療器械の中国国内販売・輸出入、および病院に対する医療関連のサポート業務
③ 設立年月日
1998年4月29日
④本店所在地
中国北京市
⑤代表者
総経理:化唯強(か ゆいきょう)HUA WEI QIANG
⑥資本金
8,000万人民元〔約12億円〕
⑦ 会計年度
1月1日から12月31日
⑧従業員
約120名
⑨出資比率
国薬ホールディングス:51%
暢新易達:10%
三菱商事:25%
メディパル:14%
⑩合弁期間
30年間
⑪営業開始
2009年10月末予定
⑫ 業 績
(2008年度)
 
売上     10億5,338万人民元〔約158億円〕
当期純利益      2,546万人民元〔約 4億円〕
総資産    3億9,450万人民元〔約 59億円〕
   〔 〕内の数字は、為替レート1中国人民元=15円で計算しております。
 
 
 
【ご参考】
略称
商号(所在地)
国薬控股
国薬控股股份有限公司(中国上海市)
こくやく こうこ こふん ゆうげん こんす
暢新易達
北京暢新易達投資顧問有限公司(中国北京市)
ぺきん ちょうしんいたつ とうし こもん ゆうげん こんす
北京華鴻
国薬控股北京華鴻有限公司(中国北京市)
こくやく こうこ ぺきん かこう ゆうげん こんす

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三菱商事株式会社 広報部 報道チーム
TEL:03-3210-2171 / FAX:03-5252-7705
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