三菱商事は、100%子会社であるDiamond Generating Asia, Limited (以下DGA社)を通じ、香港の電力会社であるCLP Holdings Limited (以下CLP社)、タイの大手IPP事業（※１）会社であるElectricity Generating Public Company Limited (以下EGCO社)と共同で、世界最大級となる発電容量73MWの太陽光発電所をタイのロッブリ県に開発することを決定致しました。

 

本案件は、DGA社、CLP社、EGCO社が共同で設立したNatural Energy Development Co., Ltd.(以下NED社、DGA社/CLP社/EGCO社がそれぞれ33.3%出資）を事業主体として、73MWの太陽光発電所を建設し、全発電量をタイの電力公社であるEGAT向けに25年間売電する事業を行うもので、2011年末までの発電開始を目指しています。

 

尚、総事業費約220億円の発電所の建設にあたり、NED社は、この度シャープ株式会社、Italian - Thai Development Public Company Limited、Ital Thai Engineering Co., Ltd. の3社コンソーシアムとEPC契約（※２）を締結すると共に、アジア開発銀行･タイ商業銀行と融資契約を締結致しました。

 

タイは、東南アジアで最も早く新エネルギーに関する政府支援制度を導入するなど、2022年迄に全エネルギーの20%を新エネルギーとする計画にあり、本案件の実現は、タイの新エネルギー普及政策に貢献するものと考えております。

 

DGAは東南アジア及び台湾のIPP事業を統括する会社として2009年4月に設立され、現在タイと台湾で発電事業を展開しています。新規案件としては、本案件に加えて、ベトナム及びインドネシアで大型石炭火力発電案件の開発を進めており、今後も電力需要の高い伸びが期待できる東南アジアにおいて民間発電事業の発展に努めて参ります。

 

三菱商事は、昨年3月、世界トップの総合新エネルギー事業会社であるAcciona S.A.(本社：スペイン)が開発したポルトガルの太陽光発電事業に参画しました。更に本年4月には、地球環境事業開発部門を新設し、海外電力事業・新エネルギー・水環境ビジネスをはじめ、地球環境を視野に入れたインフラ事業への取り組みを強化し、新エネルギー発電分野において世界で存在感ある事業会社となることを目指しております。

 

 

※１：IPP（Independent Power Producer）事業とは、国の発電公社が行う発電事業に加えて市場競争力・資金を活用すべく発電所の建設・運転を民間発電事業者が行うもの。尚、タイでは国の電力市場の約半分をEGAT、残りを民間事業者が担っている。

※２：EPC（Engineering Procurement and Construction）契約とは、プラント設計、機器調達及び発電所の建設を一括して行う契約。