三菱商事株式会社（以下、三菱商事）は、在フィリピン不動産会社Ayala Land Inc.（以下Ayala Land）100%出資の省エネルギー事業会社であるPhilippine Integrated Energy Solutions, Inc（以下PhilEnergy）株式の40%を、Ayala Landより取得することにつき、昨日、合意し、フィリピンにて省エネルギー事業（地域熱供給事業*1、並びにESCO事業*2）に参画します。

 

フィリピンでは高い経済成長（GDP成長率5%以上）が維持されている反面、エネルギー関連インフラの整備が従来より課題であり、発電設備の増強が進められている一方、エネルギー使用量そのものを抑えるため、省エネルギー関連法案の制定も検討されています。PhilEnergyは、省エネルギー事業の一環として、大規模な冷熱設備を自社保有し、導管を通じて複数の建物（オフィス・商業・ホテル等）に冷房等に使用する冷水･温水･蒸気を供給する事業を、マニラ首都圏（マカティ市）にて2012年3月より開始する計画です。同冷熱設備から一括供給することにより、複数建物がそれぞれ個別に小規模な設備を保有する場合と比べて、エネルギーの使用量が低減できるともに、建物オーナーの初期建設コスト（冷熱設備の設置コスト）を抑えることも可能となります。

 

三菱商事は、国内の関連事業で培った省エネルギー事業に関するノウハウを、PhilEnergyを通じて活用することにて、Ayala Landと連携し、エネルギー料金が高騰し成長が期待されるフィリピンの省エネルギー関連市場を取り込み、フィリピン国内の環境改善に貢献していきます。

 

三菱商事は、社会の持続的発展への事業を通じた貢献を目指し、2010年7月に発表した中期経営計画において、地球環境事業を全社戦略分野と位置付け、現在、積極的に推進しております。

 

*1地域熱供給事業

    1か所または数か所のプラントから、導管で結んだ複数の建物へ、冷暖房等に使用する冷水・温水・

    蒸気を送る事業。施設ごとに熱源設備（クーラー、ヒーター等）を保有して冷暖房を行うのではなく、

    地域内のプラントで集中的に熱源を生産するため、地域冷暖房とも呼ばれる。

 

*2 ESCO事業

    Energy Service Companyの略。建物の設備更新、省エネ運転ノウハウ導入によりエネルギー効率

    を向上させるサービス事業。主に空調熱源を中心とした設備の更新、運営・保守により電力使用量を

    削減し、同削減メリットを顧客とともにシェアする。

   

 

〔参考〕

(1)本社所在地 ： フィリピン マニラ首都圏　マカティ市

(2)設 立      ： 1988年

(3)資 本 金  ： 186.8億ペソ（2010年12月末時点）

(4)事業内容 ： 不動産開発業・賃貸事業（在フィリピン大手財閥であるアヤラグループの中核企業。

                アヤラグループと三菱商事は1974年より業務提携関係にある。）

(5)売 上 高   ： 378.1億ペソ（2010年度、連結）

(6)従業員数  ： 493名（2010年12月末時点、単体）、1,152名（2010年12月末時点、連結）

(7)代 表 者   ： Antonino T. Aquino

 

(1)本社所在地： 東京都千代田区丸の内二丁目3番1号

(2)設 立          ： 1950年4月

(3)資本 金      ： 2,033億円

(4)事業内容   ： 新産業金融事業、エネルギー事業、金属、機械、化学品、生活産業の６グループ

                   に、ビジネスサービス、地球環境事業開発の２部門を加えた体制にて、幅広い産業

                   を事業領域として、多角的なビジネスを展開。

(5)売上 高      ： 19兆2,334億円（連結）

(6)従業員数   ： 58,470人（2011年3月末時点、連結）

(7)代表 者      ： 代表取締役社長 小林健