三菱商事

プレスルーム

2012年7月26日

北米市場における商業用不動産担保ローン証券の組成事業に参入

三菱商事株式会社(以下 当社)は、北米市場における商業用不動産担保ローン証券(Commercial Mortgage Backed Security 以下CMBS)の組成事業に参入することと致しましたので、お知らせ致します。
 
北米でアセットマネジメント事業を展開する当社子会社MC Asset Management Holdings, LLC(以下MCAMH)と、同じく北米において不動産デット投資分野(*1)で卓越した実力を有するFive Mile Capital Partners LLC(以下FMC)が、MC-FMC Commercial Real Estate Finance Management LLC(以下MC-FMC)を折半出資で新たに設立し、信用力の高い商業用不動産担保シニアローン(*2)の引受け及び証券化事業を行います。MC-FMC は毎年10億USドル以上の規模でCMBSを継続的に組成し、北米CMBS市場における確固たる地位の確立を目指します。
 
北米では、投資家の運用資金と不動産市場を繋ぐ重要な手法として、不動産投資信託(REIT:Real Estate Investment Trust)と並んで商業用不動産担保ローンを証券化したCMBSが伝統的に活用されてきました。金融危機発生後、証券化の担い手であった多くの金融機関が市場から相次いで撤退し、投資家の投資意欲も一旦減退したことから、CMBS発行額は大きく減少しました。市場安定化後は、より保守的なレンダーが堅実なレバレッジで安全な設計を用いて証券化を行い、需要面においても機関投資家が安定運用を行う目的でCMBS投資を再開していること等を背景に、CMBS発行額は順調に回復しています。しかしながら今後数年の間に、過去(特に2005年~2007年)に発行されたCMBSは償還期限を迎える一方で、金融機関への規制強化(バーゼルⅢやボルカールール等)により、既存レンダーだけでは借り換え需要を埋め切れない見通しです。このような状況下、金融機関に代わる新たな資金の出し手の市場参加が強く待望されています。
 
当社は、この機会を捉えMCAMHを通じて北米CMBS組成事業に参画し、機関投資家の安定的な運用ニーズに応えるために、良質の実物資産を裏付とした証券化商品の組成を行い、北米市場において不動産市場と機関投資家とを繋ぐ「金融仲介機能」を発揮していくことで、アセットマネジメント分野における新たな事業アプローチの構築を進めて参ります。
 

<MCAMHについて>
MC Asset Management Holdings, LLCは、当社が80%出資するオルタナティブ専業のアセットマネジメント子会社として2011年12月に設立。全世界の機関投資家を対象に、オルタナティブ投資分野(*3)の投資機会を主にファンド形式で提供している。本社所在地はコネティカット州スタンフォード。
 
<FMCについて>
Five Mile Capital Partners LLCは2003年の設立以降、主に北米機関投資家向けのアセットマネジメント事業を展開し、現在20億USドル以上の受託資産を運用している。とりわけ不動産デット投資分野において卓越した陣容と実績を有している。本社所在地はコネティカット州スタンフォード。
 
 
(*1)不動産デット投資
貸付債権の返済原資が不動産に限定された担保権付の貸し出し。通常ファンドやREITが不動産の投資・保有を行う際に金融機関などから貸し出しを受けることが多い。
(*2) シニアローン
返済順位が最も高い債権で、デフォルト率が非常に低く売買の際の流動性も高い性質がある。
(*3) オルタナティブ投資
伝統的に機関投資家の投資対象であった株式・債券に代わって超過利潤を生むことが期待される、不動産、インフラ、プライベートエクイティなどの代替資産に対する投資。
 
 
 
【事業概念図(CMBS組成までの流れ)】
<事業概念図(CMBS組成までの流れ)>
<事業概念図(CMBS組成までの流れ)>

ニュースリリースに関するお問い合わせ先

三菱商事株式会社 広報部 報道チーム
TEL:03-3210-2171 / FAX:03-5252-7705
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