三菱商事

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2015年1月5日
三菱商事株式会社

2015年 社長年頭挨拶

明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願い申し上げます。
さて、本朝、三菱商事本社(東京・丸の内)にて行われました、当社社長 小林健による「2015年 年頭挨拶」を下記の通りご報告致します。
 
 
新年明けましておめでとうございます。新しい年、2015年が始まりました。世界中の三菱商事グループの皆さんそれぞれに新たな抱負と希望を持って新年を迎えたことと思います。私も皆さんも穏やかな新年を共に迎えることができたことに、まず感謝したいと思います。
 
本日は年頭にあたり3つのことを申し上げます。1点目は、我々は如何なる環境で2015年を迎えたのかということ、2点目は経営戦略2015の進捗状況について、3点目は私の2015年の抱負について申し上げたいと思います。
 
1.如何なる環境で2015年を迎えたのか
昨年からニュースその他で報じられている通り、2014年の経済は踊り場の状況でした。米国はシェールガス革命等で復興してきましたが、まだ世界を牽引するまでには至っていません。一方で、世界の経済成長のエンジンであった新興国の成長がハイスピードからミディアムスピードに落ち、高度成長から安定成長に切り替わりつつある状況です。地政学的にはロシア・ウクライナ情勢やイスラム国を始めとする中東情勢等はますます不透明になり、地政学的リスクが経済活動を行う上で無視できない状況となりました。年末最後の3か月は原油安、資源価格の低迷と円安があり、そして最後は総選挙が行われ、第3次安倍内閣が成立しました。
2015年は、こうした状況を抱えながらスタートしました。原油価格、資源価格の低迷は今後もしばらく続くという前提で、経営戦略を立てる必要があると感じています。
日本全体にとって原油安・円安・ゼロ金利という状況が同時に到来したのは恐らく初めてではないかと思います。2014年はブラジル、インドやインドネシアなど各国で選挙があり、政権が変った、或いは維持されました。2015年は政権交代の可能性がある国は多くなく、世界中の国々で政治の動きがある程度一段落し、経済成長に邁進する年だと考えています。日本でも12月に衆議院選挙が実施され、新しい内閣が出来ました。日本も中長期的には政局に左右されずに政・官の施策が打てる時期だと思います。我々もマインドをリセットして、腰を据えて経済成長に取り組む1年にしたいと思います。経済界もこの原油安・円安・ゼロ金利という状況をどう活かして、どう成長していくかが課題になると思います。
そのような意味で、今年は経済政策の「実行」の年になります。「実行」がキーワードになると思います。経済政策や成長戦略といった抽象的な言葉が続いてきましたが、我々もマインドをリセットして、成長戦略の何を実行するのかが問われる年になると思います。「隗より始めよ(※)」という言葉がまさに示す通り、各企業がそれぞれ出来ることを始めるべき年ではないかと思います。
 
※ 隗(かい)より始めよ: 大きな事業や計画を始めるときには、まずは手近なところから着手するのがいいというたとえ。
 
2.経営戦略2015の進捗状況
昨年の中間決算では、資源・非資源ともに増益となりました。それぞれの持ち場において“future pull”の発想で取り組んで頂いた結果、非常に大きな手応えを感じました。この場を借りて皆さんの不断の努力に、改めて感謝したいと思います。
本年は「経営戦略2015」仕上げの年、言わば最終コーナーを回った所であります。昨年末に、事業戦略フォローアップ会議や市場戦略会議を開き、各グループCEO、コーポレート、海外、国内地域統括が集まり、我々が今置かれている環境や立ち位置の再認識、共有を行い、次の打ち手について議論しました。経営幹部の共通認識は、「経営戦略2015」で示した2020年のあり姿は変わらないということです。当然、資源安や原油安等のファクターはありますが、これに対応して行きながら、大切なことは、その先に見える2020年のあり姿は変わらないということです。
一昨年から市場戦略に加えて、新たな事業領域を創出するため、全社のR&Dを始めました。これは地域と分野のR&Dであり、ここから新しい事業領域を創りだしていく試みであります。この中間的な総括も行い、一言で言えば確かな手応えを感じました。今年度末までには、新たな事業領域あるいはその入替について、具体的な報告ができると思います。
資源価格の下落等、外部環境は一段と厳しい状況ではありますが、まずは2014年度の目標を達成してもらいたい。さらに4月以降、経営戦略2015の最終コーナーを回り、一緒に走っていきましょう。
 
3.2015年の抱負
私は社長就任以来、できるだけ多くの現場を訪問しました。三菱商事グループの最前線で奮闘する皆さんのところへ行き、現場の生の声を聞き、そして経営戦略に都度反映していくということを信条としてきました。この現場主義は今年も続けていきます。
昨年は、国内20回で延べ50日、海外12回65日で合計22か国を回り、年間約三分の一は各地を回る事に費やしました。さらに、国内6地域、海外3地域で三菱商事グループ企業の経営幹部と直接話す機会を設け、「経営戦略2015」前半の総括と、環境認識の共有を行いました。今年もこうした活動を続けて行きます。
また、「実行」について申し上げます。もちろん社業を発展させる事が第一義ですが、社会的存在である三菱商事グループがこの局面で果たすべき社会的責任を実行できることから始めたいと思っています。それは、成長戦略の中で掲げられている地方創生、なかんずく三菱商事として出来ることは東北の雇用創出に取り組むということです。過去4年近くに亘り、三菱商事復興支援財団を通じて約40社に出資して、その成果が出ています。本年は、CSRの担当部局だけでなく、各営業グループがこれを頭の片隅に置いて、今までより一回り二回り大きな規模でより大きな雇用を創出していくことに、協力してもらいたいと思います。現場主義を続けることと、東北の地方創生及び雇用創出に取り組むことが今年の抱負です。
 
 2015年の干支は「乙未(きのとひつじ)」です。乙という字は、草木の芽が曲がりくねっている象形で、上から押さえつけるという意味があるそうです。つまり、外部環境からのプレッシャーが強くなることが予想される年です。これを皆さんと一緒に一丸となり克服して「経営戦略2015」の総仕上げを行いたいと思っています。字の如しではなく、我々がそれを一緒に突破していきたい。羊に羽と書いて翔という字になりますが、「乙未」を「翔」に変えて、経営戦略2015の達成、そして2020年に向けた更なる第一歩を一緒に踏み出していきたいと思います。共に頑張りましょう。
以 上

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