三菱商事

Starting Point ~その思いが未来へつながる~

Starting Point ~その思いが未来へつながる~ Vol.8 物流@モスクワ フェアプレーで世界をつなぐ Starting Point ~その思いが未来へつながる~ Vol.8 物流@モスクワ フェアプレーで世界をつなぐ

前任地サウジアラビアの夏を思えば、現在暮らすモスクワの冬との気温差は50度近い。それでも、三菱商事の林賢司は「寒いといえば寒いですけど、雪はそれほど多くないし、街も近代的なので過ごしやすいですよ」と気にするそぶりもない。現在は、三菱商事ロジスティクス(MCLOGI)のロシアにおける拠点、MC Logistics CISのゼネラルディレクターとして、50人近い部下を束ねる立場。効率的な物流を通して顧客の「経営課題」を解決することがミッションだ。

たとえばタイヤの場合、商機は夏用と冬用の履き替え需要に合わせた年2回。時季に合わせて「大量の」商品を「短期間で」運ぶことが求められる。輸送手段をどう組み合わせ、どのルートで運ぶのがよいか。オペレーションに無駄はないか。顧客の目線に立ち、林は日々頭を悩ませる。

MCLOGIがロシアに拠点を設立したのは2001年。当初は日系メーカー向けの輸入通関や配送が業務の中心だったが、顧客のニーズに合わせて徐々に自らの役割を拡大してきた。「近年のロシアは法整備、IT化も進み、欧米に近い自由なビジネス環境が整ってきました」。新しいものへの柔軟性が高く、消費意欲も旺盛なロシア社会の多様化するニーズにどう対処するか。答えは常に変化している。

「AI/IoTなどの新たな技術を活用すれば、物流を効率化できる余地はまだまだあります。前例にとらわれず、常に新たな発想で物流を通じて世界に貢献していきたい」。新しい価値を生み出すには何をすべきか。顧客にとって何が一番必要か。現地のスタッフとともに、時にはお酒を交えた熱い議論が続く。

これまで林は、日本、台湾、サウジアラビアで物流事業の新規立ち上げを担ってきた。国が違えば価値観が違う。扱う商品が違えば求められる機能も違う。それでも彼は、世界中どこに行っても通用する哲学を、長い海外勤務の中で学んだと語る。「相手が誰であってもお客様ととことん向き合うこと。フェアに戦うプレーヤーには誰もがフェアに接してくれますし、たとえ負けても再挑戦のチャンスが巡ってくるだろうと思います。もちろん負けないように常に最善を尽くしていますが」。学生時代、アメフトとライフセービングで鍛えた心身の強さで、この先どこへ行っても林は、フェアプレーを貫くのだろう。

Think Big, Act Honestly

2017年12月3日 朝日新聞「GLOBE」掲載

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