三菱商事

モザンビークにおけるアルミニウム製錬事業
アルミ事業と地域の発展

三菱商事のアルミ事業

三菱商事のアルミ事業
MOZAL アルミ製錬所の空撮

アルミニウム地金は、採掘したボーキサイトを苛性ソーダ液で溶解し、抽出したアルミナを電気分解することにより製造されます。日本のアルミ製品需要は年間約4百万トンで、製品には圧延・押出・鋳造などの加工が施されています。また、アルミニウムはリサイクルが進んでいる金属であり、リサイクルにより非常に効率的に再生アルミニウム地金を製造しています。

三菱商事のアルミ事業は、ボーキサイト採掘・アルミナ精製・アルミ製錬事業のプロジェクトを推進する資源プロジェクト部門と、アルミ地金・アルミ製品・再生地金の取引を行うトレーディング部門の二つから成り立っています。三菱商事における資源プロジェクト開発事業は、1970年代、石油危機による電力価格の高騰で、電力を大量に使用するアルミ製錬事業をアルミ製錬各社が日本国内で展開するのが困難となったことを受け、海外に日本のための資源を確保していこう、との発想から始まりました。現在、三菱商事はモザンビーク、オーストラリア、ブラジルなどで、アルミ製錬事業に参加しています。当社の年間アルミ地金生産量は約23万トンに及び、日本企業では最大であり、さらなる資源確保のために活動を続けています。

トレーディング部門では、シンガポール・東京・ニューヨーク・ロンドン・バンコク・上海に拠点を置き、アジア・米国・欧州をはじめとする世界各国で年間約160万トン(内、日本国内は約40万トン)のアルミ地金取引を行なっています。

モザールアルミ製錬プロジェクトの概要

1998年、三菱商事はモザンビーク政府、世界最大の資源会社BHPビリトン、南アフリカ開発公社との共同出資により、アルミ製錬会社「モザール」を設立しました。当時モザンビークは、直前まで続いていた内戦のために疲弊しきっており、モザンビーク政府は国家再建のために外資を積極的に導入し、事業を開発していくとの政策を取っていました。また、近隣諸国の経済自立と安定を望む南アフリカ政府は、モザンビークに対し自国の電力を供給する用意がある旨を宣言していました。こうした外的環境と各当事者の強い意志により、国家再建という使命を負ったアルミ製錬プロジェクトが実現したのです。モザールは、現在、年間56万トンのアルミ地金を生産し輸出しています。今日ではアルミ製錬がモザンビークの主要な産業となり、同国の全輸出額の50%を占めています。

環境への配慮

プロジェクトでは環境に最大限の配慮をしています。環境対策の主なものは三つあります。第一に、温室効果ガスの排出抑制です。一般的に発電所は、温室効果ガス排出源の一つととらえられていますが、アルミ製錬工場では、電力使用量削減およびそのほかの対策による温室効果ガス排出の抑制が製錬事業者として長期に取り組むべき重要な義務であると認識しています。モザールでは、温室効果ガス排出抑制の一環として、2005年に陽極焼結炉で使用する燃料を重油から天然ガスに切り替えました。第二に、使用済み電解炉廃材の適正処理です。電解炉は耐用年数である5年を経過すると廃棄されますが、廃材は製錬工程で生成される有害物質を含むため、その適正処理が必要となります。モザールでは、廃材の半分を工場内で厳正に保管、残りの半分を政府認可の下、工場近くの廃棄場で処分しています。今後は、廃材を無害化した上で新しい用途に再利用することを検討しており、製鉄メーカーやセメントメーカーと共に試験を実施しています。第三に、廃水処理です。アルミ地金生産過程で使用された水はすべて工場に隣接する貯水池に溜められます。モザールでは、毎日この貯水池の水質を調査し、フッ化物濃度などの含有物質が世界銀行の定める厳格な基準を下回っていることを確認した上で、工場近隣のマトラ川に流出することとしています。

雇用の創出と教育訓練

モザールでは1,250名の正規従業員が働いており、サブコントラクターの従業員、港湾荷役などのプロジェクト関係者を含めると過去からの累計で1万名に及ぶ大きな雇用機会が創出されています。

工場の従業員は95%以上がモザンビーク人です。工場が稼働したのは2000年12月ですが、工場の建設が始まった1998年から採用を始め、丁寧な教育訓練を行ってきました。例えば、製品の品質を確かなものとするための職業教育も徹底して行っていますし、安全・衛生教育にも力を入れ、従業員同士で話し合う機会を増やすとともに職制上のスムースな報告体制を整えています。こうした教育訓練によって、モザールは優秀な労働者を育てる人材育成の場としても高く評価されています。

モザール・コミュニティ・ディベロップメント・トラスト

モザールでは周辺地域への社会貢献のため、2000年8月にMCDT(モザール・コミュニティ・ディベロップメント・トラスト:モザール地域発展基金)を設立しました。活動の柱は、雇用創出のための小規模ビジネスへの支援・教育支援・健康のための環境整備や衛生教育の支援・スポーツ文化支援・社会インフラ支援などです。具体的には、学校の建設、マラリア予防と治療のための診療所整備、HIV教育の浸透等の支援を行っています。小規模ビジネスの支援としては、農業の振興や工芸品の商品化を推進している地域の経済活動を積極的に支援しています。これらの持続的支援の内容については、定期的に行われるMCDTの理事会で都度検討した上で実践と必要な改善をしていくこととしており、三菱商事もこの理事会に参加しています。

MCDTの活動資金としてモザールが拠出した金額は、累計3,000万ドル以上に上っています。これからもモザールの地域社会に貢献していくべく、持続的な支援活動を展開していくつもりです。

MCDT創設の地域小学校における支援活動
地域孤児院における支援活動
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