北海道におけるLNGトラック向け小型LNG充填設備の実証事業のご紹介

実証事業のご紹介
最新情報
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苫小牧・石狩での累計LNG充填回数1,500回、充填量約240トンを達成
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苫小牧充填所にて、5回目の液化バイオメタンとLNGの混合を実施
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苫小牧・石狩での累計LNG充填回数 1,000回、充填量 約160トンを達成
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環境省より、当該事業に対する2年間の実証期間延長が認められた
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苫小牧充填所にて、4回目の液化バイオメタンとLNGの混合を実施
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苫小牧充填所で、3回目の液化バイオメタンとLNGの混合を実施
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苫小牧充填所で、2回目の液化バイオメタンとLNGの混合を実施
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苫小牧・石狩でのLNG充填量の累計が100トンを達成
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NHK北海道にてニュース放映・Web記事掲載(家畜の糞尿をもとに製造した燃料で走行 全国初の実証実験)
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日本経済新聞電子版にて記事掲載(液化バイオメタン混合LNGでトラック走行)
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石狩充填所で累計100回のLNGトラック向け充填を達成
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苫小牧充填所で累計100回のLNGトラック向け充填を達成
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石狩充填所操業開始
事業紹介
本事業は、運輸部門におけるCO2排出量削減に
水素燃料車(以下「FCV」)では大型トラック向けの 十分な航続距離や積載能力の実現、
充電・充填供給に時間がかかるといった課題から EV/FCVの実用化が難しい現状を踏まえ、
将来のカーボンニュートラル社会移行までの 現実解として捉え、推進するものです。
エア・ウォーター株式会社
日本で初めてLNGを燃料とする 大型トラック(以下「LNGトラック」)と
小型可搬式LNG充填設備 (以下「LNG充填ボックス」)を使っての 実証走行を実施しております。
LNGトラックは、現時点でEVやFCVが
10%程度以上のCO2排出削減効果が期待される 次世代燃料トラックです。
さらに、カーボンニュートラルに対する 需要の高まりに合わせて
さまざまなCO2排出削減策も検討して 持続可能な社会実現に向けて努力してまいります。
実証試験の現況
エア・ウォーターと共に、
カーボンニュートラル社会の実現を目指しており、 実証試験としての北海道における取り組みは
環境省事業「令和3年度CO2排出削減対策 強化誘導型技術開発・実証事業」として 採択※されました。
※以下プレスリリースご参照。 同事業は令和4年度より「地域共創・セクター横断型 カーボンニュートラル技術開発・実証事業」に名称を変更。
北海道におけるLNGトラック向け小型LNG充填設備の 実証事業 環境省に採択(2021年5月20日)
現在、北海道苫小牧市において
それに併せLNGトラック実証走行も開始しました。
また、石狩市において2022年6月3日より LNG充填ボックスが稼働開始しました。
LNGトラック実証走行協力参加者として
石狩・苫小牧エリアを中心として合計14台の LNGトラックが走行しております。
2022年11月17日に帯広市で生産された 畜産糞尿ベースのバイオガスから生産される
液化バイオメタンの混合試験を開始しました。
※以下プレスリリースご参照。
環境省採択「未利用バイオガスを活用した液化バイオメタン地域サプライチェーンモデル実証事業」
~北海道十勝地方において持続可能な地域循環型エネルギー供給モデルの実証を開始~ | 事業製品ニュース | 事業紹介 | エア・ウォーター株式会社 (awi.co.jp)
翌日の2022年11月18日に上記混合LNGの
LNGトラックへの充填及び走行開始しました。
環境省より2023年4月に2年間の
延長に伴い、LNGに加え圧縮天然ガス(CNG)の 充填設備を追加装着の上、実証走行を行います。
苫小牧・石狩での累計LNG充填回数は1,500回、
LNG充填量は約240トンを 2023年8月18日に達成しました。
苫小牧充填所において、これまでに
液化バイオメタン混合率は 最高で約60%を記録しました。
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石狩LNG充填ボックス
- 液化窒素貯蔵タンク
- コージェネレーション発電機
- ボイルオフガス再液化装置
- LNG貯蔵タンク
- 温水ボイラ
- 温度調整器 温水式蒸発器
- LNGディスペンサー(給液機)
- ボイルオフガス バッファータンク
- UPS装置
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苫小牧LNG充填ボックス
- 液化窒素貯蔵タンク
- ボイルオフガス再液化装置
- LNG貯蔵タンク
- ボイルオフガス バッファータンク
- LNGディスペンサー(給液機)
- 温度調整器 温水式蒸発器
- 温水ボイラ
実証事業パートナー
共同実施者
協力者
LNGトラック実証走行協力者
よくあるQ&A
LNG充填BOXの特徴は?
輸送事業者の物流施設内での設置も想定し、大型トラック1台分の駐車スペースに設置できるよう、小型化いたしました。1日当たり、50~60台分のLNGトラックの充填に対応しており、LNGトラック1台当たりの充填時間はわずか5分程度です。LNG充填ボックス内のLNG在庫量を遠隔監視し、LNG充填ボックスへのLNG補充を適時適量行うシステムを構築することで、LNG充填ボックスへのLNG安定供給体制を確立してまいります。
また、世界初のLNGのボイルオフガスを燃料とした電源自立型コージェネ発電システムを搭載しています。大規模停電時においても、LNGトラックへのLNGの充填が可能となっており、外部への電力供給も可能となる優れた機能を備えていることも特徴の一つです。
車両向け燃料としての
LNGの利点は?
大型トラックは、本邦の運輸部門で第2位のCO2排出源となっています。LNGトラックは、電気自動車や燃料電池車では困難な1,000km以上の長距離走行と積載量の確保が可能です。
LNGトラックは、従来のディーゼルトラックに比して、10%程度以上のCO2排出量削減※が期待できます。LNGトラックは、振動・騒音も軽減されており、排気ガスも非常にクリーンでディーゼルのような石油臭もないのが特徴です。
※平成28~30年度の環境省「CO2排出削減対策強化誘導型技術開発・実証事業」にて、いすゞ自動車が試作した大型LNGトラックは、高速走行を中心とした都市間輸送にて、1回の燃料充填当たり1,000km以上の走行と、2015年度(平成27年度)重量車燃料基準値を達成したディーゼル車比CO2排出量10%程度以上の削減を達成。
実証実験の詳細は?
LNG充填ボックスの商用化に向けて、いすゞ自動車株式会社のLNGトラック14台を用いて、実証実験を重ねてまいります。北海道電力株式会社の協力を得て、本設備の有効性およびLNGトラック実走行時におけるCO2排出量と燃料費の削減効果を確認の上、事業化の検討を行うものです。加えて、将来的にLNGへの液化バイオメタンの配合を行い、CO2のさらなる削減策についても検討してまいります。
LNG充填ボックスの安全性は?
LNGトラックに充填されるLNGは、極低温液体のため、専用ノズルを用い、完全に密閉された状態で行われます。LNG充填作業者は、部分的に低温になる箇所に触れ、低温やけどになるリスク等を避けるため、保護手袋とフェースガードの着用が必要です。加えて、LNG充填ボックス周辺の火気の扱いも禁止するなど、安全策を図っております。
また、LNG充填ボックス内のLNGタンクは二重構造になっており、LNGの液漏れリスクは限りなく低いものとされております。LNGは毒性がなく、気化ガスは空気よりも軽いため、万一、地面にLNGが液漏れした場合も気化し、放散するため、土壌や水質を汚染することはありません。


商用化の時期やコストは?
実証実験の結果を踏まえ、2020年代半ばを目標に事業化の検討を行う予定です。輸送事業者が負担するコストについては、ディーゼルトラックの燃料代と比較し、魅力的な価格となるよう、本実証試験を通じて検討してまいります。
お問い合わせ先
天然ガスグループCEOオフィス 事業構想ユニット
自動車・モビリティグループ
いすゞ事業本部 市場開発室