三菱商事

海外プロジェクト探検隊

Vol.6 春休み「シンガポール都市開発プロジェクト」体験ツアー

2008年5月19日 読売新聞掲載

日本の高校生8人が今年3月、国際的な金融・物流拠点として発展を続けるシンガポールを訪問した。三菱商事が現地で展開するビジネスの最前線を取材するためだ。世界最大の観覧車やゴミ焼却炉プラントを見学し、現地の高校生との交流を深めるなど、充実した4泊5日を過ごした。

三菱商事の支店を訪問 観光・インフラ整備に貢献

高校生8人がまず訪れたのは、ビジネスや観光の中心地、マリーナ地区にオフィスを構える三菱商事シンガポール支店だ。北川靖彦支店長から、シンガポールの特徴や三菱商事の活動について説明を受けた後、高校生からは早速、「三菱商事の現地での知名度は」「ビジネスでの競争相手は」などの質問が出た。

その後、世界最大の観覧車「シンガポール・フライヤー」に移動した。シンガポール政府が観光客誘致の目玉にしようと建設を決め、三菱商事と竹中工務店が施工した。今年3月1日に運行を始めたばかりだ。

観覧車の高さはビルの42階に相当する165メートル。定員28人の円筒形ゴンドラが30分かけてゆっくりと1周し、窓の外にオフィス街の高層ビル群などの景観を楽しめる。来年の開業を目指すカジノや、今秋開催のF1レース施設の建設現場も眼下に一望でき、埼玉県立不動岡高校1年の矢野瑞季さん(16)は「シンガポールが国を挙げて観光に力を入れていることが肌で感じられる」と興味をひかれていた。また、茨城県立水戸第一高校1年の青山彩香さん(16)は「シンガポールの新たなシンボルに、日本の企業がかかわっているのは誇らしい」と、うれしげに話した。

午後からは、西部のジュロン地区にある「トゥアス南・ゴミ焼却炉プラント」に向かった。1日4320トンという世界最大級のゴミ処理能力を誇り、焼却炉の熱を利用して発電も行われている。三菱商事は、三菱重工業とともにプラント建設にかかわった。

高校生は、ゴミ収集トラックが行き交う施設の入り口や、巨大なクレーンがゴミを焼却炉に運び入れる様子などを見学。シンガポールの人々の生活を、三菱商事が支えていることを実感した。

高校生を案内した三菱商事シンガポール支店の宮崎部長によると、こうした社会インフラとなる新規の施設建設は少なくなっており、今後は施設の改修工事や運営にかかわることを検討していくという。慶応義塾高校2年の高沢幸広君(17)は「常に先を見据えながらビジネスチャンスをとらえようとしているのですね」と感心しながら説明に聞き入っていた。

世界に誇る貿易港を見学 現地同世代と心の交流

シンガポールの港はコンテナの取扱量で世界一を誇る。高校生はコンテナ専用ターミナルの1つ、タンジョン・パガー・ターミナルを訪れた。港を運営するシンガポール港湾局(PSA)の説明を受けた後、バスで港湾内を見学。聖光学院高校1年の後藤和隆君(16)は「大きなコンテナが山積みで、シンガポールが貿易拠点になっていることがよくわかった」と話した。

港湾を後にした8人は、ラッフルズ・ジュニア・カレッジの高校生との交流会に臨んだ。相手の高校生は日本語を勉強中で、日本語も上手に話す。このうち2人が日本語でスピーチを披露すると、日本の高校生たちは感心して聞き入った。その後は、シンガポールの高校生に案内されて校舎内を見て回り、英語と日本語をまじえながら互いの学生生活について会話を弾ませた。最後には全員が輪になってゲームを楽しんだ。

埼玉県立川越女子高校3年の森美咲紀さん(18)は「言葉が通じるか不安だったけど、心と心で交流できた気がする」と笑顔を見せ、慶応義塾湘南藤沢高校1年の田山友紀さん(16)は「現地の高校生が一生懸命、日本について学ぼうとしている様子が印象的だった」と、シンガポールの同世代から刺激を受けた様子だった。2時間の交流会はあっという間に過ぎ、高校生たちはいつまでも別れを惜しんでいた。

夜には、トラムで動物園を回る「ナイトサファリ」を楽しんだ。

快適な交通環境を整備 人々の喜び「最高の仕事」

4日目は、まず公共鉄道「MRT」でマンションが立ち並ぶ郊外のニュータウンに向かい、ニュータウンの間を走る無人の小型鉄道「LRT」にも乗車した。国土の狭いシンガポールでは多くの人が郊外のニュータウンに住んでおり、MRT、LRTとも人々の生活に欠かせない存在だ。三菱商事はMRTの変電設備の納入などにかかわったほか、累計で1000万枚以上が流通しているICカード乗車券「ez‐link」カードの輸入元になっている。

午後からは、南国の暑い日差しが照りつけるなか、インド人街のヒンズー教寺院やチャイナタウンの寺院、イスラム教徒のモスクなどを見て回った。千葉県立市川東高校2年の椎名剛士君(17)は「シンガポールを介して世界がつながっている」と言葉に実感を込めた。

体験ツアーを終え、石川県立金沢泉丘高校1年の前田翼君(16)は「三菱商事がシンガポールという国と一体になって、人々のために仕事に取り組んでいたように思う。自分も相手も喜ぶのが最高の仕事だとわかった」と振り返った。学校生活ではなかなか味わえない異国でのビジネスの世界にふれ、高校生は大きな刺激を受けたようだった。

“海外プロジェクト探検隊” 三菱商事の海外事業や現地の文化を体験しよう

“海外プロジェクト探検隊”とは

このプロジェクトは、一般から公募した高校生をリポーターとして海外に派遣し、現地で体験した内容をヨミウリ・オンラインで発表してもらうシリーズ企画。

現地では、三菱商事が海外で展開しているプロジェクトの現場を訪問するほか、現地の学生との国際交流や生活文化など、さまざまなプログラムを体験。未来の日本を担う高校生たちに、総合商社の仕事や異文化への理解を促し、今後社会で活躍するための糧としてもらうことを目指している。

これまでに「ブルネイLNGプロジェクト」「タイ自動車プロジェクト」「中国繊維・物流プロジェクト」「オーストラリア石炭採掘プロジェクト」「カナダ製紙原料プロジェクト」の“探検隊”を実施しており、今回の「シンガポール都市開発プロジェクト」は6回目となる。

次回は、夏休みに実施する予定。詳細が決定し次第、読売新聞の紙面で高校生リポーターを募集する。

体験ツアー報告会

5月10日、「シンガポール都市開発プロジェクト」体験ツアーの報告会が開催された。ツアーに参加した高校生たちは、体験したプログラムのツアーリポートを作成。シンガポールで展開する三菱商事のプロジェクトを中心に、現地で学んだことや感じたことなどを発表しあった。

続いて行われた懇談会では、“探検隊”第1~5回に参加したメンバーらとも交流。それぞれの自己紹介や近況報告、自分が参加した際の体験談、今回のリポートの感想などについて話が弾んだ。

詳細情報参照

海外プロジェクト探検隊 Vol.6に参加した高校生のリポート

海外プロジェクト探検隊 Vol.6の動画

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