三菱商事

海外プロジェクト探検隊

Vol.10 「インドネシア社会インフラプロジェクト」体験ツアー

2013年11月14日 読売新聞掲載

三菱商事が海外で展開するプロジェクト現場を高校生が訪問・取材し、リポートする「海外プロジェクト探検隊」。第10回の今回は、日本各地から集まった高校生8人が8月20日から5日間、アジアの中で成長を続けているインドネシアを訪れた。三菱商事がかかわっている事業の中から、地熱発電所や自動車産業、コンビニ事業を見学し、インドネシアの社会インフラ事情について知識を深めた。

三菱商事の幅広い事業 資源からコンビニまで多様

ジャカルタ郊外のスカルノハッタ空港に到着した高校生たちは、初めて訪れたインドネシアの空気を胸いっぱいに吸い込み、バスで三菱商事ジャカルタ駐在事務所へ向かった。空港からの道のりでは、“ジャカルタ名物”の大渋滞の手荒い出迎えを受けたが、高校生たちは長旅の疲れも見せず、伊勢田純一・インドネシア総代表などから、三菱商事が手がける事業内容や、インドネシア情勢について説明を受けた。長岡工業高専1年の島津佑輔さんは、「石油や天然ガスの生産から、コンビニエンスストアの運営まで、三菱商事が手がける仕事の幅広さに驚いた」と話していた。

世界有数の地熱発電所 燃料費・CO2排出ゼロで注目

翌日、ジャカルタからバスで約5時間のワヤン・ウィンドゥ地熱発電所を訪れた。標高約1800メートル、茶畑に囲まれたのどかな山あいに、もくもくと天然の蒸気が噴き上がる。三菱商事が出資するスターエネジー社が運営する、世界有数の地熱発電所だ。現在の発電容量23万キロ・ワットを、最大40万キロ・ワットまで拡張する予定だ。

高校生たちは、三菱商事の東南アジアでの電力事業を手がける「ダイアモンド・ジェネレーティング・アジア」の小牧広宣・ジャカルタ事務所長の説明を受けながら、発電所内を見学。現地職員に英語で次々と質問するなど、燃料費と二酸化炭素(CO2)排出量がゼロで、クリーンな発電として注目される地熱発電に高い関心を示していた。

東日本大震災で被災し、発電事業に興味を持ったという岩手県立盛岡南高校3年の佐々木香菜江さんは「環境面で周辺への配慮もしっかりなされていた。予想していたより大規模な発電所で驚いた。働いている方もフレンドリーだった」と笑顔を見せた。慶応義塾高校3年の田原大樹さんは「燃料費ゼロで、半永久的に使える点がすごい。日本では、地元の理解などハードルは高そうだが、もっと活用すべき」と話していた。

地熱発電

井戸を掘削し、地下深くのマグマで熱せられた高温の蒸気を取り出してタービンを回す発電方法。火山国の米国やインドネシア、日本などが豊富な地熱資源を持つ。二酸化炭素を排出しないため、環境への負荷が少ない。天候に左右されず、安定的に発電できることから、再生可能エネルギーの中核として普及が期待されている。

生活の基盤「足」と「食」 消費者の信頼得て発展中

三菱商事の関連会社「KRM」が、ジャカルタ郊外で運営する三菱自動車及び三菱ふそうの組み立て委託工場を見学した。インドネシアは、日本の自動車メーカーがシェア(市場占有率)の約9割を占める有望な市場で、トラックや乗用車を製造する同工場でも生産台数が右肩上がりとなっている。工場のマークが入った帽子をかぶった高校生たちは、インドネシアで高いシェアを誇るトラックや、人気車種「アウトランダースポーツ(日本名RVR)」が効率的に組み立てられていく工程を見学した。

将来は自動車メーカーで働きたいという江戸川学園取手高校2年の吉本竜さんは「人件費が安いインドネシアでは、機械化を抑えた方がコストが低いことを知った。従業員が日本で研修を受けるなど、技術向上への取り組みも充実していた」と感慨深げだった。

続いて、三菱自動車及び三菱ふそうの乗用車やトラックなどの輸入・販売総代理店「KTB」を訪問。辻昇社長が「これだけ若い方たちの訪問を受けたのは初めて」と歓迎した。KTBはインドネシア中に販売ネットワークを巡らせ、きめ細やかなアフターサービス体制を築いたことで消費者の信頼を勝ち得てきた。特にトラックでは圧倒的なシェアを誇る。KTB本社に併設する模擬ショールームは、ディーラーの質向上のため、研修の場として使われている。接客やショールームのディスプレー方法などについて学ぶ様子を見学。その後、社員食堂で、KTBの現地職員と一緒に昼食をとりながら交流した。徳島県立城東高校1年の澤田勇輝さんは、「ショールームは日本と同じぐらい洗練され、丁寧な接客だった。現地生産の車を現地ディーラーが販売していて、地元に溶け込んでいることが分かった」と現地での好調な売れ行きの理由に納得した様子だった。

次の現場は、経済発展に伴って盛り上がる消費の最前線だ。ローソン海外事業部の林雄一部長の案内のもと、ジャカルタを中心に63店舗を展開するローソンの店舗を訪れた。広い店内にはイートインコーナーが設けられ、店内で調理された「弁当」を食べる大学生らでにぎわっていた。福岡県立小倉高校2年の町元恵瑠さんは「おにぎりやおでんなど、品ぞろえが豊富で、現地の小売店と差別化がされていた。食べるスペースもあって利用しやすそうだった」と驚いていた。

現地生徒の熱意に触発 音楽など国境越えて話題共有

ジャカルタの高校「ラブスクール・ケイバヨラン」も訪れ、交流を深めた。同校生徒によるインドネシア伝統の踊りで出迎えられ、教室や図書館など校舎内を見学。体育館に集まった数百人の生徒を前に、緊張した面持ちだったが、日本の人気アイドルグループ「AKB48」の曲に合わせてダンスを披露すると、数百人の生徒は総立ちとなり、サビの部分を一緒に歌うなど盛り上がった。東京都立国際高校3年の池松彩果さんは、「交流する前は不安だったが、とても温かく迎えてくれた。いつかまた会いたい。英語やインドネシアについても勉強を続けたい」と目を輝かせた。

その後は、スマートフォンを使って記念撮影したり、メールアドレスを交換するなど、短い時間ですっかり打ち解け、別れを惜しんでいた。千葉県立幕張総合高校1年の椎名真与さんは「みな勉強熱心で、見習いたいと思った。日本の漫画の話で盛り上がれたのがうれしく、もっと英語を勉強しようと思った」と笑顔で話し、国際交流の楽しさをかみしめていた。

“海外プロジェクト探検隊” 三菱商事の海外事業や現地の文化を体験しよう

“海外プロジェクト探検隊”とは

このプロジェクトは、一般から公募した高校生をリポーターとして海外に派遣し、現地で体験した内容をヨミウリ・オンラインで発表してもらうシリーズ企画。今回の「インドネシア 社会インフラプロジェクト」は10回目となる。

現地では、三菱商事が展開しているプロジェクトの現場を訪問するほか、現地の学生との国際交流や生活文化など、さまざまなプログラムを体験。未来の日本を担う高校生たちに、総合商社の仕事や異文化への理解を促し、今後社会で活躍するための糧となることを目指している。

体験ツアー報告会

11月9日、第10回インドネシア体験ツアーの報告会が東京・丸の内の三菱商事本社で開催された。高校生たちは体験したプログラムをリポートし、インドネシアで展開する三菱商事のプロジェクトを中心に、現地で学んだことや感じたことなどを発表した。

打ち解けた雰囲気の中、三菱商事の社員と高校生たちが、ツアーの思い出や発表したリポートの感想などを語り合った。

詳細情報参照

海外プロジェクト探検隊 Vol.10に参加した高校生のリポート

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