コーポレートガバナンス原則
三菱商事は、当社のコーポレートガバナンスに関する基本的な枠組み、考え方及び基本方針を定め、これを示すとともに、もって当社の健全で持続的な成長と継続的な企業価値の向上に資するよう、コーポレートガバナンス原則を制定しています。
第1章 総則
第1節 本原則の目的
第1条(目的)
本原則は、当社のコーポレートガバナンスに関する基本的な枠組み、考え方及び基本方針を定め、これを示すとともに、もって当社の健全で持続的な成長と継続的な企業価値の向上に資することを目的とする。
第2節 企業理念
第2条(企業理念)
当社は、三菱第四代社長岩崎小彌太の訓諭をもとに1934年に旧三菱商事の行動指針として制定され、創立以来の当社の社是となっている、以下の『三綱領』※ を企業理念 とする。
- 所期奉公:事業を通じ、物心共に豊かな社会の実現に努力すると同時に、かけがえのない地球環境の維持にも貢献する。
- 処事光明:公明正大で品格のある行動を旨とし、活動の公開性、透明性を堅持する。
- 立業貿易:全世界的、宇宙的視野に立脚した事業展開を図る。
- ※2001年1月、三菱グループ各社で構成される三菱金曜会にて申し合わされた現代解釈。
第3節 三菱商事のコーポレートガバナンスの基本的な考え方
第3条(コーポレートガバナンスに関する基本的な考え方)
- 当社は、『三綱領』を企業理念とし、公明正大を旨とする企業活動を通じ、継続的に企業価値の向上を図るとともに、物心共に豊かな社会の実現に貢献することが、全てのステークホルダーの期待に応えることと捉え、この実現のため、経営の健全性、透明性、及び効率性を確保する基盤として、コーポレートガバナンスを継続的に強化することを経営上の重要な基本方針とする。
- 当社は、前項に定める基本的な考え方の下、経営における監督と執行の分離を進め、取締役会による充実した審議を通じて経営に対する実効性の高い監督を実現するとともに、重要な業務執行の決定の一部を社長又はその他業務執行取締役(以下、社長及びその他業務執行取締役を総称して「業務執行取締役」という)に委任することにより、迅速・果断で、かつ変化への対応力をもつ意思決定を可能とするため、監査等委員会設置会社を採用する。
- 前項に定める体制の下、取締役会より委任を受けた業務執行取締役が、経営戦略・事業計画等の原案を策定し、取締役会においてその内容を審議した上で決定する。業務執行取締役は、進捗状況を定期的に取締役会に報告し、取締役会はその進捗状況のモニタリングを行うことにより、継続的な企業価値の向上を図るものとする。
- 当社は、役職員の行動規範、全社横断的な管理体制、予防・是正・改善措置、内部通報制度等を社内規程等で定め、周知の上、運用の徹底を図り、コンプライアンス体制を実現するとともに、適切な内部統制システムを構築し、毎年その運用状況を確認の上、継続的な改善・強化に努めるものとする。
第2章 ステークホルダーエンゲージメント
第1節 ステークホルダーエンゲージメントに関する基本方針
第4条(基本方針)
当社は、当社が定める環境憲章、社会憲章、人権方針等の関連社内規程に基づき、株主、投資家、金融機関、従業員、顧客・パートナー、NGO、政府・行政、及び社会・メディア等、多様なステークホルダーの要請、期待、及び意見を、対話等のエンゲージメントを通じて的確に把握し、経営に反映することで、当社の健全で持続的な成長と継続的な企業価値の向上を図る。
第5条(適切な情報開示と透明性の確保)
当社は、法令等に基づく開示を行うことに加え、開示資料の充実化及び対話等のエンゲージメントを通じて、適時、適切、かつ公正な情報開示に努め、企業としての説明責任を果たす。また、当社は、海外投資家等に対する情報開示の充実化のため、英語での情報開示・提供を積極的に推進する。
第2節 株主との関係・対話
第6条(基本方針)
当社は、次条に定める株主総会に加え、多様な形態での説明会や対話の場を設定し、株主・投資家と積極的に対話を行うことで、当社の企業理念、経営の基本方針、経営目標及び戦略等に対する理解の促進を図る。
第7条(株主総会)
- 株主総会は、会社の最高意思決定機関であるとともに、株主との建設的な対話を実施する場として位置付け、株主総会招集通知(英訳を含む)等での積極的な情報開示を行うとともに、当日の株主総会の場では当社としての説明責任を果たすべく、株主からの質問に対して丁寧な説明を行うものとする。
- 当社は、株主が株主総会議案の十分な検討期間を確保し、適切に議決権を行使することができるよう、原則として、株主総会招集通知について、株主総会開催日の4週間前を目安に電子提供措置を開始するとともに、開催日の3週間前を目安に発送するものとする。
- 当社は、議決権電子行使プラットフォームを利用するとともに、定時株主総会の開催日を集中日以外に設定する等、株主総会に出席しない株主を含むすべての株主が適切に議決権を行使することができる環境の整備に努める。
第8条(株式の政策保有及び政策保有株式にかかる議決権行使に関する基本方針)
- 当社は、事業機会の創出や取引・協業関係の構築・維持・強化のための手段の一つとして純投資目的以外の保有目的で上場企業の株式を保有する場合があり、これらを取得する際には、当社の社内規程に基づき取得意義や経済合理性の観点を踏まえ取得是非を判断するとともに、取得後は取締役会において毎年、保有継続の合理性を検証の上、保有意義が希薄化した銘柄は縮減を進めることを基本方針とする。
- 当社は、事業機会の創出や取引・協業関係の構築・維持・強化を図るとともに、当社及び当社の投資先企業の継続的な価値向上の観点から、投資先企業に対する議決権の行使にあたっては、当社の社内規程に基づき投資先企業の経営状況等を定量的・定性的に検討の上、各議案について適切に議決権を行使するものとする。
第3節 従業員との関係・対話
第9条(基本方針)
当社は、人材を価値創出の源泉と捉え、従業員との対話を積極的に行った上で、多様な人材の活躍を促す会社制度の整備、及び多様性を受容する風土の醸成に向けた取組を進める。
第3章 取締役会
第1節 取締役会の役割・責務
第10条(取締役会の役割・責務)
取締役会は、株主に対する受託者責任・説明責任を踏まえ、当社の健全で持続的な成長と継続的な企業価値の向上を促し、物心共に豊かな社会の実現に貢献するべく、以下に列挙する役割・責務を果たし、透明・公正かつ迅速・果断な意思決定及び実効性の高い経営監督を実現する。
- 当社を取り巻く外部環境・時代観・世界観等を踏まえ、当社の事業実態に即した経営の大きな方向性を示すこと
- 執行側が整備した適切なリスクテイクを支える経営管理・リスク管理制度につき、その体制整備・運用状況を監督すること
- 執行側が策定し、取締役会で承認した経営の基本方針に照らして、独立した客観的な立場から執行側を評価し、必要な是正を促すことで、執行側に対して実効性の高い監督を行うこと
第2節 取締役会の規模・構成
第11条(取締役会の規模・構成)
取締役会は、前条に定める取締役会の役割・責務を果たすため、多様性が確保された適切な規模及び構成とするものとし、そのうち本原則別紙に定める当社の独立性基準(以下「本独立性基準」という)を満たす社外取締役の人数が3 分の1 以上を占めるものとする。
第3節 取締役(監査等委員である取締役を除く)の役割・責務及び選任方針・手続
第12条(取締役(監査等委員である取締役を除く)の役割・責務)
取締役(監査等委員である取締役を除く)の役割・責務はそれぞれ以下に定めるとおりとする。
- 社内取締役
- (a)取締役会長は、コーポレートガバナンスの維持・発展に努めるとともに、取締役会議長として、執行側の実情も踏まえながら、社外取締役の意見・考えを適切に引き出し、取締役会での議論を中立的にリードすることで、審議の充実化を図り、取締役会の役割・機能を発揮させることにより、当社の健全で持続的な成長と継続的な企業価値の向上を目指す。
- (b)業務執行取締役は、取締役会で承認された経営の基本方針に沿って業務を遂行するとともに、取締役会宛に業務執行状況を報告し、取締役会での審議内容を踏まえて、日々の業務執行にあたることにより、当社の健全で持続的な成長と継続的な企業価値の向上を目指す。
-
社外取締役
企業経営に関する実践的な視点や客観的・専門的な視点をもって、執行側の示す経営戦略の遂行を監督し、自らの経験やネットワークからの情報を基に、中長期の大きな方向性について助言した上で、取締役会としての適切な意思決定に参加することで、当社の健全で持続的な成長と継続的な企業価値の向上を目指す。
第13条(取締役(監査等委員である取締役を除く)の選任方針)
取締役(監査等委員である取締役を除く)は、前条に定める役割・責務を踏まえ、以下各号に定める方針のもと、全人格的な要素を考慮し、選任するものとする。
-
社内取締役
取締役会議長を務める取締役会長、業務執行の最高責任者である社長のほか、全社経営を担う役付執行役員の中から選任する。 - 社外取締役
- (a)企業経営者としての豊富な経験に基づく、実践的な視点を持つ者、及び世界情勢、社会・経済動向等に関する高い見識に基づく、客観的かつ専門的な視点を持つ者から選任する。
- (b)社外取締役選任の目的に適うよう、本原則別紙に定める独立性の確保に留意し、実質的に独立性を確保し得ない者は社外取締役として選任しない。
- (c)広範な事業領域を有する当社として、企業経営者を社外取締役とする場合、当該取締役の本務会社との取引において利益相反が生じる可能性もあるが、個別案件の利益相反には、取締役会において適正に対処するとともに、複数の社外取締役を置き、多様な視点を確保する。
第14条(取締役(監査等委員である取締役を除く)の選任手続)
取締役(監査等委員である取締役を除く)の選任にあたっては、前条に定める取締役(監査等委員である取締役を除く)の選任方針を踏まえ、社長が取締役(監査等委員である取締役を除く)候補者の選任案を作成し、コーポレートガバナンス・指名委員会による審議を経て、取締役(監査等委員である取締役を除く)選任議案として取締役会で決議し、株主総会に付議する。
第4節 経営陣幹部の後継者計画・選解任手続
第15条(経営陣幹部の後継者計画・選解任手続)
- 業務執行の最高責任者である社長の選任については、コーポレートガバナンス・指名委員会で経営者の要件及びその選任に関わる基本方針、並びに人事案を審議の上、取締役会に具申し、取締役会で決議する。
- 業務執行の最高責任者である社長の解任については、必要に応じて機動的に判断・対応するものとし、コーポレートガバナンス・指名委員会で審議の上、取締役会に具申し、取締役会で決議する。
- 執行役員の選任・業務分担等は取締役会での審議を経て決定する。
第5節 取締役・経営陣幹部の報酬
第16条(取締役・経営陣幹部の報酬)
- 取締役、及び全社経営を担う執行役員の報酬等(以下「役員報酬等」という)は、第3条に定めるコーポレートガバナンスに関する基本的な考え方に基づき、継続的な企業価値の向上につながるよう、また、業務執行・経営監督の機能に応じて、それぞれが適切に発揮されるよう、設計する。
- 取締役会による役員報酬等の決定方針や報酬等の額の決定について、より客観性・透明性を高め、公平性を担保するために、役員報酬等の基本的な考え方、決定方針、報酬水準・構成の妥当性及び運用状況等については、報酬委員会での審議・モニタリングを継続的に行い、取締役会に意見具申する。
- 取締役(監査等委員である取締役を除くものとし、以下本項において同じ)の各報酬の支給総額が株主総会で決議した総額の範囲内であること、並びに取締役及び全社経営を担う執行役員の各報酬の算定方法、支給総額及び個人別支給額が取締役会で決議した役員報酬等の決定方針に沿うことを、報酬委員会で毎年審議・確認の上、取締役会に具申し、取締役会で決議する。
第17条(取締役(監査等委員である取締役を除く)の報酬等の決定)
- 取締役(監査等委員である取締役を除く)の報酬等の額の総枠は、報酬委員会による審議を経て、取締役会に対して意見具申の上、取締役会で決議し、株主総会に付議する。
- 取締役(監査等委員である取締役を除く)の報酬等のうち、個人業績評価に基づいて支給額を決定する個人業績連動報酬については、毎年、取締役会から委任を受けた社長が評価を実施し、報酬委員会及び取締役会に報告する。なお、社長自身の、個人業績評価に基づいて支給額を決定する個人業績連動報酬については、報酬委員会が決定する。
第6節 取締役会議長
第18条(取締役会議長の役割・責務)
- 取締役会長は、取締役会を招集し、その議長となるものとする。
- 取締役会議長は、取締役会当日の議事進行を行い、非業務執行取締役として監督と執行の懸け橋として、取締役会による適正な意思決定の確保に努めるものとする。
第7節 取締役会等の運営
第19条(支援体制一般)
第10条及び第12条に定める取締役(会)の役割・責務が果たされるよう、また、取締役会における自由闊達で建設的な議論のため、取締役室を設置し、取締役(会)の職務執行に必要な情報及び支援を適時適切に提供する。
第20条(社外取締役に対する支援体制)
第12条に定める取締役の役割・責務が実効的に果たされるよう、社外取締役に対しては、経営陣幹部から経営執行状況及び取締役会議題に関する十分な情報提供を実施し、取締役会の議題に対する理解を深める機会を提供することに加え、当社の広範な事業領域を踏まえ、事業や経営戦略に対する理解を深める機会を提供する。
第8節 独立社外取締役会議
第21条(独立社外取締役会議)
社外取締役は、第12条b.に定める役割・責務を果たす観点から、必要な頻度で幅広いテーマについて社外取締役間で自由に討議する場として独立社外取締役会議を設ける。なお、独立社外取締役会議には、必要に応じて経営陣幹部等を同席させることができるものとする。
第9節 取締役会全体の実効性に関する分析・評価
第22条(取締役会全体の実効性に関する分析・評価)
- 取締役会は、毎年、取締役会全体の実効性について分析・評価(以下「取締役会実効性評価」という)を行い、その結果概要を開示する。
- 取締役会実効性評価の実施方針については、コーポレートガバナンス・指名委員会にて審議し、確認する。
- コーポレートガバナンス・指名委員会では、取締役会全体の機能の向上を図るべく、取締役会実効性評価の結果を踏まえ、取締役会の運営等を審議し、取締役会に意見具申する。
第4章 諮問機関
第1節 一般
第23条(設置目的)
取締役会の監督機能を強化するため、取締役会の諮問機関として、独立した社外の委員を主要な構成員とする、以下の3 つの委員会を設置し、社外の委員の意見・助言も踏まえた審議を行い、取締役会に意見具申する。
- コーポレートガバナンス・指名委員会
- 報酬委員会
- 国際諮問委員会
第2節 コーポレートガバナンス・指名委員会
第24条(役割・責務)
コーポレートガバナンス・指名委員会は、コーポレートガバナンスの継続的な強化を図るとともに、取締役会による指名プロセスについてより客観性・透明性を高め、公正性を担保することを目的として、第26条に定める事項に関し、取締役会の諮問に応じて、社外取締役の意見・助言も踏まえた審議・モニタリングを行い、取締役会に意見具申する。
第25条(構成・選定手続)
- コーポレートガバナンス・指名委員会の委員長(以下「コーポレートガバナンス・指名委員長」という)は、取締役会長とする。
- コーポレートガバナンス・指名委員会の委員は、取締役から選定し、監査等委員を含むものとし、また、過半数は社外取締役とする。
- コーポレートガバナンス・指名委員会の委員の人事は、コーポレートガバナンス・指名委員長が起案し、コーポレートガバナンス・指名委員会で審議の上、取締役会で決定する。
第26条(審議事項)
コーポレートガバナンス・指名委員会は、以下の事項を審議する。
-
コーポレートガバナンスにかかる基本方針、及び枠組み:
機関設計、取締役会の規模・構成、取締役会の審議事項、取締役会実効性評価、等 -
取締役の選解任に関する事項:
取締役の選解任方針、選解任案、選解任手続 -
指名等に関する事項:
社長の後継者計画、経営者の要件及びその選解任に関わる基本方針、全社戦略に関連する組織改編・コーポレート機能にかかる執行役員人事 - その他コーポレートガバナンス・指名委員長が必要と認める事項
第3節 報酬委員会
第27条(役割・責務)
報酬委員会は、取締役会による役員報酬等の決定方針や報酬等の額の決定について、より客観性・透明性を高め、公正性を担保することを目的として、第29条に定める事項に関し、取締役会の諮問に応じて、社外取締役の意見・助言も踏まえた審議・モニタリングを行い、第29条a.に定める事項については取締役会に意見具申するとともに、同条b.に定める事項については決定する。
第28条(構成・選定手続)
- 報酬委員会の委員長(以下「報酬委員長」という)は、社外取締役から選定する。
- 報酬委員会の委員は、取締役から選定し、監査等委員を含むものとし、また、過半数は社外取締役とする。
- 報酬委員会の委員の人事は、コーポレートガバナンス・指名委員長が起案し、コーポレートガバナンス・指名委員会で審議の上、取締役会で決定する。
第29条(審議事項)
報酬委員会は、以下の事項を審議 又は 審議の上、決定する。
-
審議事項
- (a)役員報酬等の基本的な考え方:
役員報酬等の決定方針、報酬水準・構成の妥当性及び運用状況 - (b)その他報酬委員長が必要と認める事項
-
審議・決定事項
- (a)執行役員報酬のサステナビリティ項目評価
- (b)社長業績評価
第4節 国際諮問委員会
第30条(役割・責務)
国際諮問委員会は、取締役会の審議に国際的かつ社外の多様な視点を取り入れることにより、各ステークホルダーの意見を経営に反映する体制を整えることを目的として、委員会における討議を踏まえ、国際的視点に立った提言・助言を取締役会に対して行う。
第31条(構成・選任手続)
- 国際諮問委員会の委員長(以下「国際諮問委員長」という)は取締役会長とする。
- 国際諮問委員会の委員は、産・官・学界の様々なバックグラウンドを持つ海外有識者を海外委員として、並びに、取締役会長、社長、及び国際諮問委員長が指名する取締役(社外取締役を含む)を国内委員として、選定する。また、過半数は海外委員とする。
- 国際諮問委員会の委員の人事は、社長が、国際諮問委員長と協議の上、起案し、国際諮問委員長が決定する。
第32条(討議事項)
国際諮問委員会は、国際情勢を中心とした外部環境を踏まえて委員会事務局が適切に選定した事項について、討議を行うものとする。
第5章 監査等委員会
第1節 監査等委員会の役割・責務
第33条(監査等委員会の役割・責務)
監査等委員会は、株主の負託を受けて取締役の職務の執行を監査する法定の独立機関として、その職務を適正に執行することにより、良質な企業統治体制を確立する責務を負い、かつ、取締役会と協働して会社の監督機能の一翼を担う。これらの役割・責務を通じて、当社のコーポレートガバナンスの維持・発展を支え、様々なステークホルダーの利害に配慮するとともに、ステークホルダーとの協働に努めながら、当社の健全で持続的な成長と継続的な企業価値及び社会的信頼の向上を目指す。
第2節 監査等委員会の規模・構成
第34条(監査等委員会の規模・構成)
監査等委員会は、前条に定める監査等委員会の役割・責務を果たすため、多様性が確保された適切な規模及び構成とするものとし、本独立性基準を満たす社外監査等委員の人数が過半数を占めるものとする。
第3節 監査等委員である取締役の役割・責務及び選任方針・手続
第35条(監査等委員である取締役の役割・責務)
監査等委員である取締役(以下「監査等委員」という)の役割・責務はそれぞれ以下に定めるとおりとする。
-
常勤監査等委員
当社全社経営での経験や、財務・会計・法務・リスク管理等の知識・経験を踏まえ、(a)取締役会長とともに非業務執行の社内取締役として取締役会の役割・機能を発揮させるとともに、(b)常勤監査等委員として、経営執行状況の適時的確な把握と、監査等委員会による実効性のある監査・監督の実現に向けた環境の整備に努め、他の監査等委員と協力して、客観的・大局的な視点から監査・監督し、必要な場面においては信念をもって執行側に直言することで、当社の健全で持続的な成長と継続的な企業価値及び社会的信頼の向上を目指す。 -
社外監査等委員
社外取締役としての、企業経営に関する実践的な視点や客観的・専門的な視点をもって、執行側の示す経営戦略の遂行を監督し、自らの経験やネットワークからの情報を基に、中長期の大きな方向性について助言した上で、取締役会としての適切な意思決定に参加することで、当社の健全で持続的な成長と継続的な企業価値の向上を目指すという役割・責務に加え、企業経営に関する多様かつ豊富な知識・経験や自らの専門性を踏まえ、中立的・客観的な立場から監査・監督し、当社の健全で持続的な成長と継続的な企業価値及び社会的信頼の向上を目指す。
第36条(監査等委員の選任方針)
監査等委員は、前条に定める役割・責務を踏まえ、以下各号に定める方針のもと、全人格的な要素を考慮し、選任するものとする。
-
常勤監査等委員
全社経営や財務・会計・法務・リスク管理、その他の知識・経験を持つ者から選任する。 -
社外監査等委員
- (a)企業経営に関する多様かつ豊富な知識と経験及び監査・監督に資する専門性を有する者から選任する。
- (b)社外監査等委員選任の目的に適うよう、その独立性確保に留意し、実質的に独立性を確保し得ない者は社外監査等委員として選任しない。
- (c)広範な事業領域を有する当社として、企業経営者を社外監査等委員とする場合、取締役である当該監査等委員の本務会社との取引において利益相反が生じる可能性もあるが、個別案件の利益相反には、取締役会において適正に対処するとともに、複数の社外監査等委員を置き、多様な視点を確保する。
第37条(監査等委員の選任手続)
監査等委員の選任にあたっては、前条に定める監査等委員の選任方針を踏まえ、社長が常勤監査等委員と協議の上、監査等委員の候補者の選任案を作成し、コーポレートガバナンス・指名委員会による審議を経て、監査等委員会の同意を得た上で、取締役会で決議し、株主総会に付議する。
第4節 監査等委員の報酬
第38条(監査等委員の報酬の決定)
- 監査等委員の報酬等の額の総枠は、報酬委員会による審議を経て、取締役会に対して意見具申の上、取締役会で決議し、株主総会に付議する。監査等委員会は、報酬委員会の審議状況を踏まえ必要に応じて協議の上、取締役会に対して意見具申する。
- 各監査等委員が受けるべき報酬等の額については、株主総会で承認された総枠の範囲内で、常勤・非常勤の別、監査業務の分担の状況、取締役の報酬等の内容及び水準等を考慮し、監査等委員の協議によって定める。
第5節 監査等委員会の委員長
第39条(監査等委員会の委員長の役割・責務)
- 監査等委員会の委員長は、監査等委員会を取り纏め、監査等委員会が第33 条に定める役割・責務を実効的に果たすよう主導する。
- 監査等委員会の委員長は、適時に経営執行状況を把握し、次条(2)に定める監査等委員会室及び第41条(1)に定める監査部と協働の上、他の監査等委員との連携を機動的に実現する。
第6節 監査等委員会の運営
第40条(体制整備・支援体制)
- 第33条に定める監査等委員会の役割・責務を実効的に果たすよう、監査等委員会は、監査・監督が実効的に行われることを確保するための体制(監査等委員会への報告に関する体制等を含む)を整備する。
- 監査等委員会の活動を補助し、監査・監督の円滑な遂行を支援するため、監査等委員会室を置き、専属のスタッフを配置する。
第41条(監査部及び会計監査人との連携)
- 監査等委員会は、前条(1)の体制整備に関する基本方針の決定又は決議に関し、当社の業務及び財産の状況の調査その他の監査・監督の職務を実効的かつ効率的に執行する観点から、監査部と緊密な連携が保持される体制を整備する。
- 監査等委員会は、会計監査人と定期的に会合をもち、必要に応じて監査等委員会への出席を求めるほか、会計監査人から監査に関する報告を適時かつ随時に受領し、積極的に意見及び情報の交換を行うなど、会計監査人と緊密な連携を保ち実効的かつ効率的な監査を実施することができるよう、そのための体制の整備に努める。
附則
- 本原則は2024年6月21日から施行する。
- 本原則の改定は、取締役会の議を経て行う。ただし、軽微なものについては、コーポレート担当役員(総務)の承認を得て行うものとする。
別紙 独立性基準
当社は、社外取締役の選任にあたっては、(株)東京証券取引所が定める独立役員の要件に加え、本人の現在及び過去3 事業年度における以下の①号乃至⑦号の該当の有無を確認の上、独立性を判断する。なお、以下の各号のいずれかに該当する場合であっても、当該人物が実質的に独立性を有すると判断した場合には、社外取締役選任に際してその理由を説明・開示する。
- ①当社の大株主(直接・間接に10%以上の議決権を保有する者)又はその業務執行者※1
- ②当社の定める基準を超える借入先※2の業務執行者
- ③当社の定める基準を超える取引先※3の業務執行者
- ④当社より、役員報酬以外に1 事業年度当たり1,000 万円を超える金銭その他の財産上の利益を得ているコンサルタント、弁護士、公認会計士等の専門的サービスを提供する者
- ⑤当社の会計監査人の代表社員又は社員
- ⑥当社より、一定額を超える寄附※4を受けた団体に属する者
- ⑦当社の社外役員としての在任期間が通算で8 年を超える者
- ※1本独立性基準において、業務執行者とは、業務執行取締役、執行役、執行役員その他の使用人等をいう。
- ※2当社の定める基準を超える借入先とは、当社の借入額が当社連結総資産の2%を超える借入先をいう。
- ※3当社の定める基準を超える取引先とは、当社との取引額が当社連結収益の2%を超える取引先をいう。
- ※4一定額を超える寄附とは、1事業年度当たり2,000万円を超える寄附をいう。