環境の保全
掛け替えのない地球環境を未来へと伝え、人と自然が調和した豊かな社会を実現するため、三菱商事は地球環境の保全に取り組んでいきます。
サンゴ礁保全プロジェクト(沖縄・豪州)
2005年度より、世界のサンゴ礁を保全し、サンゴ礁危機の原因や影響を究明する活動「サンゴ礁保全プロジェクト」に取り組んでいます。このプロジェクトでは、産(当社)・学(大学)・民(NGOなど)が連携し、研究活動を行うとともに、社内外から募集したボランティアが環境問題について理解を深めてもらうプログラムも実施しています。
森林保全プロジェクト「三菱商事千年の森」
当社は、三菱グループの創業者・岩崎 彌太郎の生誕地である高知県安芸市において、2009年より国内における環境保全を目的に、高知県、安芸市、高知東部森林組合と森林保全協定を締結し、協働による森造り事業を実施しています。これは、当社として、国内では初の森林保全の取り組みとなり、社有林143haを含めた263haを「三菱商事 千年の森」(通称:彌太郎の森)と名付け、水源涵養等の公益機能増進のための森林保全活動を実施するとともに、当社社員によるボランティア活動や環境教育の場として利用しています。
また、当社は2020年3月に四国森林管理局および安芸市、高知東部森林組合と協定を締結し、彌太郎の森別役地区において四国森林管理局が定める「緑の回廊」※1設定方針に準じた管理を導入することで合意し、生物多様性の保全に努めています。
これら保全活動が評価された結果、彌太郎の森の一部※2が、2024年3月に環境省により自然共生サイト※3に認定されました。
- ※1四国の国有林では保護林という制度で貴重な動植物や森林を保護してきましたが、こうした保護林と保護林をつなぐ「緑の回廊」を設定し、動植物が広く行き来できるようにすることにより、生物多様性を保全する働きを期待するもの。
- ※2千年の森として263haある森林面積のうち、今回当社と安芸市が共同で認定を受けた自然共生サイトは「四国山地緑の回廊」と接続する212ha。
- ※3自然共生サイトとは、民間の取り組みなどによって生物多様性の保全が図られている区域を目標の達成のために国が認定するもの。
自然の力を活用した気候変動対策(NCS)
自然の力を活用した気候変動対策(Natural Climate Solutions:NCS)を2022年より社会貢献活動の一貫として開始しました。NCSにはさまざまな手法がありますが、当社が注目したのは、放牧地や森林の劣化・減少を防ぎ、植物によるCO2の吸収を保全しつつ、土壌や植物に貯留されるCO2が大気中に放出されることを防ぐ手法です。対象地は南アフリカ。急速に人口が増加する南アフリカのダーバン近郊。同地では人口増に伴う放牧の増加で草や低木で構成される放牧地が減少し始めており、CO2吸収量の低下と、土壌に蓄えられたCO2の放出が懸念されています。本プロジェクトでは、環境NGO コンサベーション・インターナショナルと協業し、地域コミュニティの協力を得ながら、放牧地の保全に取り組みます。併せて、牧畜業の質向上や水資源の保全を通した、地域住民の生活レベル向上も狙いとしています。
今後は、さまざまなNCSプロジェクトへの参画を通じて、気候変動対策と同時に、地域社会への支援と、生物多様性の保全への寄与も目指しています。
社会貢献活動の報告等はこちらをご覧ください。