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デジタル革命が生み出す新たな未来

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デジタル革命が生み出す新たな未来

キャッシュレス決済

クレジットカードや電子マネーなど、「現金を使わない」決済の総称。日本は他国に比べ低く、決済全体の2割にとどまっている。

現金が消えた国。スウェーデンはそう呼ばれることがある。国を挙げてキャッシュレス化を推進した結果、今では現金の流通量は対GDP比で2%未満。これは他の先進国と比べても圧倒的に低い。

店舗の「レジ締め」作業や現金の計数にかかる時間と労力。現金の輸送や防犯のための費用。これに紙幣や硬貨をつくるために必要な資源(紙や金属)も考えあわせると、「お金を使う」ために社会が支払うコストがいかに膨大かわかる。

人口の少ないスウェーデンでは、人件費の抑制は企業、ひいては社会全体にとっての課題であり続けてきた。キャッシュレス決済の普及により、金融機関のATMは数を減らし、現在は納税や公的補助・控除の申請もスマートフォンで可能だという。企業や行政のコスト削減は確実に進んでいるようだ。

QRコード決済が盛んな中国では近年、無人コンビニや無人カラオケ、アプリひとつで決済までが完了するフードデリバリー、タクシー配車サービスなどが次々に生まれている。現金を使わない新たな仕組みが経済を動かし、テクノロジーの進歩を促している。キャッシュレスを前提とする新たなビジネスを多く手がけているのは、大学発などのスタートアップだ。決済や消費行動など様々な情報データが活用されることで、今後さらに多くのアイデアが生まれてくるだろう。

世界的にこうした流れが加速し、デジタル革命に伴う、新たな「キャッシュレス文明」が興りつつあるとも言われる状況の中、現金志向が高い日本も変革の時を迎えている。

電子決済で世の中を便利に

三菱商事は事業会社トランザクション・メディア・ネットワークスを通じ、電子決済サービスを提供しています。複数の電子マネーブランドを1台の端末で決済処理できる仕組みを開発。ローソンを始め国内の幅広い業態で活用頂いています。電子決済需要が伸びる中、これからも決済サービスを通じて便利な世の中の実現をめざします。

2019年11月3日 朝日新聞「GLOBE」掲載

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