CSEOメッセージ


CSEO組織の設置背景・効果
CSEO(Chief Stakeholder Engagement Officer)組織はステークホルダーの皆さまとのエンゲージメントを強化するために2023年4月に設置されました。当社は、従前よりステークホルダーの皆さまとの対話は企業価値向上に不可欠と考え重視してきました。一方、産業・社会構造が大きく変わろうとしている中でさらに成長していくには、より一層ステークホルダーの皆さまと対話の機会を増やし、その視点を経営に取り込んでいかなければならないという問題意識を経営レベルで強く感じたことが、CSEO組織設置の背景にあります。きめ細やかなエンゲージメントができるよう、日々の取り組みは、傘下の広報部、サステナビリティ部、IR・SR部がステークホルダー別に担っています。また、当該組織には、営業グループ出身者をはじめ、幅広い専門性を持った人材を集め、社内外で効果的なコミュニケーションができる体制を整えています。
ステークホルダーの皆さまとの対話においては、当社の経営状況や財務状況等について一方的にお伝えするのではなく、資本市場の当社に対する見方や企業価値向上に向けた打ち手等に関するご意見をいただき、双方向のコミュニケーションの機会を増やすことを心掛けています。頂戴したご意見・アドバイスは、社長を含むマネジメントや関連する組織に速やかに共有することで社内の意識変革を促し、各取り組みの改善を図っています。
ステークホルダーエンゲージメントの強化
CSEO組織設置以来、対話と開示について質・量の両面から見直しをしてきました。まず、対話については、国内外の機関投資家、アナリスト、個人株主の皆さまと、社長やCFO、社外役員が直接対話する機会を多く設けてきました。具体的には、機関投資家、アナリストの皆さま向けにMCSV Creation Forum(事業戦略対話やESG対話)を開催し、当社のMCSV創出に向けた取り組みについてご理解・ご意見いただく機会を設けたほか、個人株主の皆さま向けには、会社のビジョンや戦略を伝える取り組みを継続して強化しています。また、主に個人投資家の皆さま向けに当社をご紹介する短編動画を製作し、これまで接点の少なかった方々にも分かりやすい情報の発信を行っています。
開示については、株主・投資家の皆さまからのご意見を踏まえ、決算開示資料における内容の見直しや拡充を不断に行っています。また、GHG(温室効果ガス)排出量の開示拡充にも取り組み、「Scope3カテゴリー11」の排出量を業界に先駆けて開示しました。
また、開示情報を拡充する一方、対話の場面で統合報告書をはじめとする開示物をエンゲージメントの中でうまく活用できていなかったことが課題であったため、読み手の分析や、開示が必要な情報を整理した上で、開示体系の見直しを行いました。その結果、持続的な企業価値向上に向けた取り組みを統合的に説明する統合報告書をステークホルダーエンゲージメントの中核開示物と改めて位置付け、対話での使い勝手を意識して、発信情報の厳選・分量のスリム化を行いました。統合報告書では当社の企業価値向上ストーリーの概観を記載し、より詳細な取り組みやデータはサステナビリティ・ウェブサイトをはじめとする他媒体に掲載する整理を行いましたので、統合報告書を案内役として、目的に応じてその他の開示物も併せて読んでいただければ幸いです。
今後の展望
市場環境の変化および当社の成長に伴い、ステークホルダーエンゲージメントの重要性はますます高まっており、皆さまからの期待に応えるべく、引き続き対話・開示を通じた取り組み強化が必要であると認識しています。
特に、さらなる成長へのポテンシャルを適切に評価いただくことが課題であり、そのためには当社の「産業コングロマリット」としての価値を伝える努力が必要であると考えています。当社は強い事業の「新結合」を通じ、コングロマリットであることの強みを活用してMCSVを創出することを目指していますが、こうした中長期での成長の解像度を上げるための対話・開示も強化していきます。加えて、次期中期経営戦略策定に向けて、より資本市場を意識した施策の検討を進めていきます。こうした取り組みにより、成長期待の向上・資本コストの低減を通じた当社の企業価値向上を目指します。
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