2022年度新入社員への社長メッセージについて
2022年4月1日
三菱商事株式会社
4月1日、当社は121名(総合職)の新入社員を迎えました。
社長の中西勝也より新入社員に対するメッセージがありましたので、以下の通り内容をご案内申し上げます。
新入社員向けメッセージ
【最初に】
おはようございます。社長の中西です。皆さんの社会人としてのスタートを心からお祝いします。また、三菱商事を選んでくれたことに、心から感謝したいと思います。
121名の皆さんを新たな仲間として迎えることができ、大変嬉しく思います。今日は、皆さんの社会人としての記念すべき初日ですが、私自身も、社長としての初日です。皆さんと同じように、今、少し緊張もしていますし、新たな挑戦に、胸が高鳴っています。
社員が成長し、成長した社員が会社を更に発展させていく、これがわが社であり、社員が最も大事な財産です。 従いまして、皆さんが成長できるように、全力でサポートしていきたいと思います。今日、三菱商事から社会人としてのスタートを切り、そして三菱商事の未来を共に創り上げていく仲間としてエールを込め、私から3つ程お話したいと思います。
【1つ目:外部環境の変化】
1つ目は「変わる」外部環境についてです。
皆さんもお気付きの通り、あらゆる分野で、凄いスピードで外部環境が変わってきています。最たる例が地政学リスクです。昨年までは世界の二大大国である米国と中国の間で、 経済・軍事・技術などに加え、イデオロギーを含めた覇権争いが、大きな影響をもたらしていました。
そして、連日の報道の通り、ロシアによるウクライナ侵攻によって、社会情勢に様々な混乱が生じています。 米国・欧州、ロシアそして中国の対立は長期化すると思われ、これにより、国際社会の多軸化・分断化が更に進んでいくと思います。安全保障上の対立が経済にも波及し、エネルギー資源や食糧の価格が高騰するなど、益々不透明な環境が日本経済を取り巻いており、世界経済の回復に向けても、様々な不確実性が伴うと予想されます。
また、世界中を未曽有の混乱に陥れたコロナ禍は、我々の日常に大きな変化をもたらしました。経済活動や人々の往来が制限される一方、個人の意識・価値観や消費行動の変化が、新たな日常の形となって表れてきています。
こうした激動する世界情勢にあって、グローバルにビジネスを行っていく上で、今まで以上に、慎重に様々な角度から、地政学リスクや外部環境を分析することが求められます。世界情勢や外部環境の変化が我々のビジネスに直結するということです。
もう1つ例を挙げるとすると、デジタル化と脱炭素化の流れがそうです。わが社では、この世界的な潮流をDXとEX 、所謂、デジタルとエネルギーのトランスフォーメーションという言葉で捉えています。
インターネットが広く普及し、デジタルTechnologyが目覚ましく発展しています。一人ひとりがスマホを持った結果、ビッグデータが集まり、またデータとAIが組み合わさり、イノベーションにより新たにモノとコトが繋がる、これら一連のDXによる産業革命的な変化が起きています。
加えて、気候変動に代表されるような環境問題を受け、脱炭素化の流れなど、EX面においても地球規模での大きな変化のうねりが起きています。数年前までは想像もできなかった事象が次々に起き、今後も世の中は絶えず変化し、そのスピードも益々加速していくことを当然の環境として理解しておく必要があるでしょう。
時代時代の社会の要請や事業環境に即した対応と、柔軟性を持って進化を続けてきた結果が現在のわが社の形となっています。ぜひ、世界情勢や外部環境を俯瞰的に分析・咀嚼し、これから担当する事業や産業の構造が、どのように変わっていくかを常に考える習慣を付けて貰いたいと思います。
【2つ目:変わらない価値観】
2つ目は価値観についてです。
社長に内定した昨年12月以降、ずっと考えていたことは、激動の時代にあって、我々、三菱商事として、これから何をすべきなのか、どこへ向かうべきなのか、と言ったことです。すなわち、存在意義、目指す姿、事業活動を通じて創出される価値など、根源的・根本的な考えに対する問いです。
その中で我々にとって、道しるべとなるものは、三菱商事の企業理念である 「三綱領」です。「三綱領」は、1920年の三菱第四代社長・岩崎小彌太の訓諭をもとに、旧三菱商事の行動指針として策定されたものです。
訓諭が発表された1920年というのは、第一次世界大戦後に大戦景気の反動による戦後恐慌に入った年でした。多くの会社が、大損失や破産に追い込まれるなど、社会が混乱する中、 企業の本質とは何かを、当時の小彌太社長が示したものです。
1. 「所期奉公」
事業活動の究極の目的は、「社会に対する貢献」ということです。
現代的に解釈すると、「国という枠組みも超えて、事業を通じ、物心共に豊かな社会の実現に努力すること。また、かけがえのない地球環境の維持にも貢献する」ということです。
2. 「処事光明」
公明正大で、品格のある行動を取ること。常にオープンで、透明性を持って、事業を行うということです。
3. 「立業貿易」
元々の意味は、「対外貿易を、主たる業務とする」ということですが、今日ではグローバルベースで、様々なビジネスを展開する、グローバルな視点を持つ、ということです。
わが社のビジネスを取り巻く環境は、時代・時代で常に変化してきましたが、訓諭が発表されてから100年たっても、この「三綱領」は、常に引き継がれてきた、わが社の企業理念であり、激動する現代にあっても根底にある価値観は変わっていません。
皆さんには、ぜひ、入社という記念すべき日にあたり、三綱領の精神を改めて、胸に刻んで、高い倫理観を持ち、社会人生活をスタートさせてほしいと思います。
【3つ目:意識して欲しい点】
3つ目は皆さんに「意識して欲しい点」についてお話しします。
この後、配属発表が行われ、皆さんの「最初」の所属グループが決まります。皆さんが、どこから三菱商事としてのキャリアをスタートするにしても、まずはその分野でプロフェッショナルになることを目指してください。
各営業グループは、各業界にインサイダーとして深く入り込んでいますし、コーポレートスタッフ部門の強い専門性もわが社の強みです。各営業グループが、それぞれの業界の中で、更に強靭化を目指すものの、一方では事業環境の変化、デジタルの力も相まって、産業間の壁がどんどん低くなっています。その結果、異業種の会社が参入しやすくなってきています。即ち、我々を取り巻く事業環境は、一つの業界に向き合う営業グループだけでは対応できないほどに変化し、これからは営業グループ同士による、ヨコの連携、”つながり”が、より重要になって来ています。
わが社は全産業との強く幅広い接地面があり、複数の営業グループとコーポレートスタッフ部門間で、これまで以上にしっかり横連携し、新たなアイデア・構想で産業横断的に事業を創り上げていくことでわが社の強みが更に増します。
それを実現する為には、情報の共有を含め、相手に伝える力、話を聞く力を磨き、コミュニケーションを良く取り、for the companyの精神で、チームプレーを心掛けてください。また、何事も、自分事として捉え、当事者意識を持つこと、そして、失敗を恐れずに、挑戦し、諦めずに、最後までやり抜く気持ちを、是非持って欲しいと思います。
ビジネスは、全て上手く行くということはあり得ません。大切なのは、諦めない事、そして次に「つなげる」ことです。失敗を糧に、挑戦し続けることでしか、成功には至りません。 私自身も、会社人生の中で全てのチャレンジで成功してきた訳ではありません。悔しい思いをしたことも多々あります。
ただ、大事なのは、その時々で全力を尽くすこと。 そして、仮に失敗しても、何故失敗したのか?を、しっかりと分析し、次の成長や成功に「つなげる」気持ち、気概が重要です。私はこれらを会社生活に於いて、大事にし続けています。
成長の機会は至るところにあり、会社は、皆さんの成長を、全力で後押していきます。
【最後に】
最後になりますが、今日この日、共にスタートを切る、同期同士の「つながり」も、ぜひ大切にしていってほしいと思います。私は、今日から入社38年目に入りますが、皆さんと同じように、三菱商事から社会人としてのスタートを切った同期がおり、共に夢を語り、支え合いながら、今日まで歩んできました。
皆さんも、これからそれぞれの挑戦の道を歩んでいきます。道は前にしかありません。失敗や経験を糧に、どんどん進んでいって欲しいと思います。このかけがえのない仲間との「つながり」を大切に、時には競い合い、時には助け合いながら、共に未来を創り上げてくれることを願っています。
変化の激しい時代であり、多様な価値観がお互いを刺激し合う時代です。また機会を改めて、ゆっくりお話ししながら、皆さんのフレッシュな思いや感性にも触れたいと思います。その時に、成長した皆さんと、お会いできることを楽しみにしています。改めて、入社、おめでとうございます。一緒になって頑張りましょう。
<参考情報> 2022年度新卒採用実績
総合職 | 文系 | 理系 | ||
院卒 | 学部卒 | 院卒 | 学部卒 | |
4(4) | 79(23) | 28(4) | 10(1) | |
小計 | 83(27) | 38(5) | ||
合計 | 121(32) |
※( )は女性数
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