フィンランドにおける低炭素アルミニウム製錬プロジェクトの事業化調査への参画

2024年12月4日
三菱商事株式会社

三菱商事株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役 社長:中西 勝也、以下「三菱商事」) は、Rio Tinto(本社:英・豪、資源会社)、Fortum(本社:フィンランド、国営電力会社)、Finnish Industry Investment(本社:フィンランド、公的基金ファンド)、およびVargas Holding(本社:スウェーデン、投資ファンド)と共に、フィンランドにおけるArctial低炭素アルミニウム製錬プロジェクト(以下「本プロジェクト」)の事業化調査を実施いたします。


本プロジェクトは、発電時に二酸化炭素を排出しない電力を使用し、ヨーロッパで30年以上ぶりに開発される新規のアルミニウム製錬案件です。本事業化調査では、プロジェクトの財務・技術面に加えて、経済・社会・環境面の影響を総合的に評価します。その一環として、豊富な再生可能エネルギーを有するフィンランドの電力会社Fortumとの間で、電力の調達条件などを協議します。本プロジェクトに対しては、アルミニウム生産大手企業のRio Tintoが最新鋭のアルミニウム製錬技術を提供する予定です。三菱商事は、事業化調査のための資金拠出以外に、アルミニウム製錬事業の投資・経営実績や、グローバルに展開しているアルミニウムのトレーディングで培った知見も踏まえ、事業性評価に貢献いたします。


アルミニウムは、その軽量性、高い導電性、リサイクル性などにより、自動車、航空機、太陽光パネルや電線などの再生可能エネルギーインフラ、包装などに広く使用される重要な素材です。脱炭素化、電化、循環型社会における重要な役割を担い、中長期的にアルミニウムの需要は増加することが予想されています。アルミニウムは生産時に多くの電力を消費するため、二酸化炭素排出量の少ない電力を用いて生産された低炭素アルミニウムの需要が年々増加しています。一方で、低炭素アルミニウムの供給能力は世界的に限られており、希少性が高まることが見込まれています。


三菱商事は、2022年5月に公表した「中期経営戦略2024」において、EX(エネルギー・トランスフォーメーション)関連投資を成長戦略の一つに掲げており、今回の事業化調査への参画はその一環として位置づけられます。今後も脱炭素社会の実現に向けて、アルミニウムを含む電化に資する金属資源の確保と安定供給に取り組んでまいります。

プロジェクト概要

事業内容 アルミニウム製錬
所在地 フィンランド中部Kokkola
生産開始 2029年頃
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三菱商事のマテリアリティ(重要課題)

三菱商事は、企業理念「三綱領」に基づき、事業を通じて社会の持続可能な発展へ貢献し、価値創造に取り組むことで、社会と共に発展してきました。『中期経営戦略2024』で目指すMC Shared Value(共創価値)の継続的な創出に向け、当社が解決していく重要な社会課題である「マテリアリティ」を指針として、当社の持続可能な成長に向けた取り組みを強化していきます。本件は、事業活動を通じて目指す「カーボンニュートラル社会と物心共に豊かな生活の実現」に関する6つのマテリアリティの内、特に「脱炭素社会への貢献」と「持続可能で安定的な社会と暮らしの実現」に資する取り組みになります。
脱炭素社会への貢献
自然資本の保全と有効活用
持続可能で安定的な社会と暮らしの実現
イノベーションを通じた社会課題の解決
地域課題の解決とコミュニティの共生
事業推進における人権の尊重

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