米国DAC事業会社Heirloom Carbon Technologies, Inc社への出資参画について

2024年12月5日
三菱商事株式会社

三菱商事株式会社(以下 「当社」)は、米国で初めて直接空気回収(Direct Air Capture、以下「DAC」)の商業化案件を稼働させたHeirloom Carbon Technologies, Inc社(以下、Heirloom社)に出資参画致しました。本出資を通じ、今後Heirloom社が開発中のDAC後続案件への直接参画についても本格的に検討して参ります。


当社は株式会社商船三井と共に、昨年7月に転換証券(*)を通じHeirloom社に初の日本企業として参画、今般、同社が1.5億ドルの資金調達を完了するにあたり、三井物産株式会社、日本航空株式会社などの日本企業を含む複数社と共に出資致しました。

(*) Simple Agreement for Future Equity (SAFE)とも呼ばれ、将来の株式転換の権利と引き換えに資金提供を行う。スタートアップへの資金提供において、よく活用される手法。


Heirloom社のDAC技術は、地球の地表の約1割を占める石灰岩という世界中に存在する安価な吸着材を利用していること、CO2吸着に大型送風設備を必要としないことなどから、DACコスト低減への貢献、及び早期の事業化が期待されています。


当社は本出資を通じ、Heirloom社の商業化プロセスの支援やグローバル市場への展開をサポートすると同時に、今後もDACを通じて脱炭素社会の実現に貢献して参ります。

Heirloom社 DACプロセス

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Heirloom社初号案件のDAC設備(Heirloom社提供)

DACとは

将来的な脱炭素社会の実現には、温室効果ガス排出の削減のみならず、大気中に残存するCO2を除去する炭素除去(Carbon Dioxide Removal、以下「CDR」)が必要と言われています。DACは様々な技術を用いて大気中のCO2を吸着させ、その後吸着させたCO2を地下貯留などを通じて大気中から長期にわたり除去する技術です。既に欧米では商業化に成功した事例もありますが、規模拡大が課題とされています。

Heirloom社概要

正式名称:Heirloom Carbon Technologies, Inc

成立年:2020年3月

所在地:米国 カリフォルニア州

代表取締役社長:Shashank Samala

Heirloom社DAC事業 初号案件概要

実施場所 カリフォルニア州 トレーシー
事業 DAC技術を活用して大気中のCO2を回収し、コンクリートに吸収・固定することでCDRを行い、カーボンクレジットを販売
CO2回収量 年間約1千㌧
事業段階 操業中

Heirloom社DAC事業 後続案件概要

実施場所 ルイジアナ州 カドー郡
事業 DAC技術を活用して大気中のCO2を回収し、ルイジアナ州を中心としたエリアに地下貯留することでCDRを行い、カーボンクレジットを販売
CO2除去量 年間約1.7万㌧
事業段階 開発準備中

三菱商事株式会社概要

本社:東京都千代田区丸の内二丁目3番1号

事業内容:地球環境エネルギー、マテリアルソリューション、金属資源、社会インフラ、モビリティ、食品産業、S.L.C.(Smart-Life Creation)、電力ソリューションの8グループ体制で、幅広い産業を事業領域として多角的なビジネスを展開


三菱商事のマテリアリティ(重要課題)

三菱商事は、企業理念「三綱領」に基づき、事業を通じて社会の持続可能な発展へ貢献し、価値創造に取り組むことで、社会と共に発展してきました。『中期経営戦略2024』で目指すMC Shared Value(共創価値)の継続的な創出に向け、当社が解決していく重要な社会課題である「マテリアリティ」を指針として、当社の持続可能な成長に向けた取り組みを強化していきます。本件は、事業活動を通じて目指す「カーボンニュートラル社会と物心共に豊かな生活の実現」に関する6つのマテリアリティの内、特に「脱炭素社会への貢献」「持続可能で安定的な社会と暮らしの実現」「イノベーションを通じた社会課題の解決」に資する取り組みになります。
脱炭素社会への貢献
自然資本の保全と有効活用
持続可能で安定的な社会と暮らしの実現
イノベーションを通じた社会課題の解決
地域課題の解決とコミュニティの共生
事業推進における人権の尊重

ニュースリリースに関するお問い合わせ先

三菱商事株式会社 広報部 報道チーム
TEL:03-3210-2171