One time, One meeting:「誰のために、何のために仕事をするのか」原点となった出会い

One time, One meeting From 三菱商事 (ファーストリテイリング インドネシア現地法人出向) 嶋 雄吾 One time, One meeting From 三菱商事 (ファーストリテイリング インドネシア現地法人出向) 嶋 雄吾

現在、ファーストリテイリングのインドネシア法人で、経営全般を担う嶋雄吾さん。これまで10年以上海外で奮闘してきた彼が常に大切にしてきた、ビジネスの心構えとは。その思いに大きな影響を与えた“出会い”とは?

「誰のために、何のために仕事をするのか」原点となった出会い 「誰のために、何のために仕事をするのか」原点となった出会い

国境にとらわれず日本と世界をどんどんつないでいきたい。そう思い三菱商事に入社しました。これまで食品の輸出入や食品製造事業の投資管理などの仕事をしてきました。今はユニクロを展開するファーストリテイリングのインドネシア法人にCOO(最高執行責任者)として出向しています。日々経営に携わり、多くの学びがあります。

多くの人に製品を利用していただくには、その価値をその国の人々の考え方やライフスタイルに合わせたかたちで伝えなくてはなりません。そのためには、何より現地の人のことを深く理解する必要があります。

私が仕事をする上でずっと心がけてきたのは「その国の人々の立場で考え、行動すること」です。自分が取り組むビジネスは、その国の人々の永続的な、真の意味での幸せにつながっているか。常に自分に問いながら、仕事に取り組んできました。きっかけは、パキスタンでともに働いた現地の男性社員との出会いです。彼の言動からは常に「この国を豊かにしたい」との熱い思いが伝わってきました。これから開発されていく国側の視点で、何のために事業を進めるのか、原点を考えることの大切さを情熱的に教えてくれました。その思いに応えようと、私も必死で仕事に取り組み、「誰のための」「何のための」仕事なのか、を深く考えるようになったのです。

この経験が、今の仕事にも役立っています。ユニクロはサステナビリティをビジネスの根幹に置き、その地域の人々の立場に寄り添って事業を展開しています。

また少し前に、うれしいことがありました。ジャワ島の地方から出てきて、ジャカルタユニクロ1号店の販売員として働いていた女性社員が、先日出身地にオープンした店舗の店長に就任したのです。開店日には彼女が仕送りをしていた地元の家族がかけつけ、涙を流して喜んでいました。この姿を見た時に、自分にとって最大の喜びは、お客様の喜ぶ顔や社員の成長を見ることだと改めて実感しました。

誰のために、何のために仕事をするのか、原点に立ち返って考えることを忘れずに、これからも目の前の仕事に全力で取り組んでいきます。