プレスルーム
2011年4月1日
2011年度新入社員への社長メッセージについて
本日、弊社は209名(総合職165名、ビジネスサポートスタッフ(一般職)44名)の新入社員を迎えました。新入社員は本日より研修に入りますが、研修の最初に、社長の小林健より新入社員に対するメッセージがありましたので、添付の通り内容をご案内申し上げます。
また、2011年度の新卒採用実績は下記の通りです。併せてお知らせ申し上げます。
1.2011年度新卒採用実績
総合職
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文系
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理系
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院卒
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学部卒
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院卒
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学部卒
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6(1)
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116(27)
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32(3)
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11(0)
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小計
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122(28)
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43(3)
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ビジネスサポートスタッフ(一般職)
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44(44)
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合計
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209(75)
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※( )は女性数
2.2011年度新卒新入社員向け小林社長メッセージ
皆さん、おはようございます。社長の小林です。
本日ここに209名の新たな仲間をお迎えできたことを大変嬉しく思います。
皆さんの入社を心から歓迎します。
【震災について】
入社式の挨拶ではありますが、まず、この度の大震災で犠牲者となられた方々、そして被災者の方々に、心からのお悼みとお見舞いを申し上げますと共に、三菱商事として、引続き出来る限りの支援を実施していく決意を改めて述べさせて頂きます。
新入社員の皆さんの中にも不安な日々を送った方が多くいらっしゃると思います。
国全体が深い悲しみに包まれている中、私たちは、社会の一員、一人の国民として、何ができるかを考え、行動しなければなりません。
また、動揺の中ではありますが、三菱商事の社員として、一人ひとりが気持ちをしっかりと持ち、着実に業務に取り組んでいくことが、経済社会の復興につながります。
皆さんには、そういった気概を持って、この国難を乗り越えるために、最大限努力をして頂きたいと思います。
【心掛けてほしいこと】
今日は、社長として、また社会人の先輩として、皆さんに心掛けてほしいことを3点お話しします。
まず一つ目は、「自ら積極的に現場に出て、様々な経験を積んでほしい」ということです。
「中期経営計画2012」の中でも触れていますが、現在わが社の事業は、総合商社のもともとの生業であるトレーディングや販売型ビジネスをはじめとして、資源分野への権益投資や、メーカーやオペレーターといった事業会社の運営により事業収益を獲得するものなど、大きな広がりを見せています。
そして、それに伴い、実質的なビジネスの現場が、わが社本体から事業投資先に移転することも加速度的に進んでいます。
ここで皆さんにお伝えしたいのは、こうした状況下でも、ビジネスで大きな力を発揮するのは、現場で鍛えられた知恵や経験だということです。
私自身、入社後は船舶部に配属となり、入社3年目の頃には、生産現場研修として、造船所で1年間を過ごした経験があります。宿舎も年上の工員の方と相部屋で、まさに「現場」に身を置いたわけですが、現場に深く入り込むことで、造船所で何が行われ、生産現場で働く人々がどんなことを考えているのかを自分の目でしっかりと確かめることができました。そして、造船業にとって何がボトルネックなのか、それに対しわが社が何をしなくてはいけないのかを実態的に理解し、行動に移しました。ものづくりの原点を学べたこの経験は、今振り返ってみても、私にとって非常に大きな財産になっていると感じます。
これから皆さんは、一連の研修を終えた後、それぞれの部署に配属となるわけですが、まずは、営業であれば、お客様やパートナーのもとに足繁く通い、又、コーポレートであれば、情報の最前線に身を置き、そこで何が起きているのかを深く理解してほしいと思います。
ビジネスを創造する発想は、すべて現場から生まれるということを肝に銘じて欲しいと思います。
二つ目は、「自己研鑽に励み見識を持って欲しい」ということです。
例えば、常にアンテナを高く張り巡らせ、政治・経済・社会など様々なテーマにつき見識を持つことは、三菱商事パーソンとして、非常に大切なことであります。お客様と接する際にも、こちらの話に聞いてもらえるだけの中身が無ければ、新しい情報を仕入れることもできませんし、生の声を引き出すこともできません。日ごろから広く好奇心を持ち、知見を広めることは是非皆さんに心がけて頂きたいと思います。もし今、「無事に入社してこれで安心だ」と思っている方がいるとしたら、その考えを今すぐに改めてください。ここが皆さんのゴールではありません。皆さんは今スタート地点に立ったばかりなのです。
これからの三菱商事を支えていくのは皆さん一人ひとりであることをしっかりと自覚し、改めて自分が三菱商事で何を達成したいのかを自分に問いかけてください。そしてその目標を達成する為に、日々自分を磨き続け、高い見識を持って頂きたいのです。
一方で、最近の若手社員を見ていて気になるのは、自分の「キャリア」を気にしすぎているのではないかということです。若い人から「今の仕事は自分のキャリアにとってどのような意味を持つのか」という声がよく出ていると聞きますが、これに対する私からのアドバイスとしては、まず目の前のことを精一杯やりなさい、主体的に最後まで粘り強く取り組みなさいということです。その結果として、キャリアは自ずと拓けていくものだということも併せてお伝えしたいと思います。
最後に三つ目ですが、「三菱商事の企業文化を継承してもらいたい」ということです。わが社の企業理念である三綱領は、皆さんも既にご存知のことと思いますが、「所期奉公」、「処事光明」、「立業貿易」の三つから成り立っています。この「三綱領」は、三菱の四代目当主であり、旧三菱商事の初代会長でもある岩崎小彌太が、1920年に、当時の金融危機に際し、会社の原点を示すものとして、当時の部長や支店長に対して行った訓示を基に、1934年に制定されたものです。以来、わが社の中で脈々と受け継がれ、社員一人ひとりが折に触れて立ち返る行動の拠り所となっています。
昨今、「企業の社会的責任」や「コンプライアンス」、そして「グローバルな事業活動」などが企業の価値や姿勢を測る重要な尺度になっていますが、わが社はそのはるか昔、会社の草創期からこうした考え方を経営理念として掲げて活動を行なってきた企業なのです。
今回の震災に対しての、社業を通じての支援は正に「所期奉公」の理念であります。
そうした文化をベースとした長い歴史の積み重ねの中で、三菱商事には、培われてきた素晴しい文化・風土があります。
こうした「三菱商事らしさ」を日々様々な先輩社員と接する中で感じ取り、身につけることで、まずは、三菱商事パーソンとして申し分ないと周囲の方々から認めて頂けるように、日々努力を重ねていってほしいと思います。
【ビジネスサポートスタッフ職新入社員に向けて】
また、本日は44名のビジネスサポートスタッフ職の新入社員も出席していますが、わが社にとって、この職種では、皆さんが17年ぶりの新入社員ということになります。三菱商事のビジネスは、その多くがバックオフィス業務に支えられています。皆さんには、バックオフィス業務の高度なスキルとノウハウをしっかりと継承して頂き、効率的且つ円滑なビジネスの推進を通じて、三菱商事の競争力の維持・強化に向けて思う存分力を発揮してもらいたいと思っていますので、是非そういった気概を持って日々の業務に取り組んでください。
【最後に】
以上、皆さんの社会人としての門出に当たり、心掛けて頂きたいことをお話しました。
さあ、いよいよ皆さんの社会人生活が始まります。
今日から共に、三菱商事グループの更なる発展に向け、頑張っていきましょう。
三菱商事パーソンとしてのスタートを祝し、皆さんの大いなる活躍を期待して、私からの歓迎の挨拶と致します。 入社おめでとう!
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