2014年 社長年頭挨拶
2014年1月6日
明けましておめでとうございます。本年もよろしく願い申し上げます。
さて、本朝、三菱商事本社(東京・丸の内)にて行われました、当社社長 小林健による「2014年 年頭挨拶」を下記の通りご報告致します。
さて、本朝、三菱商事本社(東京・丸の内)にて行われました、当社社長 小林健による「2014年 年頭挨拶」を下記の通りご報告致します。
記
明けましておめでとうございます。2014年、新しい年が始まりました。MCグループの皆さんと新しい年を恙なく迎えることができ、まず感謝したいと思います。
昨年は、世界全体で言えば、新興国の成長が世界経済全体をけん引するという構図に変化はなかったものの、新興国の成長が高度成長期から安定成長期へとシフトする時期に差し掛かりました。また、米国ではシェールガス革命によって、米国の産業、経済が復権してくるという兆しがより現実味を帯びてきました。一方、政治的には地政学的なリスクが世界各地に内在する状況の中で、2014年を迎えることとなりました。
国内では、安倍政権発足から1年が経ち、成長路線はまだ道半ばではありますが、日本経済が再び成長路線に戻るという兆しが見え始めました。景気と言いますが、私は景気の「気」は、気力の「気」ではないかと思っています。個々の企業を成長させるという、経営者あるいは従業員の気力が充実してきていると感じています
2014年もこの充実した気力をもって、経済界、産業界の発展に繋げていきたいと思います。
こうした内外の環境変化を踏まえ、昨年5月に「経営戦略2015」を発表しました。従来の積み上げ方式、カウントダウン方式の経営計画の考え方が、MCグループの実態にそぐわなくなってきたことから、将来の私たちのあり姿を前に出し、そのあり姿を実現するために今何をすべきかを考えていく、いわゆる“Future Pull”の発想で取り組むこととしました。私たちが日々行っている仕事の延長線上のあり姿を描いて、そこに向かって皆でやっていくという考え方です。その時間軸を2020年に設定しました。奇しくも、昨年9月に2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催が決まりました。これから日本という国が、経済的にも、産業的にも、政治的にも2020年に向かって国造りを再度チャレンジしていくことになったわけで、国の目標とMCグループの目標がある意味一致したということは、大変良いことだと思っています。
「経営戦略2015」発表以降、戦略の考え方や戦略に込めた私の思いを伝え、また戦略に対する現場の声、現場の発信を正面から受け止めるために、国内外各地を回りました。海外へは、昨年18回、25か国、延べ82日間出張しました。国内へは、22回50日間出張し、国内外の出張を合計すると132日ということで、1年の3分の1は、現場でお客様や、私たちの拠点やグループの仲間と意見交換を重ねたということになります。私は、社長就任以来、現場をできるだけ多く訪問することにしています。本年も現場の皆さんと積極的に意見交換していきたいと思います。
発表から8か月経ちましたが、「経営戦略2015」で掲げた方針・戦略に沿って、MCグループ社員の皆さんが取り組んでくれているという確かな手応えを感じています。それが、2013年度の上期決算において、通期業績見通しに対して62%の達成率となって表れました。まだまだスタートしたばかりですが、この間のMCグループ社員の皆さんの取り組みにこの場を借りて感謝し、さらなる成長への足音が十分に聞こえるという自信をもってこの新年をスタートしたいと思います。
また昨年は、政府の要請を受け、安倍首相のミャンマー、カタール、トルコ訪問に随行しました。安倍政権本格化に伴い、官民一体となったトップセールスを展開していますが、経済的にも日本のためにずいぶんと積極的に取り組んで頂いていると思います。民間企業の社長が随行し、拡大首脳会談に参加することで、訪問国の首相や閣僚、そして経済界のトップの方々と十分な議論を尽くし、時には、その場で即答し自分の会社の経営にも反映させるなど、非常に良いサイクルで回っているものと実感しております。
2014年の干支は「甲午(きのえうま)」です。60年周期の干支の中で31番目、つまり後半が始まる年であり、発芽、変革が起こる年とも言われています。前回の「甲午」となる1954年は高度経済成長の先駆けとなった「神武景気」が始まった年に当たります。
そして忘れてはならないことは、1954年は三菱商事が財閥解体を経て大合同を実現した年だということです。つまり、新生・三菱商事が発足してから今年の7月でちょうど60年になります。昨今、企業寿命が30年、40年と言われている中で、戦後の苦しい時期に大合同を為して以来、この60年間も、途中いろいろと苦しい時期もありましたが、三菱商事グループの礎を築いて頂いた先人、先輩のご努力に対して、敬意を表したいと思います。私たちは、三菱商事にとって新たな60年を背負っていくことになります。この記念すべき節目の年に皆さんに申し上げたいのは、戦後の厳しい環境を経て、先人が大合同を実現した時のエネルギーや気力に思いをはせ、そしてその精神に立ち返って、よりたくましく、より力強く皆で成長していこうということです。
今年も四海波静かということはないと思います。また、政治的、経済的にも一歩後退、二歩前進という局面もあるかと思います。三菱商事グループは、「経営戦略2015」で掲げた施策を皆さんが着実に実践して頂くことによって、2020年に向かって順調なスタートを切ることができました。2020年が近づくにつれ、より具体的に成長のイメージが想像できるようになる中で、今一度、大合同の原点に立ち返って自分自身の仕事を見つめ直してほしい。そして、よりたくましい成長へとつなげてもらいたいと思います。
本年は、成長に加え、「たくましさ」を一つの目標にしていきたいと思います。先人の精神を受け継いだ私たちが、決して60年前に引けを取らないということを証明できるように、たくましい成長を目指し、共に歩んでいきましょう。
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