水力発電所アライアンス事業におけるプロジェクトファイナンス融資の実行について

2022年5月24日
北海道電力株式会社
三菱商事株式会社
北海道電力株式会社(以下「北海道電力」)と三菱商事株式会社(以下「三菱商事」)は、「道南水力発電合同会社」(本店:北海道函館市、以下「道南水力発電」)を2021年11月に設立し、北海道道南地域において「水力発電所アライアンス事業」(以下「本事業」)を実施することに合意しましたので、お知らせします。
本事業は、道南地域に位置する北海道電力所有の七飯(ななえ)発電所、磯谷川(いそやがわ)第一発電所、磯谷川第二発電所および相沼内(あいぬまない)発電所の4発電所に、北海道電力の子会社であるほくでんエコエナジー株式会社が所有する大野(おおの)発電所を加えた計5発電所のリプレースおよびリプレース後の発電事業を、道南水力発電が実施するものです。
(2021年10月28日プレスリリース済み)

 
道南水力発電は、2022年3月に三井住友信託銀行株式会社および株式会社北洋銀行と融資契約を締結し、この度、プロジェクトファイナンス(以下「PF」)による融資を受けましたのでお知らせします。水力発電は、ダムや導水路、発変電機器などの設備を広範囲に亘って設置することから、設置に必要な権利や事業に必要な関係許可等が多岐にわたるため、金融機関による事業性判断が難しく、PFによる融資を受ける事例は僅少です。
 
北海道電力と三菱商事は、それぞれが有する水力発電事業とPFに関する知見を活かして金融機関と協議を重ねました。その結果、本事業の事業計画を高く評価していただき、PFによる融資が実現しました。今後、道南水力発電は、導水路等を北海道電力からリースを受け、既存設備の有効活用を図った上で、順次老朽化した設備のみリプレース工事を行い、その後の発電事業を行ってまいります。
 
本事業において、北海道電力は、これまでと同様に地域とのコミュニケーションを図りながら、培ってきた豊富な水力発電所の保守・工事・運営に関する知見を活用して水力発電所のリプレース工事対応、工事後のメンテナンスを行ってまいります。また、三菱商事は、国内外で有する豊富なPFによる発電事業のノウハウを活用して道南水力発電の効率的な経営・事業運営、各種契約管理、PFの資金調達管理などを行います。両社は、純国産かつ地域の貴重な水資源を活用した再生可能エネルギーである水力発電を長期にわたって最大限活用し、カーボンニュートラルの実現に貢献してまいります。
 
 
※特定事業に対して融資を行い、そこから生み出されるキャッシュフローを返済の原資とし、債権保全のための担保も対象事業の資産に限定する手法。通常の融資とは異なり、親会社は特定事業への出資以上のリスクを負わない反面、貸主である金融機関は追加のリスクを負う事になるため、一般的に事業計画の調査が厳しく行われる。
 
 
 

 
三菱商事のマテリアリティ(重要課題)
 
三菱商事は、企業理念「三綱領」に基づき、事業を通じて社会の持続可能な発展へ貢献し、価値創造に取り組むことで、社会と共に発展してきました。『中期経営戦略2024』で目指すMC Shared Value(共創価値)の継続的な創出に向け、当社が解決していく重要な社会課題である「マテリアリティ」を指針として、当社の持続可能な成長に向けた取り組みを強化していきます。本件は、事業活動を通じて目指す「カーボンニュートラル社会と物心共に豊かな生活の実現」に関する6つのマテリアリティの内、特に「脱炭素社会への貢献」と「持続可能で安定的な社会と暮らしの実現」に資する取り組みになります。

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