三菱商事

未来を動かすエネルギー

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写真:サハリンエナジー社提供

未来を動かすエネルギー

LNG(Liquefied Natural Gas)

液化天然ガス。天然ガスをマイナス162度まで冷却すると、液化し体積が600分の1になる性質を利用し、輸送や貯蔵を容易にしたもの。

アポロ11号が人類初の月面到達に成功した1969年、日本では初のLNG輸入船がアラスカから横浜に到着した。当時、生産国以外ではほとんど利用されていなかった天然ガスは、メタンを主成分とする天然の可燃性ガスである。他の化石燃料と比べ燃焼時の温室効果ガスが少ないことが特徴。日本全国で公害が社会問題化していた時期に、未来を見据え、世界に先駆けてLNG輸入に踏み切ったことは注目に値する。

近年は環境意識の高まりを受け、再生可能エネルギーとともに天然ガスの需要が世界で大きく伸びている。特に中国を始めとするアジアのLNG需要は旺盛で、世界最大のLNG輸入国である日本にとっても安定的な供給を確保することがますます重要だ。

限りある化石エネルギーではあるが、2000年代後半の「シェールガス革命」により、天然ガスは100年以上の採掘が可能といわれる。21世紀の持続可能な発展のリード役としてこれからも社会を支えてくれるだろう。

将来の教科書には、年表の1969年の欄にアポロの成功と天然ガスの輸入開始という言葉が並ぶのかもしれない。私たちの未来を変えた、二つの大きな出来事として。

カナダ産シェールガスを日本へ

三菱商事は、昨年10月LNGカナダ社を通じ、カナダ西岸に年間1400万トンの生産能力を持つLNGプラントの建設を開始しました。豊富なシェールガス資源を活用するカナダ初の大型LNG事業で、2020年代半ばから日本への輸出開始を目指しています。私たちは、50年に亘るLNG事業の経験を活かし、カナダの新産業発展と日本のエネルギー安定供給に貢献していきます。

2019年6月2日 朝日新聞「GLOBE」掲載

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